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『紙魚の手帖』vol.19は「第34回鮎川哲也賞」選評、「第2回創元ミステリ短編賞」選評&受賞作を掲載

東京創元社の総合文芸誌『紙魚の手帖』は、10月刊行のvol.19にて、同社が主催する二大ミステリ公募新人賞、鮎川哲也賞と創元ミステリ短編賞(ミステリーズ!新人賞よりリニューアル)の第34回、第2回の選評を収録。さらに、第34回鮎川哲也賞受賞者・山口未桜さんの受賞の言葉や、第2回創元ミステリ短編賞を受賞した歳内沙都さんの「桜越しに空を撮る」の全文も掲載されています。

なお、山口未桜さんの第34回鮎川哲也賞受賞作『禁忌の子』も同時発売されています。

 

【受賞作決定!】第34回鮎川哲也賞選評/第2回創元ミステリ短編賞選評 【第2回創元ミステリ短編賞受賞作全文掲載】歳内沙都さん「桜越しに空を撮る」

 
<■『紙魚の手帖』vol.19 目次>

【受賞作決定!】
第34回鮎川哲也賞選評 青崎有吾・東川篤哉・麻耶雄嵩
第2回創元ミステリ短編賞選評 大倉崇裕・北村 薫・辻堂ゆめ

【第2回創元ミステリ短編賞受賞作】
桜越しに空を撮る 歳内沙都
●中学校の卒業式。萌は、親友の美緒が不登校になってしまった、二年前の事件を思い出す……。

【特集 美しくも歪(ゆが)んだ世界へようこそ― ジョン・コナリーの物語】
身元不明者の解剖(一六三七) フランス・ミアー ジョン・コナリー 田内志文 訳
●この文章は、『身元不明者の解剖』と題された絵画の分析である――しかし、何かがおかしい

鼠(ねずみ)の王 ジョン・コナリー 田内志文 訳
●むかしむかし。私たちの町で鼠がどんどん増え続け、鼠の王はすべてを見守っていました――異世界冒険『失われたものたちの本』に連なる一編

2024年10月刊行!『キャクストン私設図書館』文庫化

【小説・連載】
渦中の人 お蔦さんの神楽坂日記 西條奈加
●望が家に帰ると、世間を騒がせている有名人がいて……

きみのかたち 第13回 坂木 司
●小学六年生のあいだで噂になっている転校生。彼はいったいなにを企んでいる?

粒と棘 最終話 何度でも 新野剛志
●終戦から十年以上が経った東京で生きる“かれら〟は、今どこで何をしているだろう。戦後を活写する連作、完結

フルハウス 第3回 堂場瞬一
●膝が痛む……。大会本番までには絶対に回復する。俺と須山の夢のために

不等辺五角形 第4回 貫井徳郎
●証言者のなかで歪なずれを来した互いの認識と関係。事件はさらなる迷宮へ

【小説・読切】
私たちの愛の巣 古矢永塔子
●同じ団地の別棟に暮らす、手芸作家の千尋と主婦の芽依。二人が守ってきた生活が、徐々にほころび始め――

稲子のカフェー 嶋津 輝
●活気のない商店街にある、カフェー西行。意を決して入店した主婦・稲子は、目当ての女給の姿を探す――

【コミック】
第8回 左利きの帝国 熊倉 献
●左利きの左利きによる左利きのための社会を目指して

【創立70周年記念企画】
エッセイ 「わたしと東京創元社」
●豪華執筆陣による一年限定特別連載!
中村有希/凪良ゆう/法月綸太郎/東 雅夫/廣嶋玲子/フランシス・ハーディング

【ESSAY】
私の小さな地図帖 その八 すべて立ちすくむものの上に 山崎佳代子
装幀の森 第13回 山田英春
翻訳のはなし 第十七回 演じること、奏すること。 高橋 啓
乱視読者の読んだり見たり 第13回 キャット・レイディたちをめぐって 若島 正
ホームズ書録 三上於菟吉の「這う男」翻案を収録の単行本 北原尚彦

【COLUMN】
みすてりあーな・のーと その5 長沼弘毅氏のこと 戸川安宣
ごほうびごはん*黒いカラアゲ 静月遠火
行かない旅の栞*人類の叡智(えいち)は消えたのか? 永嶋恵美
読書日記 王城夕紀

【INTERVIEW 期待の新人】
井上先斗

【INTERVIEW 注目の新刊】
『彗星を追うヴァンパイア』 河野 裕
『少女には向かない完全犯罪』 方丈貴恵

【BOOKREVIEW】
[文芸全般]   瀧井朝世
[国内ミステリ] 宇田川拓也
[翻訳ミステリ] 村上貴史
[SF]      渡邊利道
[ファンタジイ] 三村美衣

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編集後記・次号予告

 

鮎川哲也賞について

鮎川哲也賞は、東京創元社が主催し、「創意と情熱溢れる鮮烈な推理長編」を公募する新人文学賞です。正賞はコナン・ドイル像、賞金は「印税全額」となっています。受賞作は10月に東京創元社より刊行されます。

なお、第1回(平成2年度)の芦辺拓さん以来、石川真介、加納朋子、近藤史恵、愛川晶、北森鴻、満坂太郎、谺健二、飛鳥部勝則、門前典之、後藤均、森谷明子、神津慶次朗、岸田るり子、麻見和史、山口芳宏、七河迦南、相沢沙呼、安萬純一、月原渉、山田彩人、青崎有吾、市川哲也、内山純、市川憂人、今村昌弘、川澄浩平、方丈貴恵、千田理緒、岡本好貴の各氏をはじめ、 これまで斯界に新鮮な人材を輩出しています。

 

創元ミステリ短編賞について

創元ミステリ短編賞は、東京創元社が主催する短編ミステリの公募の文学賞です。ミステリ界に新風を吹き込む、意気込みに溢れた推理短編の書き手の発掘を目的としています。2022年度までは「ミステリーズ!新人賞」と呼称されていましたが、2023年度より現在の名称に変更されました。

なお、受賞者には正賞として懐中時計が、賞金として30万円が贈呈されます。

 

紙魚の手帖Vol.19
西條 奈加 (著), 新野 剛志 (著), 古矢永 塔子ほか (著)

第34回鮎川哲也賞選評、および第2回創元ミステリ短編賞選評&受賞作・歳内沙都「桜越しに空を撮る」掲載。■本邦初訳短編掲載などで贈る、特集「美しくも歪(ゆが)んだ世界へようこそ― ジョン・コナリーの物語」。■気鋭による傑作読切 古矢永塔子「私たちの愛の巣」、嶋津輝「稲子のカフェー」掲載。■新野剛志が贈る、終戦まもない東京を活写する連作『粒と棘』、堂々の連載最終回ほか。

装画:飯田研人
装幀:アルビレオ

禁忌の子
山口 未桜 (著)

【第34回鮎川哲也賞受賞作】

投稿作であることも忘れ手に汗握った。
読者を没入させるストーリーテリングができる方だ
青崎有吾

とにかく書きっぷりが達者で、私は作品の半ばまで読んで
「これが今年の鮎川賞だな」と確信した
東川篤哉

良質なサスペンスドラマのように、主人公が歩みを進めるたびに
真相に近づいていく展開は見事のひと言
麻耶雄嵩

救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。
彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。
「俺たち」は誰なんだ。

現役医師が描く医療×本格ミステリ
第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作

救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。

装画:Q-TA
装幀:大岡喜直(next door design)

 


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