李琴峰さん芥川賞受賞後第一作『生を祝う』が刊行 「生まれてくるか、こないかを自分で決められたら――」胎児の同意を得なければ出産できない近未来を描く衝撃作
芥川賞作家・李琴峰さんの受賞後第一作となる『生を祝う』が、朝日新聞出版より刊行されました。
「この世界に生まれてきてくれますか?」
李琴峰さんの最新作『生を祝う』は、胎児の同意を得なければ出産できない近未来を舞台にした衝撃作です。『小説TRIPPER(トリッパー)』2021年秋季号に作品が掲載された直後から、読売新聞や共同通信配信の文芸月評で絶賛され、京都新聞の「凡語」欄でも紹介されるなど、大きな注目を集めていました。
いよいよ発売された単行本版では、作家の朝井リョウさんが「ずっと誰にも話せずにいた思いを、この小説に言い当てられた。驚き動揺し焦り――安心した」との推薦コメントを帯に寄せています。
発売前に予想を大きく上回る注文が相次ぎ、発売前重版も決定した注目作です。
【あらすじ】
出生前に胎児の意思を確認する「合意出生制度」が法制化された近未来の日本。胎児には遺伝や環境などの要因を基にした「生存難易度」が伝えられ、生まれるかどうかの判断がゆだねられる。
出生を拒んだ胎児を出産した場合は「出生強制」の罪に問われる世界で、同性婚をしたパートナーとの間に人工妊娠手術により子を宿した主人公・立花彩華。彼女が、葛藤しながらくだす決断とは――。
著者プロフィール
著者の李琴峰(り・ことみ)さんは、日中二言語作家、翻訳者。1989年生まれ。台湾出身。2013年来日、のち早稲田大学大学院修士課程修了。2017年、初めて第二言語である日本語で書いた小説『独り舞』にて、第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、作家デビュー。
2021年3月『ポラリスが降り注ぐ夜』で「第71回芸術選奨」文部科学大臣新人賞、同年7月『彼岸花が咲く島』で第165回芥川龍之介賞を受賞。他の著書に『星月夜(ほしつきよる)』がある。
生を祝う 李琴峰 (著) 「あなたは、この世界に生まれてきたいですか」 |
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