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『屈辱の数学史』わずかな数学のミスで、まさかの事態に……スタンダップ数学者が皮肉たっぷりに語る、おかしくも哀しい出来事の数々

マット・パーカーさん著『屈辱の数学史 A COMEDY OF MATHS ERRORS』(訳:夏目大さん)

マット・パーカーさん著『屈辱の数学史 A COMEDY OF MATHS ERRORS』(訳:夏目大さん)

マット・パーカーさん著『屈辱の数学史 A COMEDY OF MATHS ERRORS』(訳:夏目大さん)が山と溪谷社より刊行されました。

 

英国「サンデー・タイムス」紙 数学本初のベストセラー作!

 
◆森田真生さん(独立研究者)推薦!
「人間と数学の交わるところに、こんなにも多様な『間違い』が生息している。間違いを学びに転じる名手――著者の魔法に触れると、失敗を隠しておくのがもったいなくなる。」

 
何もないのに橋が揺れる。何十億ドルもの大金が一瞬にして跡形もなく消える。高層ビルで90年代のヒットダンス曲に合わせてエアロビクスをしていたら、ビルが大きく揺れる……これらのすべての現象は、数学により引き起こされたことです。数学を誤れば、現実世界にこのような悲惨な出来事を引き起こすことがあります。

 
コンピュータのプログラム、金融、工学、すべての基礎は数学であり、私たち現代人の生活は数学に依存しています。普段、数学は舞台裏で静かに仕事をしていて表に出ることはないが、表に出るのは、まともに仕事をしなくなったときです。

 
本書では、数学者としてイギリスのラジオやテレビ番組に出演するほか、ユーチューバーとしても活躍する著者が、数学のミスにより実際に惨事に至った、世界の多くの事例を取り上げ、自身の失敗談やジョークも盛り込みながら、その背景や事情を丁寧に解説していきます。

 
大事故寸前で切り抜けられた例もあれば、大惨事になってしまった例もあります。そこには、インターネット、ビッグデータ、選挙、道路標識、宝くじ、オリンピック、古代ローマの暦など、実にさまざまなものがかかわっています。ページをめくれば、数学のミスがいかに恐ろしいか、世の中で数学がいかに重要な地位を占めているかがよくわかることでしょう。

 
スタンドアップ数学者でもある著者がユーモアたっぷりに語る本書は、謎解きを楽しむように読むことができるのも特徴です。本書を読むことで、ミスを防ぎ危険を回避できるようになるだけではなく、数学に親しみを感じるようになる一冊です。

 
なお、原書『Humble Pi:A COMMEDY OF MATHS ERRORS』は英国「サンデー・タイムス」紙で数学本初のベストセラー作となりました。

 

本書の構成

【第0章 はじめに】

【第1章 時間を見失う】
四三億ミリ秒では十分とは言えない/カレンダー/暴挙に出たローマ教皇/時が行き詰まる日/時をかける戦闘機

【第2章 工学的なミス】
物騒な数に架ける橋/共振が鳴り響くとき/揺れるのは飛行機だけじゃない/浮き沈みにもご注意を/曲線美の落とし穴/お足元には気をつけて

【第3章 小さすぎるデータ】
善良なデータが悪と化すとき/Excelが遺伝子操作? /スプレッドシートの限界/エンロン事件

【第4章 幾何学的な問題】
三角測量/月の幾何学/死のドア/Oリングのせいだけじゃない/歯車の噛み合わせ

【第5章 数を数える】
組み合わせを数える/その組み合わせ、十分ですか?

【第6章 人間は確率が苦手】
死のコード/コンピュータが苦手なこと/わずかなズレの危険性/0で割らないで

【第7章 確率のご用心】
重大な統計学的誤り/コインの表裏/宝くじ必勝法/通説の?/確率についての私的意見

【第8章 お金にまつわるミス】
コンピュータ時代のお金のミスコンピュータの時代にお金のミスはどう変わったか/アルゴリズムが生んだ高額本/物理法則の制約/数学への無理解が生んだ高額報酬

【第9章 丸めの問題】
どこまでも下がるインデックス/遅いのに新記録?/スケールの違う数字/サマータイムの危険性

【第9.49章 あまりにも小さな差】
ボルトが合ってさえいれば

【第10章 単位の問題】
摂氏と華氏/重(・)大問題/値札もお忘れなく/グレーンの問題

【第11章 統計は、お気に召すまま? 】
平均的な制服/平均が同じでも違う/バイアスはどこにでも/相関関係と因果関係

【第12章 ランダムさの問題】
ロボットはランダムを作れるか/擬似乱数/擬似乱数発生のアルゴリズム/「ランダム」を誤解してませんか?/ランダムか否かの見分け方/現実の物体に勝るものなし

【第13章 計算をしないという対策】
「スペース」インベーダー/五〇〇マイル先までしか届かないeメール/コンピュータと交流しよう

【エピローグ】過ちから学ぶこと

 

著者プロフィール

 
■著者:マット・パーカー(Matt Parker)さん

オーストラリア出身の元数学教師。イギリスのゴダルマイニングという歴史ある(古過ぎるのではと思うこともある)街に暮らす。

数学とスタンダップ・コメディを愛し、両者を同時にこなすことも多い。テレビやラジオに出演して数学について話す他、ユーチューバーとしても活躍。オリジナル動画の再生回数は数千万回以上、ライブのコメディー・ショーを行えば、毎回、満員御礼という人気者だ。

他の著書に『四次元で作れるもの、できること(Things to Make and Do in the Fourth Dimension)』がある。

 
■訳者:夏目大(なつめ・だい)さん

大阪府出身。翻訳家。大学卒業後、SEとして勤務したのちに翻訳家になる。

主な訳書に『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』(ジャン=ポール・ディディエローラン/ハーパーコリンズ・ ジャパン)、『エルヴィス・コステロ自伝』(エルヴィス・コステロ/亜紀書房)、『タコの心身問題』(ピーター・ゴドフリー=スミス/みすず書房)、『「男らしさ」はつらいよ』ロバート・ウェッブ/双葉社)、『南極探検とペンギン』(ロイド・スペンサー・デイヴィス/青土社)、『Think CIVILITY』(クリスティーン・ ポラス/東洋経済新報社)など多数。

 

屈辱の数学史 A COMEDY OF MATHS ERRORS
マット・パーカー (著), 夏目 大 (翻訳)

わずかな数学のミスで、まさかの事態に……。
スタンダップ数学者が皮肉たっぷりに語る、可笑しくも哀しい出来事の数々!

私たち現代人の生活は数学に依存している。コンピュータのプログラム、金融、工学、すべての基礎は数学だ。
普段、数学は舞台裏で静かに仕事をしていて表に出ることはない。
表に出るのは、まともに仕事をしなくなったときである。

インターネット、ビッグデータ、選挙、道路標識、宝くじ、オリンピック、古代ローマの暦……他。
本書では数学のミスによる喜劇的、ときに悲劇的な事例を多く取り上げている。
謎解きを楽しむように本書を読めば、ミスを防ぎ危険を回避できるようになるだけでなく、数学に親しみを感じるようにもなるだろう。
スタンダップ数学者である著者自身の失敗談やジョークも多く盛り込まれた本書は、「屈辱」をとことん楽しめる一冊だ。
英国「サンデー・タイムズ」紙 数学本初のベスト・セラー作。

 


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