松田いりのさん「第61回文藝賞」受賞作『ハイパーたいくつ』が刊行 俳優・仲野太賀さんとの会話から生まれた衝撃作
第61回文藝賞を受賞した、松田いりのさんの「ハイパーたいくつ」が書籍化され、河出書房新社より刊行されました。
なお、第61回文藝賞を同時受賞した待川匙さん著『光のそこで白くねむる』も同時発売されています。
言葉が現実を食い破る、超現実アルティメット文学『ハイパーたいくつ』
【あらすじ】
職場では1000倍の支払いミス。私生活では衣服の買いすぎでクレカ借金。62万円課金したジャケット姿は無様なペンギンに似ているから「ペンペン」呼ばわり。そんな日常がひたすら退屈。
鬱屈アンド窮屈な現実がついに崩壊するとき、壊れた私の壊れた言葉が、壊れた風景を呼び起こす。リリカル系日常破壊小説、爆誕!
選考委員笑撃の第61回文藝賞受賞作!
《退屈さだけをつまんで取り去ることはできない。退屈さは服にくっついた埃や毛じゃなくて、オズの国の魔法使いみたいなでっかい顔が嚙み捨てたでっかいガムだ。服にべったりくっついた退屈さを引き剝がしたら、まとめて一緒にその下の服からもたくさんのものが剝がれ取れる。》
(本文より)
<選考委員の小川哲さん・町田康さん・角田光代さん・村田沙耶香さん、笑撃!>
「『これは面白い』と感激した。物語がどんどん加速し、最後まで可笑しさや面白さが減速しないまま走りきっている。」――小川哲さん
「身体が変調する感覚、言葉への妄執、不潔への恐怖、狂気の反転、言葉による魂の放恣な垂れ流れ。恐怖と笑いが同時に腹の底からせり上がってくる。」――町田康さん
「こちらの予想をかんたんに裏切ってくる独創性がどんどんスパークしていく、その意外性がおもしろかった。」――角田光代さん
「発狂ぎりぎりで瞼の裏側に現れる万華鏡のようで、どんどん鮮やかになっていく作品世界にのめりこんだ。」――村田沙耶香さん
◆ラッパー・TaiTanさん( Podcast「奇奇怪怪」パーソナリティ)も激賞!
「言葉が勝手に“来る”。
読み手の眼球を突き破って“来る”。
その速度と乱暴さが気持ちいい。
超、面白いです」
――TaiTan
俳優・仲野太賀さんとの会話から生まれた小説!
著者の松田いりのさんと俳優・仲野太賀さんはかねてより親交があり、以前、お二人で「退屈という感覚」について会話を交わされたことがきっかけとなり、本作が誕生しました。
仲野さんからは推薦コメントが寄せられています。
「壊れた感情が、もの凄い速度で事故ってる。
読後感は”瀕死”だった。
なんとか生きてる、まだ人間やれてる…
空いた口から出てきた言葉は『速すぎて、止まってみえる…即ちハイパーたいくつ…!?』」
――仲野太賀
著者プロフィール
松田いりの(まつだ・いりの)さんは、1991年生まれ、静岡県出身。東京都在住。2024年「ハイパーたいくつ」で、第61回文藝賞を受賞。
文藝賞について
文藝賞は、1962年に文芸誌『文藝』で創設された公募の新人文学賞です。河出書房新社が主催。
日本における新人作家の登竜門とされ、第1回受賞作である高橋一巳さん『悲の器』をはじめ、田中康夫さん『なんとなく、クリスタル』、山田詠美さん『ベッド タイム アイズ』、綿矢りささん『インストール』、白岩玄さん『野ブタ。をプロデュース』、山崎ナオコーラさん『人のセックスを笑うな』、宇佐見りんさん『かか』、遠野遥さん『改良』など、実力と才能を兼ね備えた作家を多数輩出しています。
ちなみに、創設当時の『文藝』の編集長は坂本一亀さんで、音楽家・坂本龍一さんの父。
ハイパーたいくつ 松田 いりの (著) 迷惑系給金泥棒として職場で疎まれている「ペンペン」。鬱屈した毎日がついに限界を迎えたとき、壊れた言葉が壊れた風景を呼び起こす。リリカル系日常破壊小説、爆誕! 第61回文藝賞受賞作。 【日常から退屈を引き剥がすつもりが、なぜか服も人生もすべてボロボロに――】 職場では1000倍の支払いミス。私生活では高額な衣服の買いすぎでクレカ借金。62万円課金したジャケット姿は無様なペンギンに似ているから「ペンペン」呼ばわり。そんな日常がひたすら退屈。 装画:COOL |
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