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芥川賞&直木賞(2020年上半期)候補作が決定 芥川賞は高山羽根子さんら、直木賞は伊吹有喜さん、澤田瞳子さんら計10作品

日本文学振興会は6月16日、第163回芥川龍之介賞(2020年上半期)および第163回直木三十五賞(2020年上半期)の候補作品を発表しました。

芥川龍之介賞、直木三十五賞ともに、2020年7月15日午後2時より都内で選考委員会が開催され、それぞれ受賞作品が決定します。

 

第163回芥川賞 候補作について

第163回芥川賞の候補作は以下の5作品です。

 
【第163回芥川賞 候補作】

◎石原燃(いしはら・ねん)さん「赤い砂を蹴る」(『文學界』6月号)

◎岡本学(おかもと・まなぶ)さん「アウア・エイジ(Our Age)」(『群像』2月号)

◎高山羽根子(たかやま・はねこ)さん「首里の馬」(『新潮』3月号)

◎遠野遥(とおの・はるか)さん「破局」(『文藝』夏季号)

◎三木三奈(みき・みな)さん「アキちゃん」(『文學界』5月号)

 
石原燃さんは、1972年生まれ。武蔵野美術大学卒業。劇作家。本作「赤い砂を蹴る」で小説デビュー。なお、母は作家の津島佑子さん、祖父は太宰治。

岡本学さんは、1972年生まれ。早稲田大学教育学部理学科数学専修卒業。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士課程修了。博士(国際情報通信学)。神奈川工科大学情報学部教授。2012年「架空列車」で群像新人文学賞を受賞し、同年に同作品を収録した『架空列車』でデビュー。

高山羽根子さんは、1975年富山県生まれ、神奈川県育ち。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。2009年「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞佳作を受賞しデビュー。2016年『太陽の側の島』で第2回林芙美子文学賞を受賞。芥川賞は今回で3度目のノミネート。

遠野遥さんは、1991年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。2019年「改良」で文藝賞を受賞しデビュー。

三木三奈さんは、1991年生まれ。2020年、本作「アキちゃん」で文學界新人賞を受賞しデビュー。

 

第163回直木賞 候補作について

第163回直木賞の候補作は以下の5作品です。

 
【第163回直木賞 候補作】

◎伊吹有喜(いぶき・ゆき)さん『雲を紡ぐ』(文藝春秋)

◎今村翔吾(いまむら・しょうご)さん『じんかん』(講談社)

◎澤田瞳子(さわだ・とうこ)さん『能楽ものがたり 稚児桜(ちござくら)』(淡交社)

◎遠田潤子(とおだ・じゅんこ)さん『銀花の蔵』(新潮社)

◎馳星周(はせ・せいしゅう)さん『少年と犬』(文藝春秋)

 
伊吹有喜さん、1969年生まれ。中央大学法学部卒業。出版社勤務などを経て、フリーランスのライターに。2008年『風待ちのひと』(「夏の終わりのトラヴィアータ」より改題)でポプラ社小説大賞「特別賞」を受賞してデビュー。直木賞は今回で3度目のノミネート。

今村翔吾さんは、1984年生まれ。2016年「狐の城」で第23回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。同作で啓文堂大賞「時代小説文庫大賞」を受賞。2018年「童神」で第10回角川春樹小説賞、2020年『八本目の槍』で吉川英治文学新人賞を受賞。直木賞は今回で2度目のノミネート。

澤田瞳子さんは、1977年生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程前期修了。2010年『孤鷹の天』でデビュー。2011年、同作で中山義秀文学賞、2012年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞、2013年、同作で新田次郎文学賞、2016年『若冲』で親鸞賞および歴史時代作家クラブ賞を受賞。今回で4度目のノミネート。

遠田潤子さんは、1966年生まれ。大阪府堺市出身。関西大学卒業。2009年「月桃夜」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。同年、同作品を収録した『月桃夜』でデビュー。2017年『冬雷』で未来屋小説大賞を受賞。

馳星周さんは、1965年生まれ。北海道出身。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターに。1996年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で吉川英治文学新人賞、1998年『鎮魂歌(レクイエム) 不夜城 II』で日本推理作家協会賞、1999年『漂流街』で大藪春彦賞を受賞。

 

芥川賞と直木賞について

芥川賞と直木賞は、1935(昭和10)年に制定され、芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られます。

芥川賞は主に無名・新進作家が、直木賞は無名・新進・中堅作家が対象となります。受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が授与されます。

 

<芥川賞候補作>

赤い砂を蹴る
石原 燃 (著)

お母さん、聞こえる? 私は生きていくよ――幼くして死んだ弟、世間に抗い続けた母。ブラジルの大地に母娘のたましいの邂逅を描く。

首里の馬
高山 羽根子 (著)

この島のできる限りの全部の情報が、いつか全世界の真実と接続するように。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが胸にせまる感動作。

破局
遠野 遥 (著)

私を阻むものは、私自身にほかならない。
ラグビー、筋トレ、恋とセックス――
ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。
28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。
2019年文藝賞でデビューした新鋭による第2作。

<直木賞候補作>

雲を紡ぐ
伊吹 有喜 (著)

「分かり合えない母と娘」
壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるか?
羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショールだった。
ところが、このショールをめぐって、母と口論になり、少女は岩手県盛岡市の祖父の元へ家出をしてしまう。
美緒は、ホームスパンの職人である祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。
実は、とてもみじかい「家族の時間」が終わろうとしていた――。

「時代の流れに古びていくのではなく、熟成し、育っていくホームスパン。その様子が人の生き方や、家族が織りなす関係に重なり、『雲を紡ぐ』を書きました」と著者が語る今作は、読む人の心を優しく綴んでくれる一冊になりました。

じんかん
今村 翔吾 (著)

仕えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くす――-。
民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした」青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか?

時は天正五年(1577年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かしたときに直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。

貧困、不正、暴力…。『童の神』で直木賞候補となった今最も人気の若手歴史作家が、この世の不条理に抗う人すべてへ捧ぐ、圧巻の歴史巨編!

能楽ものがたり 稚児桜
澤田瞳子 (著)

〈能の名作からインスパイアされた8編の物語〉
〈破戒、裏切り、嫉妬、復讐。今、最も注目される歴史作家があぶり出す人間の情念〉

能の曲目のストーリーを下敷きにした8編の時代小説集。
「やま巡り─山姥」「小狐の剣─小鍛冶」「稚児桜─花月」「鮎─国栖」「猟師とその妻─善知鳥」「大臣の娘─雲雀山」「秋の扇─班女」「照日の鏡─葵上」。

銀花の蔵
遠田 潤子 (著)

秘密を抱える旧家で育った少女が見つけた、古くて新しい家族のかたち。大阪万博に沸く日本。絵描きの父と料理上手の母と暮らしていた銀花は、父親の実家に一家で移り住むことになる。そこは、座敷童が出るという言い伝えの残る由緒ある?油蔵の家だった。家族を襲う数々の苦難と一族の秘められた過去に対峙しながら、少女は大人になっていく―。圧倒的筆力で描き出す、感動の大河小説。

少年と犬
馳 星周 (著)

傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。

2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……

犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!

 
【関連】
芥川龍之介賞|公益財団法人日本文学振興会
直木三十五賞|公益財団法人日本文学振興会

 


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