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柳田国男『遠野物語』を鯨庭さんがコミカライズ

KADOKAWAは、世界中の名作をスタイリッシュにコミカライズする新シリーズ「KADOKAWA Masterpiece Comics(略称:KMC)」より、第1弾の『猫語の教科書』(漫画:沙嶋カタナさん、原作:ポール・ギャリコ)に続き、『遠野物語』(漫画:鯨庭さん、原作:柳田国男、監修:石井正己さん)を9月20日に刊行します。

 

ロバート キャンベルさん激賞!日本民俗学の名著『遠野物語』をコミカライズ

本作は、世界と日本の名著をコミカライズする、KADOKAWA Masterpiece Comics(略称:KMC)の第2弾です。

『遠野物語』は、柳田国男による日本民俗学の金字塔とも言うべき作品。金田一京助に「日本のグリム」と呼ばれ、折口信夫をして「グリム以上」と言わしめた本作を、気鋭の漫画家・鯨庭さんが、哀切に美しくコミカライズします。

 
<ロバート キャンベルさん(日本文学研究者)推薦コメント>

「おぼろげな目線の先に、色んな境目が見える。狐の脚も、少女の目も、草木の匂いまでも絵から立ちのぼるようだ。
私はこの森に迷っていたい。」

 
【あらすじ】

雪女、ザシキワラシ、天狗、河童、オクナイサマ――遠野の郷に伝わるさまざまな民間信仰や伝承を収めた『遠野物語』。遠野地方出身の佐々木喜善が語り、柳田国男が筆記し、現地での調査を経て編纂する形で出版されました。

日本人の死生観や自然観が凝縮され、「日本民俗学の出発点になった」とも称される作品を大胆コミカライズ。「オシラサマ」「河童」「狐」「御犬」といった神や妖怪・動物たちの物語を結び直し、現代に蘇らせます。

■「馬と花冠」――オシラサマ
その昔、ある娘が馬と恋に落ちた。その恋の行方は……?
東北地方に古くから伝わるオシラサマ信仰。オシラサマは養蚕の神、狩りの神、女性の病気の神、よいことやわるいことを知らせてくれる神などとして崇められている。その由来の物語。

■「河童の子」――河童
ある村の娘が河童の子を生んだ。河童の子の運命は?
今日でも誕生したばかりの赤ちゃんに関する悲しいニュースが後を絶たない。子どもの命をどう考えるかは、最も重要な課題である。現代にまで続く、『遠野物語』が描き出す人間社会の姿。

■「狐は夢」――狐
船越にとても仲の良い夫婦がいた。夫の漁師が吉里吉里へ出かけたが、その帰りが遅くて妻は心配になり……。
その昔、狐は人間に化けて人を騙すと信じられていた。また、思いが募るとすぐに浮遊してしまう魂の「軽やかさ」を描いた、二重に怪しい物語。

■「おおかみがいた」――御犬
『遠野物語』が発刊された明治末期には、ニホンオオカミはすでに絶滅していたが、遠野あたりでは御犬と呼んだ狼の話が伝わった。御犬の経立は年を取った狼のことで、特に恐れられた。
なぜ、御犬は滅びることになったのか。人間と自然の関係が失われ始めた頃の物語。

 

著者プロフィール

 
■漫画:鯨庭(くじらば)さん

実在動物と空想動物専門の漫画家。2018年「千の夏と夢」でKADOKAWA「ハルタコミックグランプリ」を受賞。2020年『千の夏と夢』(リイド社)にて単行本コミックスデビュー。その他の作品に『言葉の獣』(リイド社)、『呟きの遠吠え』(青土社)など。

 
■原作:柳田国男(やなぎた・くにお)

1875年生まれ、兵庫県出身。東京帝国大学法科大学卒業後、農商務省に入り、法制局参事官、貴族院書記官長などを歴任。1935年、民間伝承の会を設立し、日本民俗学を確立。1962年逝去。『新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺』『海上の道』(角川ソフィア文庫)ほか著書多数。

 
■監修:石井正己(いしい・まさみ)さん

1958年生まれ。東京学芸大学名誉教授。専門は日本文学、民俗学。『遠野物語の誕生』(筑摩書房)、『柳田国男 遠野物語』(NHK 出版)、『図説 遠野物語の世界』(河出書房新社)ほか著作多数。

 

KADOKAWA Masterpiece Comics について

「KADOKAWA Masterpiece Comic」は、世界中で愛されてきた名著から隠れた名作まで、100年後も“マスターピース”間違いなしの物語を厳選し、新進気鋭の漫画家たちがコミカライズする、新しいシリーズです。

 
本シリーズは絵柄・ストーリー・デザインともに、現代性・エンターテイメント性にこだわって制作しています。

人はどう生きるのか? 迷いや悩みからどう自由になるか? そこでいま、必要になる知性と教養とは? この答えのない時代に、前へ進む力を与える物語たちを、新しいかたちで届けます。

★公式サイト:https://masterpiece.kadokawa.co.jp/

 

遠野物語
鯨庭 (著), 柳田 国男 (原著), 石井 正己 (監修)

 
【関連】
KADOKAWA Masterpiece Comics

 


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