noteの読書会マガジン「闇の自己啓発会」が書籍化
メディアプラットフォーム「note」に投稿された読書会記事「闇の自己啓発会」(https://note.com/imuziagane/m/mbd28cf65025b)が『闇の自己啓発』(著:江永泉さん、木澤佐登志さん、ひでシスさん、役所暁さん)として早川書房から1月21日に刊行されます。
本書はnoteの記事に、大幅に書き下ろしを加え構成。読書会メンバーが読んだ本の感想や気づきをまとめた一冊です。
著者・江永泉さんのコメント
プラットフォームは偉大です。作り手や支え手、使い手の徳は常に問われるとしても。偉大なものと私は思います。インターネットは広大で、図書館や書店がそうであったように、私に未知を示してくれました。見慣れぬ路地や初めて会う人のように。知は力で、記憶はメディアです。時には今ここの光景が一変し、私は気づかされ、驚くのでした。初めて眼鏡を掛けたり外したりしたときのように。世界の別様を習い学ぶ余地があると、悟らされるのでした。
習いと学びは景色を変え、自分を変えます。たとえば山登り。花、岩、虫。雲海を見下ろすテント群。水洗トイレがないとどうなるか。滝、ゴミ、碑文。あるいは、家。虫との対面。虫が何気なく殺されるとわかってしまった幼い日から、私の心の底にある、混乱。それら全ても記憶であり、知が訪れます。
闇の自己啓発会は人と人、人と文、文と文の遭遇が主となってきた出来事ですが、それが形を成し形を残せたのはnoteを始め様々なプラットフォームがあったからで、私は恩を感じています。
著者・ひでシスさんのコメント
私たちのアングラな読書会が本になりました。様々な分野のプロフェッショナル同士の掛け合いから発生するスペクタクルをそのまま瓶詰めにしてお送りいたします。本屋にある自己啓発書をあらかた読み終えて新たなる自己啓発に飢えているビジネスパーソンの方、宇宙の広さや寿命と比べると自分がどうしようもなくちっぽけで儚い存在に思える方、人生に行き詰まりを感じていてこの世界から外へと自分を取り去ってくれるあの異様な手を探している方、ヤバい虫と遭遇してしまった方など、様々な方にオススメできる実用書となっております。
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著者プロフィール
■江永泉(えなが・いずみ)さん
1991年生まれ。「闇の自己啓発会」発起人。専攻は文化研究、文学理論。
論考に「少女、ノーフューチャー――桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』論」(〈Rhetorica#04〉所収)など。
■木澤佐登志(きざわ・さとし)
1988年生まれ。文筆家。
著書に『ダークウェブ・アンダーグラウンド――社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』(イースト・プレス)、『ニック・ランドと新反動主義――現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』(星海社新書)。
晶文社のウェブサイトで「ビューティフル・ハーモニー」を、大和書房のウェブサイトで「失われた未来を求めて」を、『SFマガジン』(早川書房)で「さようなら、世界――〈外部〉への遁走論」を連載。
■ひでシスさん
1991年生まれ。京都大学農学部→京都大学大学院農学研究科→ガジャマダ大学大学院農学研究科。化学メーカー勤務を経て、ソフトウェアエンジニアとして独立・起業。VTuber「リコピンめぐみ」としても活動、経済学者の松尾匡との対談「自動運転と経済学」が〈変革のアソシエ〉34号に掲載された。
論考に「海外へ行ってみよう」(〈Rhetorica#03〉所収)など。
■役所暁(やくしょ・あかつき)さん
1992年生まれ。Webライター・編集者。専攻は政治学。
「闇の自己啓発会」では編集・構成を担当している。
闇の自己啓発 江永 泉 (著), 木澤 佐登志 (著), ひでシス (著), 役所 暁 (著) 「自分を変えたい」のなら、人間を超越せよ ダークウェブと中国、両極端な二つの社会が人間の作動原理を映し出し、AIや宇宙開発などの先端技術が〈外部〉への扉を開く。反出生主義を経由し、私たちはアンチソーシャルな「自己啓発」の地平に至るーー。現代思想やインターネットの最深部を駆けめぐり、未知なる事物に出会うとき、私たちの世界観・人生観は一変する! 話題騒然のnote連載読書会「闇の自己啓発会」、ついに書籍化。 補論「闇の自己啓発のために」江永泉 |
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