【第23回大藪春彦賞】坂上泉さん『インビジブル』が受賞
徳間書店は1月22日、作家・大藪春彦さんの業績を記念し、その物語世界を引き継ぐ新進気鋭の作家および作品に贈られる「第23回大藪春彦賞」の受賞者・受賞作を発表しました。
第23回大藪春彦賞が決定!
第23回大藪春彦賞の選考会が1月22日午後5時より東京・新橋の第一ホテル東京でリモート形式にて開催され、次の通り受賞作家と作品を選出しました。
<第23回大藪春彦賞 受賞作家・受賞作品>
坂上泉(さかがみ・いずみ)さん
『インビジブル』(文藝春秋)
選考委員は、大沢在昌さん、黒川博行さん、東山彰良さん。
受賞者の坂上泉さんには、大藪春彦賞選考委員会と後援の徳間書店から正賞として顕彰牌・賞状と、副賞300万円が贈られます。
贈賞式は今般の状況により3月上旬に関係者のみにて執り行われます。また、昨年10月26日に決定した第4回大藪春彦新人賞(受賞者:野々上いり子さん/受賞作:青葱 <応募時のタイトル「葱青」を改題>)の贈賞式も同時に行われます。
なお、候補作は以下の4作品でした。
【第23回大藪春彦賞 候補作】
◎赤神諒さん『計策師 甲駿相三国同盟異聞』(朝日新聞出版)
◎宇佐美まことさん『ボニン浄土』(小学館)
◎坂上泉さん『インビジブル』(文藝春秋)
◎新庄耕さん『地面師たち』(集英社)
坂上泉さん プロフィール
受賞者の坂上泉さんは、1990年生まれ。兵庫県出身。東京大学文学部日本史学研究室卒業。専攻は近代史。
2019年「明治大阪へぼ侍 西南戦役遊撃壮兵実記」で第26回松本清張賞を受賞。同作を改題した『へぼ侍』で第9回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞。東京都新宿区在住。
大藪春彦賞について
大藪春彦賞は、作家・大藪春彦さんの業績を記念し徳間書店が創設、「優れた物語世界の精神を継承する新進気鋭の作家及び作品」に贈られる文学賞です。
大藪春彦賞選考委員会が主催し、毎年10月1日から翌年9月末日までに発表された小説作品の中から選ばれます。
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