澤田瞳子さん直木賞受賞後第一作『輝山(きざん)』が刊行 「それぞれの場所で懸命に生きたすべての人のための物語です」
『星落ちて、なお』で第165回直木賞を受賞した澤田瞳子さんの受賞後第一作となる『輝山(きざん)』が、徳間書店より10月1日に刊行されました。
あの山は命の輝きを永遠に宿し続けるいのちの山──世界遺産・石見銀山を舞台にした歴史群像!
<あらすじ>
代官・岩田鍬三郎の身辺を探るため、金吾は石見国大森銀山にやって来た。中間(ちゅうげん)として働き始めた金吾を待っていたのは銀山を支えるために懸命に生きる人々との出会い。命の危険にさらされながら間歩(まぶ)の中で鉱石を採掘する掘子、重い荷を運び母と妹を養う少年、世を憎み、酒浸りの日々を送る僧侶。そして彼らを慈悲深く見守る岩田鍬三郎……。さまざまな思いに触れ、金吾はいつしか彼らに魅せられていく。
かつてヨーロッパで「銀鉱山の王国」と呼ばれた石見銀山。そこで産み出された良質で大量の銀は世界経済を動かした。その栄華を支えたのは間歩と呼ばれる坑道で常に危険と隣り合わせで働く掘子や、銀の精錬に携わる名もなき人々だった。そんな彼らの生きざまを活写した歴史群像。
「それぞれの場所で懸命に生きたすべての人のための物語です」
──澤田瞳子さん
【本書の目次】
第一章 春蕾
第二章 炎熱の偈
第三章 銀の鶴
第四章 ありし月
第五章 たたずむはまつ
第六章 いのちの山
担当編集者コメント
デビュー作『孤鷹の天』の原稿を読んだとき、豊富な読書量、大学院での研究に裏づけられた知識の深さ、国の行く末を憂う若者たちの人物描写に驚かされました。しかし、澤田作品の本当の魅力は、市井に生きる人々への慈しみが全篇に溢れているところです。『輝山』にはまさにその魅力が集約されています。石見銀山を舞台に、銀山で働く人々と、江戸から赴いた代官所の役人たちの機微を描く歴史群像。澤田さんのさらなる活躍を期待させる作品です。
著者プロフィール
著者の澤田瞳子(さわだ・とうこ)さんは、1977年生まれ。京都府出身。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士前期課程修了。2011年、デビュー作『孤鷹の天』で第17回中山義秀文学賞を最年少受賞。
2013年『満つる月の如し 仏師・定朝』で、本屋が選ぶ時代小説大賞2012ならびに第32回新田次郎文学賞を受賞。2016年『若冲』で第9回親鸞賞、2020年『駆け入りの寺』で第14回舟橋聖一文学賞、2021年『星落ちて、なお』で第165回直木賞を受賞。
その他の著書に『ふたり女房』『師走の扶持』『関越えの夜』『秋萩の散る』『与楽の飯』『腐れ梅』『火定』『龍華記』『落花』『名残の花』『能楽ものがたり 稚児桜』、エッセイ『京都はんなり暮し』などがある。
輝山 澤田瞳子 (著) 第165回直木賞受賞作家の受賞第一作! あの山は命の輝きを永遠に宿し続けるいのちの山―― 世界遺産・石見銀山を舞台に、懸命に生きる人々の生きざまを活写した歴史群像。 |
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