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【訃報】漫画家・桑田二郎(桑田次郎)さんが死去 『8マン』『月光仮面』『まぼろし探偵』など

『8マン(エイトマン)』『月光仮面』などで知られる漫画家の桑田二郎(くわた・じろう=当初のペンネーム:桑田次郎)さんが7月2日に老衰のため亡くなりました。8月4日に秋田書店がホームページ上で公表(https://www.akitashoten.co.jp/news/2056)。85歳。大阪府出身。

 
桑田二郎さんは、1935年生まれ。1948年に13歳で『奇怪星團』(青雅社)を刊行してマンガ家デビュー。1950~60年代にヒーロー漫画で人気を博し、多くのヒット作を生み出しました。

1957年より『少年画報』(少年画報社)で連載した「まぼろし探偵」(当初のタイトルは「少年探偵王」)はラジオドラマ化および実写ドラマ化、実写映画化されました。また、『少年倶楽部』で1958年から連載した、人気テレビドラマをコミカライズした「月光仮面」(原作:川内康範さん)もヒット。1963年には『週刊少年マガジン』で「8マン」(原作:平井和正さん」)を連載開始。「8マン」は、『エイトマン』としてテレビアニメ化もされましたが、1965年3月、桑田さんが銃刀法違反により逮捕され、打ち切りとなりました。以後も、少年向けヒーロー漫画で活躍しますが、42歳で少年漫画界から引退。その後は、『マンガエッセイでつづる般若心経』『チベット死者の書』など、精神世界を題材にした漫画などを描きました。

 
代表作は、『宇宙少年』『Xマン』『電光少年』『キングロボ』『エスパー3』『超犬リープ』『ウルトラセブン』『デスハンター』『怪奇大作戦』『ゴッドアーム』『エリート』『黄色い手袋X』『ミュータント伝』『失われたムー大陸』『チベット死者の書』『釈迦の真言』『マンガで悟れる般若心経』など。

 
なお、『チャンピオンRED』(秋田書店)にて連載中の漫画作品「8マンVSサイボーグ009」では、原作者の一人として協力していました。

 

8マン〔完全版〕(1) (マンガショップシリーズ)
平井和正 (著), 桑田次郎 (著)

これまで封印されてきた幻の最終回を 収録する、真の完全版!(全5巻)

テレビアニメ草創期の昭和38年11月にTBS系で放映開始の『エイトマン』は、その半年前から講談社の週刊少年マガジンで連載中の『8 マン』が原作である。当時の編集部が目指したのは誰も見たことがないまったく新しいロボット漫画だった。そのため新進のSF作家の平井 和正がストーリーを担当し、アメコミ風のシャープなタッチに転じた桑田次郎が漫画化する分業制を採った。二人の異才が心血を注いだ8マンは私立探偵であると同時に、一旦事件が起こると警視庁捜査一課八番目の刑事として正義のために戦うスーパーロボット。その魅力は 無敵の強さを誇る超高速移動や変身能力だけではない。8マンは殉職した刑事の記憶を電子頭脳の中に移した一種のサイボーグで、二度と 生身の人間に戻れないという等身大の苦悩を抱えていた。8マンが哀愁のヒーローと呼ばれ、未だに多くのファンを惹きつけて離さないゆえんだ。

本書(全5巻)は少年マガジン連載の本編と兄妹誌の別冊少年マガ ジンに掲載した読み切り、さらには幻の最終回も網羅する完全版だ。 『8マン』の最終回は直前に桑田次郎が降板したため、当時のアシス タントが代筆した少年マガジン版の他に、後に本人が描き直したリラ イト版が存在するのだ。2つの最終回をぜひ本書で見比べていただきたい。

月光仮面〔完全版〕―正義の章―【上】 (マンガショップシリーズ 324)
川内康範 (著), 桑田次郎 (著)

◆収録作品:『月よりの使者、月光仮面登場の巻』『パラダイ王国の秘宝の巻・前編』

~月光仮面は誰でしょう~
オートバイで颯爽と現れ、悪を蹴散らす正義のヒーロー『月光仮面』が帰ってきた!
1958年に宣弘社プロダクションによってTVドラマが制作され、たちまち大ヒット。いたるところで「月光仮面ごっこ」が繰り広げられ、放映時間には「銭湯から子供の姿が消えた」ほどの怪物番組であった。
『月光仮面』はこれまでに多くの描き手によって漫画化されたが、TVドラマの開始から3ヶ月後に講談社の「少年クラブ」で連載された桑田次郎版の人気は圧倒的で、TVドラマ終了後も連載が続き同誌の部数増に大きく貢献したのである。最大の要因は桑田が得意とした、シャープなタッチから生み出される、ド派手なアクションシーンだろう。この実写を超越した表現は子どもたちの心を鷲づかみして、TVに肩を並べる支持を勝ち得たのだ。
本書はその桑田版の全エピソードを漏れなく収録した完全版(全9巻)である。収録作の中には桑田の多忙から、盟友楠高治のよって代筆された幻のエピソードもあり、マニアも納得のこれ以上ない完全版に仕上がっているので、是非ご一読を。そして、川内康範が作中に込めた『憎むな、殺すな、赦しましょう』という平和へのメッセージを感じとって頂きたい。
科学者・柳木博士は”H・Oじょうはつ爆弾”という強力な兵器の開発に成功するも、謎の怪人“どくろ仮面”から兵器の強奪を予告する脅迫状が届くのだった。危険を感じた博士は名探偵・祝十郎のもとに依頼に行くが、時既に遅く祝探偵は別の事件でインドへ旅立ったあとだ。迫りくるどくろ仮面の魔の手。絶対絶命のそのとき、博士を救うべく月よりの使者“月光仮面”が現れた!
――『月光仮面現るの巻』

 
【関連】
桑田二郎先生に関する大事なお知らせ | 秋田書店

 


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