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第11回ポプラ社新人賞特別賞受賞!川上佐都さん『街に躍ねる』が刊行 装画は漫画家・高松美咲さん

川上佐都さん著『街に躍ねる』

川上佐都さん著『街に躍ねる』

ポプラ社は、「第11回ポプラ社小説新人賞」受賞作品を3ヶ月連続で刊行しており、1月刊行の新人賞受賞作『つぎはぐ、さんかく』(菰野江名さん)に続き、川上佐都さんの特別賞受賞作品『街に躍ねる』を2月15日に刊行しました。なお、装画は人気漫画家・高松美咲さんが手掛けています。

 

懸命に“世間”を生きる兄弟を描いた「第11回ポプラ社小説新人賞」特別賞受賞作品『街に躍ねる』

『街に躍ねる』は、小学生の主人公の視点で書かれている兄弟の物語です。
幼い目に映る「世間」に対する疑問や戸惑いが、純粋すぎる形で容赦なく読者の胸に突き刺さってきます。

人と違うということ、違う他者と関わるということ、子供だからこそ感じる葛藤を真摯に描いた本作は、現代社会を生きる大人たちに新たな気づきをもたらしてくれるはずです。

 
【あらすじ】

小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。

物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると「普通じゃない」らしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。同級生や大家さんとの会話を通じて、初めて意識する世間に戸惑い葛藤する晶だが、兄と交わした言葉を胸に日々を懸命に生きていく。

 
〈俳優・伊藤沙莉さん推薦コメント〉

その子、その人ならではの感覚や景色は
読んでいる私ならではの感覚や景色になり
懐かしくもあり、どこか寂しくもあったけど
「その時にあったこと」として刻み込まれていく。
何も知らない不安も、知っているからこその不安も
いつかはみんな経験する。
普通とは、特別とは、大変とは、

人と意見や見方が違っても
自分がどう思うかを
自分の中で大切にしたいと思った。
――伊藤沙莉

 
\元書店員のこな・つむりさんから応援POPも!/

作:こな・つむりさん @conbooks

作:こな・つむりさん @conbooks

 
【人気漫画家・高松美咲さんによる初の文芸書単行本装画!】

本書のカバーイラストは、2023年4月~TVアニメの放送が決定したことでも話題の『スキップとローファー』の著者、人気漫画家・高松美咲さんの描き下ろし。文芸書単行本の装画では今回が初めてです。柔らかいタッチで描かれた爽やかな絵で、作品の世界を表現しています。

 

選考委員激賞!

◆読了後「特別な作品に出会った」と直感し、真っ先に担当したいと手を挙げました。
瑞々しく純粋な感性と、極めて現実的で容赦のない描写が共存しており、その対比がこの作品の無二の魅力を作り出していると思います。
人は常に誰かと違うということ、違いを知ろうとすることの大事さが、限りなく真摯に描かれていると思います。
(文芸編集部 編集担当 稲熊ゆりさん)

 
◆今日的な問題をはらんでいて、最後まで一気に読ませる筆力がある。
一見、世間的な常識の「外」にいる主人公の兄の存在が、家族というものの「在り方」を読者に突きつけてくる。そのバランスが心地よい。文学的にも優れていると感じさせる作品。
(文芸編集部編集長 吉川健二郎さん)

 
◆兄の凄さが世間のものさしから外れていることに対するもどかしさや歯がゆさ、そして純粋だからこそ感じる世の中への疑問が、小学生の視点を通して描かれていて、その率直さとリアリティが素晴らしいと感じた。
(文芸編集部 三枝美保さん)

 

著者プロフィール

著者の川上佐都(かわかみ・さと)さんは、1993年生まれ、神奈川県鎌倉市出身。今作で第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞しデビュー。

 

街に躍ねる
川上 佐都 (著)

第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。読んだ後にきっと誰かを大切にできる、人と人との関わりの物語。

<第11回ポプラ社新人賞受賞作>

つぎはぐ、さんかく
菰野 江名 (著)

<選考員満場一致! 第11回ポプラ社小説新人賞受賞作>
「たとえそのつぎ目が不格好でも、
つながっていられればそれでいいと思っていた。」

惣菜と珈琲のお店「△」を営むヒロは、晴太、中学三年生の蒼と三人兄弟だけで暮らしている。ヒロが美味しい惣菜を作り、晴太がコーヒーを淹れ、蒼は元気に学校へ出かける。
しかしある日、蒼は中学卒業とともに家を出たいと言い始める。これまでの穏やかな日々を続けていきたいヒロは、激しく反発してしまうのだが、三人はそれぞれに複雑な事情を抱えていた――。

傷つきながらも身を寄せ合って生きてきた三人が、懸命に明日を紡いでいくための物語。

 
【関連】
第11回|ポプラ社小説新人賞|文学賞|ポプラ社

 


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