【第26回小野十三郎賞】和田まさ子さん『途中の話』と安智史さん『萩原朔太郎と詩的言語の近代』が受賞
大阪文学協会は、優れた詩集および詩評論書に贈る「第26回小野十三郎賞」の受賞作を発表しました。
第26回小野十三郎賞が決定!
第26回小野十三郎賞は、9月20日に最終選考会が開催され、次の通り受賞作が決定しました。なお、今回は全国各地から詩集120冊、詩評論書5冊の応募がありました。
<第26回小野十三郎賞 受賞作品>
【詩集部門】
和田まさ子(わだ・まさこ)さん
『途中の話』(思潮社)
【詩評論書部門】
安智史(やす・さよし)さん
『萩原朔太郎と詩的言語の近代――江戸川乱歩、丸山薫、中原中也、四季派、民衆詩派など』(思潮社)
受賞者の和田まさ子さんと安智史さんには賞金30万円が贈られます。
選考委員は、詩集部門が細見和之さん、四元康祐さん、犬飼愛生さん、詩評論書部門は葉山郁生さん、添田馨さん、冨上芳秀さん。選考会の様子、選評などは、https://www.osaka-bungaku.or.jp/blog/10988/ をご覧ください。贈呈式は11月16日(土)午後1時半より大阪市内で開催予定。
なお、第26回小野十三郎賞の最終候補作品は以下の通りです。
【詩集部門】
『ふぇっくしゅん』(堀内統義さん/創風社出版)
『戦禍の際で、パンを焼く』(若尾儀武さん/書肆子午線)
『祭りの夜に六地蔵』(服部誕さん/思潮社)
『わが方丈記』(林嗣夫さん/土曜美術社出版販売)
『僕たちはなくしたことばを拾いに行こう』(南雲和代さん/土曜美術社出版販売)
『骨霊譚』(川上明日夫さん/山吹文庫)
『いちご月の夜』(月川奈緒さん/澪標)
『通知コンティニュー』(澳羽ねるさん/草原詩社)
『北浦街道』(魚本藤子さん/土曜美術社出版販売)
『晴れ舞台』(橋爪さち子さん/土曜美術社出版販売)
『途中の話』(和田まさ子さん/思潮社)
『ストーマの朝』(河野俊一さん/土曜美術社出版販売)
『ひとがた彷徨』(こたきこなみさん/思潮社)
【詩評論書部門】
『げんげの花の詩人、菅原克己』(金井雄二さん/書肆侃侃房)
『萩原朔太郎と詩的言語の近代』(安智史さん/思潮社)
『詩的原理の再構築』(野沢啓さん/未來社)
小野十三郎賞について
小野十三郎賞(おのとおざぶろうしょう)は、1954年の大阪文学学校の創設から37年間にわたり、校長を務めた詩人の故・小野十三郎さん(1996年没)の多彩な詩業を記念し、全国の創造的な書き手たちを奨励することを目的に1999年に創設され文学賞です。大阪文学学校の運営母体である一般社団法人「大阪文学協会」が主催し、朝日新聞社が共催。
なお、第21回から「詩集」「詩評論書」の2部門に分けて選考を行うこととなりました。
途中の話 和田まさ子 (著) 眠る前にきょうのよろこびを三つ書く 「橋を見てこころに咲くものがある/川の金箔の波に照らされて/うるおうからだがある/先へ、先へ/ニンゲンの上流へと急ぐ」(「一石橋」)。街を歩いて、躓いて、世間のなかで生きている。『軸足をずらす』で詩歌文学館賞を受賞した詩人による充実の最新詩集! 装幀・装画=井上陽子 |
萩原朔太郎と詩的言語の近代――江戸川乱歩、丸山薫、中原中也、四季派、民衆詩派など 安智史 (著) 朔太郎を中心に 江戸川乱歩や稲垣足穂、丸山薫・中原中也・吉本隆明と四季派、白鳥省吾ら民衆詩派VS北原白秋?? 党派を超えた詩人・文学者たちと萩原朔太郎の交差する地点を明らかにする画期的労作。 テクストの韻律に精妙に耳を澄まし、詩史の文脈に緻密に分け入り、近代日本の「マイナー文学」の最高の実践者・萩原朔太郎の創造の秘蹟を、安智史は鮮やかに浮かび上がらせる――松浦寿輝 |
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