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【徳間文庫大賞2024】小路幸也さん『国道食堂 1st season』と成田名璃子さん『月はまた昇る』がW受賞

全国の目利き書店員が「いまもっとも売りたい徳間文庫の1冊」を選出する「徳間文庫大賞2024」の受賞作が発表されました。

 

「徳間文庫大賞2024」が決定!

今回で10回目となる「徳間文庫大賞2024」は、2022年10月から2023年9月までに刊行された徳間文庫110作品の中から初文庫作品・シリーズ第1巻を対象にして選出されたノミネート作5作品を、全国の有志書店員を中心とする徳間文庫大賞実行委員会の11名の実行委員がすべて読み、アンケートに回答。その結果をもとに、3名の実行委員長が徳間書店会議室で、約2時間にわたる熱い討議を行い、次の通り受賞作が決定しました。

 
<「徳間文庫大賞2024」受賞作品>

小路幸也(しょうじ・ゆきや)さん
『国道食堂 1st season』(徳間文庫)

成田名璃子(なりた・なりこ)さん
『月はまた昇る』(徳間文庫)

 
受賞2作品は受賞記念の全面帯に巻替えされ、装いも新たに全国書店にて展開予定です。
今回の発表と同時に「徳間文庫大賞」特設サイト(https://tokumabunko-awards.jp/)も公開。今後の新帯や書店展開情報等を随時告知していきます。

 

『国道食堂 1st season』あらすじ&受賞者プロフィール・コメント

神奈川県の小田原から山梨県の甲府へ向かう国道沿いにある通称「国道食堂」。ドライブインというより、大衆食堂という感じだからか、そう呼ばれている。店の中にはなんとプロレスのリングがある。店主が元プロレスラーだからだ。この店のメニューは、唐揚げや餃子カレー、どれも素晴らしく美味い。近隣だけでなく、遠くからも客が来る。なかには、ちょっとワケありな客もいて……。田舎の食堂を舞台に、そこに集う人々の様々なドラマを描く、心温まる作品。

 
【選評委員コメント】

・これぞ手練れの技というべき一冊 (ときわ書房本店 宇田川拓也さん)

・小説の醍醐味がある。感動というよりドキドキしてしまった。 (八重洲ブックセンター京急百貨店上大岡店 狩野大樹さん)

・こんなに続編が気になる作品はそうそうない! (有隣堂 出版部 加藤ルカさん)

 
<小路幸也さん プロフィール&受賞コメント>

北海道出身、在住。札幌の広告製作会社にライター、エディター、プランナーとして勤務。退社後執筆活動へ。メフィスト賞を受賞した『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』でデビュー。

主な作品に、『東京バンドワゴン』『花咲小路』『マイ・ディア・ポリスマン』などのシリーズがある。

 
【受賞コメント】
『国道食堂』は「男たちの物語を」という打ち合わせで、ふっと浮かんできたのが〈リングのある食堂〉です。
そこで物語が全部出来上がりました。愉しんでもらえてこんな嬉しいことはありません。ありがとうございました。

 

『月はまた昇る』あらすじ&受賞者プロフィール・コメント

孤独と不安をシェアしたい人、この指止まれ!
息子の保育園が見つからない会社員、娘の保育園の方針が合わない契約社員、保育園で働きたい専業主婦、保育園に落ちた仲間同士、人生をかけたプロジェクトがはじまった。

 
【選評委員コメント】

・題材の鮮度、人物造形、胸のすく展開、全てが素晴らしい (ときわ書房本店 宇田川拓也さん)

・希望があります。単行本時から推している作品です。 (八重洲ブックセンター京急百貨店上大岡店 狩野大樹さん)

・「保活」から「起業へ」と現実でもありそうなエピソードがおもしろかった。 (有隣堂 出版部 加藤ルカさん)

 
<成田名璃子さん プロフィール&受賞コメント>

1975年生まれ、青森県出身。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。

シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』など。

 
【受賞コメント】
この度は栄えある賞をいただき、とても光栄ですし、感謝の気持ちでいっぱいです。どうかこの機会に、たくさんの方に楽しんでいただけますように。誰もが、自分のなかの勇敢な自分と再会できますように。

 

徳間文庫大賞について

徳間文庫大賞は、2015年に全国の書店員を中心に創設された「徳間文庫大賞実行委員会」が主催し、徳間書店が後援。

「優れた文学作品を発表する作家を奨励し、文庫市場の活性化に貢献する」ことを目的に、毎年、1年間に刊行された徳間文庫の中から、優れた作品に贈られる文学賞です。

 
<参考> 歴代大賞受賞作 ※敬称略

【第1回】書下し部門『妖草師』(武内涼)/定番部門『先生のお庭番』(朝井まかて)
【第2回】『生きるぼくら』(原田マハ)
【第3回】『警視庁公安J』(鈴峯紅也)
【第4回】『二年半待て』(新津きよみ)
【第5回】『朽ちないサクラ』(柚月裕子)
【第6回】『痣』(伊岡瞬)
【第7回】『黙過』(下村敦史)
【第8回】『麻倉玲一は信頼できない語り手』(太田忠司)
【第9回】『歌舞伎座の怪紳士』(近藤史恵)

 

国道食堂 1st season (徳間文庫)
小路幸也 (著)

賑やかな町を離れ、国道沿いにある通称「国道食堂」。ドライブインというより、大衆食堂という感じだからか、そう呼ばれている。
おまけに、店の中には、リングがある。そう、プロレスで使うヤツ。なぜかというと、店主が元プロレスラーだからだ。
この店の食事は、どれも旨くて美味しい。だからか、近隣だけでなく、遠くからも客が来る。その中には、ちょっとワケありな客も……。
「東京バンドワゴン」「花咲小路」「マイ・ディア・ポリスマン」などの人気シリーズをもつ著者が、田舎の食堂を舞台に、そこに集う人々の様々なドラマを描く、心温まる作品。

月はまた昇る (徳間文庫)
成田名璃子 (著)

孤独と不安をシェアしたい人、この指止まれ!

息子の保育園が見つからない会社員
娘の保育園の方針が合わない契約社員
保育園で働きたい専業主婦

保育園に落ちた仲間同士、人生をかけたプロジェクトがはじまった。

北村彩芽は不動産会社の街づくりプロジェクトを担当。
出産後すぐに職場復帰するはずが、まだ保育園が見つからない!

思わずSNSで呟いた
#保育園落ちた人この指止まれ
に、親たちの苦悩がたくさん寄せられた。
そのオフ会で知り合った2人に彩芽は目をつける。

シングルマザーで経理ができる沢村敦子。
子をあやすのが上手な江上梨乃。
彼女たちの能力を見抜き、彩芽は一念発起する。

「保育園つくりませんか?」
動揺する2人をよそに、実現に向けて彩芽は突き進むが――。

 
【関連】
徳間文庫大賞 特設サイト

 


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