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【第24回小野十三郎賞】新井啓子さん『さざえ尻まで』が受賞

大阪文学協会は、優れた詩集および詩評論書に贈る「第24回小野十三郎賞」の受賞作を発表しました。

 

第24回小野十三郎賞が決定!

第24回小野十三郎賞は、9月26日に大阪市内で、オンライン併用の最終選考会が開催され、次の通り受賞作が決定しました。なお、今回は全国各地から詩集112冊、詩評論書13冊の応募がありました。

 
<第24回小野十三郎賞 受賞作品>

【詩集部門】

■小野十三郎賞
 新井啓子(あらい・けいこ)さん
 『さざえ尻まで』(思潮社)

 
【詩評論書部門】

■小野十三郎賞
 該当作なし

■特別奨励賞
 宮内喜美子(みやうち・きみこ)さん
 『わたしたちのたいせつなあの島へ――菅原克己からの宿題』(七月堂)

 
詩集部門で小野十三郎賞を受賞した新井啓子さんには賞金30万円が贈られます。また、詩評論書部門で特別奨励賞を受賞した宮内喜美子さんには賞金10万円が贈られます。

 
選考委員は、詩集部門が倉橋健一さん、坪内稔典さん、三井喬子さん、犬飼愛生さん、詩評論書部門は葉山郁生さん、細見和之さん、山田兼士さん。

選考会の様子、選評などは、https://www.osaka-bungaku.or.jp/blog/8312/ をご覧ください。

 

小野十三郎賞について

小野十三郎賞(おのとおざぶろうしょう)は、1954年の大阪文学学校の創設から37年間にわたり、校長を務めた詩人の故・小野十三郎さん(1996年没)の多彩な詩業を記念し、全国の創造的な書き手たちを奨励することを目的に1999年に創設され文学賞です。大阪文学学校の運営母体である一般社団法人「大阪文学協会」が主催し、朝日新聞社が共催。

なお、第21回から「詩集」「詩評論書」の2部門に分けて選考を行うこととなりました。

 

さざえ尻まで
新井 啓子 (著)

ぐるぐるぐる
折れ曲がったきつい坂は
ちちはなの来た径
折れ曲がった蔓草の茂る坂は
わたしの帰る径
(「クラウドボウ 虹雲の径の果て」)
「これまでに読んだことのある詩がこうして一冊にまとめられると、印象がひとつところに集まってゆきます。そうか、束ねられるための詩だったのか。一つの詩と別の詩が、村の小径できちんとつながっています。生きる喜びと痛みを、ふところ深くに抱えた親族や隣人が、生き返ってきて詩集の中を歩き始めているようです。新井さんの視線の先の、なつかしくも心ときめく世界を、読者はうっとりと眺めることができます」(松下育男)。前橋と島根、その往還のなかで、いまはなき者たち、土地の声、息づかいに耳を澄ます。たどり着けそうでたどり着けない、とぐろを巻く記憶の道筋。装画=鈴木いづみ、造本=山元伸子

わたしたちのたいせつな あの島へ: 菅原克己からの宿題
宮内 喜美子 (著)

 
【関連】
第24回小野十三郎賞(詩集部門、詩評論書部門)きまる。 | 詩と小説 大阪文学学校
小野十三郎賞 | 詩と小説 大阪文学学校

 


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