太田忠司さん書き下ろしミステリ『おまえは生きなければならない』が刊行
徳間文庫大賞2022を受賞した『麻倉玲一は信頼できない語り手』などで知られる太田忠司さんの書き下ろしミステリ『おまえは生きなければならない』が徳間文庫より刊行されました。
この衝撃に耐えられるか!? 同窓生連続不審死の裏には……
【あらすじ】
中村裕太は、十年前に起きたある事件がきっかけで、引きこもりとなり、37歳になってもユーチューブに動画を投稿するだけの自堕落な生活を送っていた。
ふと目にした新聞のインタビュー記事で、後輩同窓生に人気女優の立石セナがいることを知った裕太。彼女はインタビュー記事で中学校時代に熾烈ないじめを受けていたと語り、さらに「校庭の時計台に一晩中縛り付けられる」という、過去に裕太が受けたと同じいじめ体験を告白していた。
ちょうど母校の中学校創立50周年を祝うパーティが行われることになり、立石セナに会える期待感と動画のネタ集めへの興味から裕太は出席する。
残念ながら立石セナはビデオメッセージでの参加で、本人には会えずじまいだったが、出席者に彼女の同級生がおり、その会話から、セナが受けたいじめの犯人3人の名前を知ることができた。はじめは投稿動画のネタ収集程度の興味からではあったが、いじめ実行犯3人のうち2人が最近亡くなっていることがわかる。残る3人目の葛山晴香に取材申し入れメールを送るが、返信をもらった翌朝、衝撃的な知らせを受ける。
裕太は、警察の事情聴取を受けることになり、否応なく事件に巻き込まれていく。自殺として処理されていた、いじめ実行犯の不審死の真相は……。
<巻末解説より(抜粋)>
二〇二〇年代に入って徳間文庫で刊行した二作、すなわち『麻倉玲一は信頼できない語り手』と『喪を明ける』において、太田忠司は、近未来を枠組みに用いて“生きなければならない”ことについて語ってきた。そんな彼が、いよいよ現代日本を舞台に今日的な題材を生かしてそのテーマを深掘りした小説がこの『おまえは生きなければならない』である。
――村上貴史(ミステリ書評家)
著者プロフィール
太田忠司(おおた・ただし)さんは、1959年生まれ、愛知県出身。大学時代に星新一ショートショートコンテストで「帰郷」が優秀作に選ばれる。1990年『僕の殺人』で作家デビュー。
2004年『黄金蝶ひとり』で第21回うつのみやこども賞、2010年『月読』で第6回酒飲み書店員大賞、2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』で徳間文庫大賞を受賞。
「狩野俊介」「霞田兄妹」「新宿少年探偵団」などのシリーズ、趣向を凝らしたトリックミステリーを多数執筆。ホラー・SFにも造詣が深い。
おまえは生きなければならない (徳間文庫) 太田忠司 (著) 引きこもりユーチューバーの裕太は、女優の立石セナが中学の後輩で、自分と同じ陰惨ないじめ被害者だと知る。彼女への興味から母校の創立パーティに出席するが、セナはビデオ参加で会えずじまい。その際、同級生から有力な情報を得る。いじめ加害者三名のうち、二人が最近亡くなったというのだ。残る一人に取材メールを送るが、数時間後に衝撃的な知らせが届いた。《書下し》 |
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