本のページ

SINCE 1991

【2021 徳間文庫大賞】下村敦史さん『黙過』が受賞

「2021 徳間文庫大賞」が決定!

「2021 徳間文庫大賞」が決定!

全国の目利き書店員が「いまもっとも売りたい徳間文庫の1冊」を選出する「2021 徳間文庫大賞」の受賞作が発表されました。

 

「2021 徳間文庫大賞」が決定!

今回で7回目となる「2021 徳間文庫大賞」は、2019年10月から2020年9月までに刊行された徳間文庫88作品の中から初文庫作品・シリーズ第1巻を対象にして選出されたノミネート作を、全国の有志書店員を中心とする徳間文庫大賞実行委員会の12名の実行委員がすべて読み、アンケートに回答。その結果をもとに、3名の実行委員長が徳間書店会議室で、約2時間にわたる熱い討議を行い、次の通り受賞作が決定しました。

 
<「2021 徳間文庫大賞」受賞作品>

下村敦史(しもむら・あつし)さん
『黙過』(徳間文庫)

 
大賞作品の『黙過』は、移植手術や安楽死、動物愛護など……“生命”の現場を舞台にしたミステリー。選考委員からは、「テーマの鮮度と重みがもたらす抜群の読み応え、ミステリーとしての野心的な試みのある作品」「いつ自分の身に起こってもおかしくないリアルさに、背すじが震えた」「死を身近に感じる今だからこそ引き込まれ、考えさせられる」といった声が寄せられました。

同書は、6月初旬より、カバー全面を新帯に巻替え、装いも新たに全国書店にて展開される予定です(新型コロナウィルス感染拡大防止の状況により、日程が変更になる場合があります)。

 

受賞作『黙過』あらすじ

<あらすじ>

移植手術を巡り葛藤する新米医師――「優先順位」。安楽死を乞う父を前に懊悩する家族――「詐病」。過激な動物愛護団体が突き付けたある命題――「命の天秤」。ほか、生命の現場を舞台にした衝撃のミステリー。

注目の江戸川乱歩賞作家が放つ渾身のどんでん返しに、あなたの涙腺は耐えられるか。最終章「究極の選択」は、最後にお読みいただくことを強くお勧めします。

 

受賞者プロフィール

受賞者の下村敦史(しもむら・あつし)さんは、1981年生まれ。京都府出身。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は数々のミステリランキングにおいて高い評価を受ける。

同年に発表した短編「死は朝、羽ばたく」が第68回日本推理作家協会賞短編部門候補、『生還者』が第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門の候補、『黙過』が第21回大藪春彦賞候補となるなど、今注目を集める若手作家である。

『難民調査官』『叛徒』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『悲願花』『刑事の慟哭』『絶声』『コープス・ハント』『法の雨』『同姓同名』など著書多数。

 

徳間文庫大賞について

徳間文庫大賞は、2015年に全国の書店員を中心に創設された「徳間文庫大賞実行委員会」が主催し、徳間書店が後援。

「優れた文学作品を発表する作家を奨励し、文庫市場の活性化に貢献する」ことを目的に、毎年、1年間に刊行された徳間文庫の中から、優れた作品に贈られる文学賞です。

 
<参考> 歴代大賞受賞作 ※敬称略

【第1回】書下し部門『妖草師』(武内涼)/定番部門『先生のお庭番』(朝井まかて)
【第2回】『生きるぼくら』(原田マハ)
【第3回】『警視庁公安J』(鈴峯紅也)
【第4回】『二年半待て』(新津きよみ)
【第5回】『朽ちないサクラ』(柚月裕子)
【第6回】『痣』(伊岡瞬)

 

黙過 (徳間文庫)
下村敦史 (著)

下村敦史はあくまでもミステリの枠内に留まり、濃厚な謎解きの味わいと〈どんでん返し〉を盛った上で、死を真正面からテーマにしてみせた。構築の美に感動さえ覚える。
作家・有栖川有栖

読み終わったとき、思わず胸に手を当てずにはいられなかった。
東京慈恵会医科大学 教授・嘉糠洋陸

 
【関連】
「2021 徳間文庫大賞」受賞作、下村敦史さんの『黙過』に決定! – 徳間書店

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です