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『AI監獄ウイグル』「AIの眼」が統治する新疆ウイグルの恐るべき実態を告発!

ジェフリー・ケインさん著『AI監獄ウイグル』(訳:濱野大道さん)

ジェフリー・ケインさん著『AI監獄ウイグル』(訳:濱野大道さん)

顔と声を記録する「健康検査」、DNA採取、移動・購入履歴ハッキング、密告アプリ――そしてAIが「信用できない人物」を選ぶ。中国政府による人権侵害問題で世界から注視される新疆ウイグル自治区が、米中テック企業が作りあげた「最悪の実験場」であることを告発する衝撃のノンフィクション『AI監獄ウイグル』(著:ジェフリー・ケインさん、訳:濱野大道さん)が新潮社より刊行されました。

 

新疆ウイグル自治区は米中テック企業が作った「最悪の実験場」だった!

2022年2月4日に北京で開幕する冬季五輪。「外交ボイコット」を表明したアメリカ政府に、オーストラリア、イギリス、カナダ政府も続きました。日本政府も閣僚などを派遣しないことを決めています。

このボイコットの一番の理由に挙げられるのが、中国政府による新疆ウイグル自治区への人権弾圧です。

 
その残虐さ、苛烈さ、強制収容所の実態などはすでに報じられていますが、この問題の真の恐ろしさは「ひどい目に遭う人たちがどうやって選ばれるか」だといっても過言ではありません。

社会のすみずみにまで張り巡らされた「AIの眼」――。顔認証や音声認証を含め、米国で生まれ、中国で完成した最先端技術がウイグルの人々を支配していることを、取材力に定評のあるアメリカ人ジャーナリストがひとりの少女の脱出行を軸に描き出します。

ウイグルの現状は、日本にとってもまったく他人事ではないことがわかります。

 
刊行に際し、成毛眞さん、橘玲さんによる推薦のコメントが寄せられています。

◆成毛眞さん(実業家・元マイクロソフト日本法人社長)
「驚愕した。恐ろしい話なのに、手が止まらない。あっという間の300ページ!」

◆橘玲さん(作家)
「AIと監視テクノロジーが生み出す『デジタルの牢獄』というわたしたちの未来世界」

 
著者ジェフリー・ケイン記者は、168人のウイグル人の難民、技術労働者、政府関係者、研究者、学者、活動家、亡命準備中の元中国人スパイなどにインタビュー取材を刊行。

そのうえでウイグル人の少女の危険な逃避行を軸に、ディストピア社会のいまを圧倒的な取材力で描き出しています。ノーベル平和賞の候補としても名前が挙がるウイグル族の経済学者、イリハム・トフティさん(中国政府により拘留中)と少女の関係にも驚かされます。

 

本書の構成

プロローグ その暗黒郷を〝状況〟と呼ぶ
第1章 中国の新たな征服地
第2章 国全体を監視装置に
第3章 ウイグル出身の賢い少女
第4章 中国テック企業の台頭
第5章 ディープ・ニューラル・ネットワーク
第6章 「中国を倒せ! 」「共産党を倒せ! 」
第7章 習近平主席の〝非対称〟の戦略
第8章 対テロ戦争のための諜報員
第9章 「政府はわたしたちを信用していない」
第10章 AIと監視装置の融合
第11章 このうえなく親切なガーさん
第12章 すべてを見通す眼
第13章 収監、強制収容所へ
第14章 強制収容者たちの日常
第15章 ビッグ・ブレイン
第16章 ここで死ぬかもしれない
第17章 心の牢獄
第18章 新しい冷戦
第19章 大いなる断絶
第20章 安全な場所など存在しない
エピローグ パノプティコンを止めろ

 

著者プロフィール

 
■著者:ジェフリー・ケイン(Geoffrey Cain)さん

アメリカ人の調査報道ジャーナリスト/テックライター。アジアと中東地域を取材し、エコノミスト誌、タイム誌、ウォール・ストリート・ジャーナル紙など多数の雑誌・新聞に寄稿。

2020年発表のデビュー作Samsung Rising: The Inside Story of the South Korean Giant That Set Out to Beat Apple and Conquer Tech(『サムスンの台頭』[未訳])はフィナンシャル・タイムズ紙とマッキンゼー社が主催するビジネス本大賞候補に選ばれた。現在はトルコ・イスタンブールに在住。

★Twitter:https://twitter.com/geoffrey_cain

 
■訳者:濱野大道(はまの・ひろみち)さん

翻訳家。ロンドン大学・東洋アフリカ学院(SOAS)卒業、同大学院修了。

訳書にロイド・パリー『黒い迷宮』『津波の霊たち』(早川書房)、『狂気の時代』(みすず書房)、グラッドウェル『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』(光文社)、レビツキー&ジブラット『民主主義の死に方』(新潮社)などがある。

 

AI監獄ウイグル
ジェフリー・ケイン (著), 濱野 大道 (翻訳)

新疆ウイグルは、米中テック企業が作った「最悪の実験場」だった。
衝撃の告発ノンフィクション! !

DNA採取、顔と声を記録する「健康検査」、移動・購入履歴ハッキング、密告アプリ――
そしてAIが「信用できない人物」を選ぶ。社会のすみずみにまで張り巡らされた「AIの眼」が、人々を統治していた。顔認証や音声認証を含めて、米国で生まれ、中国で完成した最先端技術が生活に入り込み、知らぬ間にテクノロジー企業へ情報が漏れ続ける。「デジタルの牢獄」と化したウイグルの恐るべき実態は、人類全体の未来を暗示していた。少女の危険な逃避行を軸に、世界がまだ知らない「ウイグル問題」の真相を、圧倒的な取材力で描き出す。成毛眞氏、橘玲氏、驚愕!!

 
【関連】
【試し読み】ジェフリー・ケイン、濱野大道/訳 『AI監獄ウイグル』 | 新潮社

 


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