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「第19回読売・吉野作造賞」深井智朗さん『プロテスタンティズム』の授賞を取り消し

中央公論新社と読売新聞社は5月17日、「読売・吉野作造賞」の選考委員会を開き、昨年6月に「第19回読売・吉野作造賞」を受賞した深井智朗さんの『プロテスタンティズム 宗教改革から現代政治まで』(中公新書)の授賞取り消しを決定しました。

 
これは、深井さんの別の著書『ヴァイマールの聖なる政治的精神』と論考「エルンスト・トレルチの家計簿」について、深井さんが院長を務めていた東洋英和女学院大学の調査委員会が「捏造と盗用があった」と認定したことを受けての措置です。

★東洋英和女学院大学「研究活動上の不正行為に関する調査結果について」:http://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/news/topics/news_2019051001.html

 
読売・吉野作造賞を受賞した『プロテスタンティズム』に関しては、調査等の結果、捏造・盗用などは認められませんでしたが、「調査委員会の調査結果を踏まえると、深井氏には研究者倫理の欠如が認められ、研究姿勢に重大な問題があり、『プロテスタンティズム』もそのような研究姿勢のもとで執筆された著作に含まれると見ざるを得ない」ことから、授賞取り消しが相当と判断したとのことです。

 
なお、『プロテスタンティズム』については、5月7日より注文があっても出荷しない出荷停止の措置が取られています。

※読売・吉野作造賞の授賞取り消しについての詳細は、http://www.chuko.co.jp/news/112323.html をご覧ください。

また、『ヴァイマールの聖なる政治的精神』の版元・岩波書店は、同書を「絶版とし、可能な限り回収する」としています。

 
【関連】
第19回「読売・吉野作造賞」授賞取り消しのお知らせ|中央公論新社
研究活動上の不正行為に関する調査結果について|東洋英和女学院大学
謹告(深井智朗氏『ヴァイマールの聖なる政治的精神』ほかについて)―― – 岩波書店

 


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