馳星周さん直木賞受賞作を村上たかしさんがコミカライズ!『少年と犬』が書籍化
文春オンラインで連載されていた、馳星周さんの直木賞受賞作を、『星守る犬』『ピノ:PINO』で知られる村上たかしさんがコミカライズした『少年と犬』が書籍化され、文藝春秋より刊行されました。
馳星周さんの直木賞受賞作を村上たかしさんが感涙コミカライズ! 『星守る犬』『ピノ:PINO』の名手が描く 『少年と犬』
『少年と犬』は、東日本大震災で飼い主と離ればなれになった一匹の犬“多聞”が、さまざまな人々との出会いと別れを繰り返しながら、東から西へと旅をする物語です。
家族のために犯罪に手を染めた男、外国人窃盗団のリーダー、男に貢ぐ風俗嬢、死期を悟った老猟師、震災で心を閉ざした少年……旅の途中で多聞が遭遇するのは、傷つき、悩み、惑う人々です。
彼ら彼女たちは、多聞の持つ“不思議な力”によって心を洗われ、勇気と愛をもらいます。東北から本州を縦断し、ひたすら南西へと向かう多聞が目指す“目的地”とは──。
人間という愚かな存在を、犬の視線を通して描いた珠玉の連作集である原作は、2020年に第163回直木賞を受賞、25万部を超えるロングセラーとなっています。
コミカライズを担当したのは、ベテラン漫画家の村上たかしさん。すべてを失った中年男と愛犬との最後の旅を描いた『星守る犬』シリーズが100万部超の大ヒットとなり、映画化もされました。
今作では抑制の効いた語り口でドラマを紡いだ原作を踏襲しつつ、きめ細やかな作画力で、感動的にコミカライズしています。
村上たかしさんのコメント
私は元々「多聞」に、強くて優しくて、そして切ないその犬に、魂を持って行かれた一読者です。「多聞」の物語を一人でも多くの読者に届けたい、その一心で、とても深く豊かで、その分コミカライズするには困難な馳先生の原作に必死で食らいつき、持てる力のすべてを駆使して描きあげました。よろしくお願いします。
著者プロフィール
■馳星周(はせ・せいしゅう)さん
1965年生まれ。北海道出身。横浜市立大学卒業。出版社勤務、書評家などを経て、1996年『不夜城』で小説家デビュー。同作で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。
1998年『鎮魂歌 不夜城2』で日本推理作家協会賞、1999年『漂流街』で大藪春彦賞、2020年『少年と犬』で直木賞を受賞。主な著書に『生誕祭』『復活祭』『雨降る森の犬』など多数。
■村上たかし(むらかみ・たかし)さん
1965年生まれ。1985年『ナマケモノが見てた』でデビュー。
すべてを失った中年男と愛犬との旅を綴った『星守る犬』が大ヒット。ほかに、『後妻業の女』(原作:黒川博行さん)などコミカライズ作品も手掛けている。主な著書に『続・星守る犬』『青い鳥~わくらば~』『ぽいぽいさま』『探偵見習いアキオ…』『ピノ:PINO』など多数。
少年と犬 馳 星周 (原著), 村上 たかし (著) 馳星周の直木賞ベストセラーを、『星守る犬』の村上たかしが感涙コミカライズ! |
<原作本>
少年と犬 馳 星周 (著) 傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。 2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか…… 犬を愛するすべての人に捧げる感涙作! |
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