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沖縄本土復帰50年!坂上泉さんが描く昭和史×警察ミステリー『渚の螢火』が刊行

坂上泉さん著『渚の螢火』(装画:ケッソクヒデキさん/装丁:高柳雅人さん)

坂上泉さん著『渚の螢火』(装画:ケッソクヒデキさん/装丁:高柳雅人さん)

デビュー2作目『インビジブル』で第164回直木賞候補、また、第23回大藪春彦賞および第74回日本推理作家協会賞【長編及び連作短編集部門】を受賞した新鋭作家・坂上泉さんが「沖縄本土復帰50年」の今年、世におくりだす昭和史×警察ミステリー『渚の螢火』が双葉社より刊行されました。

沖縄本土復帰(1972年5月15日)直前に起こった100万ドル強奪事件――日本と米国の狭間で理不尽を強いられてきた沖縄の警察官が自らのため、そして沖縄の未来のため、日米に秘匿したまま事件解決に奔走するノンストップ・サスペンスです

 

沖縄本土復帰50年を前に新鋭作家・坂上泉さんが描くノンストップサスペンス『渚の螢火』が発売!

 
<あらすじ>

1972年4月。警視庁捜査二課に出向していた真栄田太一警部補は琉球警察に帰任する。「本土復帰特別対策室」班長として5月15日に迫る本土復帰対応に追われる真栄田に琉球警察本部長と刑事部長から緊急の呼び出しがかかる。なんとドルから円への通貨切り替えのため沖縄中から回収されていたドル札のうち、100万ドル(当時のレートで3億円)が強奪されたという。

琉球政府および琉球警察上層部は日米を巻き込んだ外交事案に発展するのは恐れ、真栄田に極秘裏に事件解決を命じるが……。

 
<他都道府県警とはまったく違う道を歩んだ「琉球警察」とは……>

第二次世界大戦末期、1945年3月からの沖縄戦で壮絶な戦いの末、沖縄県警察部は解体される。琉球警察は戦後、収容所ごとに米軍が設けた民警察(CP)が起源とされ、その後、琉球警察として米軍施政権下の沖縄で警察活動をスタートさせた。

沖縄の治安を守ることを第一義としながらも、米軍人、軍属が犯した数々の犯罪は、「渉外事案」として米軍の横やりをうけ、横暴かつ有無を言わせぬ態度で捜査権を剥奪されるなど、苦渋をなめる一方、米軍からの払い下げの銃を配備され、その銃口は反米デモを組織する同じ沖縄人や日本人たちに向けざるをえない立場に置かれた。

1972年5月15日の本土復帰に伴い日本の警察庁のもと、沖縄県警察として新たな一歩を歩むことになるが、現代に至るまで米軍人、軍属が起こす犯罪に関しては、琉球警察時代と変わらぬ問題を抱えていると指摘されている。

 
★『渚の螢火』の第一章丸ごと試し読み(文芸総合サイト「COLORFUL」):https://colorful.futabanet.jp/articles/-/1323

 

著者より――『渚の螢火』刊行に寄せて

本作は、デビュー前より構想を練っていた作品で、沖縄の本土復帰50年という、このタイミングで刊行することができました。

この『渚の螢火』は、1972年の本土復帰直前の沖縄を舞台に、米軍占領下の警察機構『琉球警察』の捜査員を主人公にした刑事小説です。

米軍という支配者が上にいつつ、そしてこれから日本警察に合流する立場でありながら、地元の警察としてどんな役割を果たすのかというジレンマは、沖縄という土地の複雑な歴史を写す鏡としても、そして純粋に刑事小説のエッセンスとしても魅力的だと思いました。

複雑な立場にいる琉球警察の、これまた微妙な立ち位置の主人公を通じて、沖縄とはなんだろう、にとどまらず、警察官ってなんだろう、という私なりの問いかけをした作品にしたつもりです。

 

著者プロフィール

著者の坂上泉(さかがみ・いずみ)さんは、1990年生まれ。兵庫県出身。東京大学文学部日本史学研究室で近代史を専攻。卒業後、一般企業に勤務するかたわら、2019年「明治大阪へぼ侍 西南戦役遊撃壮兵実記」で第26回松本清張賞を受賞。同作を改題した『へぼ侍』(文藝春秋)でデビュー。

2作目となる『インビジブル』は第164回直木三十五賞候補に。同作は、第23回大藪春彦賞、第74回日本推理作家協会賞【長編および連作短編集部門】を受賞。

 

渚の螢火
坂上 泉 (著)

1972年春、警視庁に出向していた真栄田太一は本土返還が迫る琉球警察本部に帰任する。
その直後、沖縄内に流通するドル札を回収していた銀行の現金輸送車が襲われ100万ドルが強奪される事件が起きる。
琉球警察幹部は真栄田を班長に秘密裏に事件解決を命じるが・・・・・・。
本土返還50年を前に新鋭が描く昭和史サスペンス。

 
【関連】
渚の螢火|COLORFUL

 


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