気になる本、おススメの本を紹介

B O O K P O O H

『The Starfish and the Spider ヒトデ型組織はなぜ強いのか』なぜ今、中央集権的な組織はうまくいかないのか?

オリ・ブラフマンさん、ロッド・A・ベックストロームさん著『The Starfish and the Spider ヒトデ型組織はなぜ強いのか』(訳:大川修二さん、監修:伊藤守さん)

オリ・ブラフマンさん、ロッド・A・ベックストロームさん著『The Starfish and the Spider ヒトデ型組織はなぜ強いのか』(訳:大川修二さん、監修:伊藤守さん)

オリ・ブラフマンさん、ロッド・A・ベックストロームさん著『The Starfish and the Spider ヒトデ型組織はなぜ強いのか』(訳:大川修二さん、監修:伊藤守さん)が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより刊行されました。

 

組織論の名著、新訳で登場

本書は2006年にアメリカで出版された『The Starfish and the Spider(「ヒトデとクモ」)』を翻訳したものです。2007年に日経BP社から『ヒトデはクモよりなぜ強い』という邦題で翻訳出版されていますが、このたび新訳での出版となりました。

 
時代の移り変わりに伴い、組織の在り方も変化してきました。特に新型コロナウイルスの感染拡大による社会やビジネス環境の変化は、従来の組織の在り方を見直す機会にもなっているでしょう。

 
本書では、分権型組織が中央集権型組織に比べ、いかに創造的で、従来の秩序を破壊し、経済的なインパクトを与えるのかについて、様々な事例から紹介していきます。

いまでこそフラットな組織や多角的経営は浸透していますが、改めてなぜそれが重要なのか、フラットであっても気をつけなければならない点などを学ぶことができる一冊です。

 

絶対的なリーダーをつくらない組織が未来をつくる

タイトルにある「ヒトデ」とは分権型組織を意味し、それに対して「クモ」は中央集権型組織を意味します。

クモは体の中心部に頭があり、8本の足が出ています。頭を切り落とせばクモは死んでしまいます。これに対して、一見似た構造に見えるヒトデの体の中心部は体の司令塔ではなく、主な器官はそれぞれの腕の中にあります。

クモには脳を頂点とするヒエラルキーがありますが、ヒトデには脳がなく、分権型のネットワークとして機能しています。ヒトデが動くためには1本の腕が別の腕を協力させなければなりません。

 
本書では、ヒトデのような分権型組織がクモのような中央集権型組織よりも強いことを、ウィキペディアやアルカイダ、ALF(動物解放戦線)などさまざまな事例とともに説明しています。

 
また、ヒトデ型とクモ型それぞれの長所を取り入れた「ハイブリッド型」の企業が存在し、成功していることも紹介しています。

例としてはイーベイ、グーグル、ゼネラル・エレクトリック(GE)などが挙げられていますが、私たち日本人にとって馴染み深いのはトヨタでしょう。著者によれば、トヨタは分権化によって従業員の意欲と創造性を高め、一方で一貫性を保つのに必要な組織構造と管理体系を備えているといいます。

 
世界は分権化に向かっており、その流れは止めることができません。
現在、この状況はあらゆる分野で加速しています。完全にヒトデ型になることは難しいにせよ、少なくともヒトデ型を目指すことが企業にはますます必須の課題となるでしょう。

 
<推薦の声多数!>

まるで高精度のプリズムが光を分散させるように、自己組織化するシステムのパターンや可能性を詳しく解き明かしてくれる
――スティーブ・ジャーベットソン、ドレイバー・フィッシャー・ジャーベットソン共同経営者

オリとロッドは、鋭い洞察力を駆使して、マーケット・ポピュリズムの次の犠牲者とならないための方法を教えてくれる。
そして、その気のある読者には、既存企業の弱みを突いて打ち負かす方法も
――ランディ・コミサー、著述家、スタンフォード大学教授、クライナー・バーキンス・コーフィールド&バイヤーズ共同経営者

凄い作品。いまだに毎日のように、2人の示したコンセプトについて考えさせられている。ブラボー!
――ジェシカ・フラネリー、キヴァ・ドット・オーグ共同創設者

実に素晴らしい本だ。単に脳が刺激を受けただけではない。
私の場合は、行動面でも影響を受け、自組織に対して10項目からなるアクションプランを提言した
――クラウス・シュワブ教授、世界経済フォーラム会長

 

本書の構成

第1章 MGMの失策とアパッチ族の謎

第2章 クモ、ヒトデ、インターネットの社長

第3章 ヒトデだらけの海

第4章 5本の足で立つ

第5章 触媒の秘めたる力

第6章 分権型組織との対決

第7章 コンボ・スペシャル:ハイブリッド型組織

第8章 スイートスポットを探して

第9章 新しい世界

 

著者プロフィール

 
■オリ・ブラフマン(Ori Brafman)さん

生まれながらの起業家。これまでに、ワイヤレスサービスの新規事業、健康食品の擁護団体、公益プロジェクトに取り組むCEOのネットワークなどを創設した(CEOネットワークはロッド・ベックストロームと共同で)。カリフォルニア大学バークレー校で平和及び紛争研究の学士号を、スタンフォード大学ビジネススクールでMBAを取得。サンフランシスコ在住。

 
■ロッド・A・ベックストローム(Rod A. Beckstrom)さん

トゥイッキー・ネット社の会長兼チーフ・カタリスト(主席触媒)。CATSソフトウェア社を創設し、CEOとして株式公開を果たす。環境防衛基金及びジャミイ・ボラ・アフリカの役員も務める。スタンフォード大学で学士号とMBAを取得。学生時代はフルブライト奨学生でもあった。カリフォルニア州パロアルト在住。

 
■訳:大川修二(おおかわ・しゅうじ)さん

早稲田大学第一文学部(哲学専修)卒業。アメリカン・エキスプレス・インターナショナル勤務を経て1996年より翻訳活動。

主な訳書に『スターバックス成功物語』(共訳、日経BP社、1998年)、『完全なる経営』(日本経済新聞社、2001年)、『コトラーのマーケティング・コンセプト』(東洋経済新報社、2003年)、『コトラーのマーケティング思考法』(東洋経済新報社、2004年)、『最底辺のポートフォリオ』(みすず書房、2011年)など。著書に『人材勝による経営の時代』(幻冬舎ルネッサンス、2007年)

 
■監修:伊藤守(いとう・まもる)さん

日本人として初めて国際コーチング連盟(ICF)よりマスター認定を受けた日本のコーチング界における草分け。コーチングを日本に紹介し、1997年に日本で最初のコーチ養成プログラムを開始。2001年には、エグゼクティブ・コーチング・ファームとして株式会社コーチ・エィを設立し、以来これまでに約26ヶ国1700社を超える企業のリーダー開発や組織風土改革に携わる。

著書は『コーチング・マネジメント』『3分間コーチ』(ディスカヴァー)、『小さなチームは組織を変える』(講談社)、『コーチング・リーダーシップ』(共著、ダイヤモンド社)など50冊以上に及ぶ。

 

ヒトデ型組織はなぜ強いのか 絶対的なリーダーをつくらない組織が未来をつくる The Starfish and the spider
オリ・ブラフマン (著), ロッド・A・ベックストローム (著)

組織論の名著『ヒトデはクモよりなぜ強い』が新訳になって復刊!
分権型組織(ヒトデ型組織)が、中央集権型組織(クモ型組織)に比べ、いかに創造的で、従来の秩序を破壊し、経済的なインパクトを与えるのか。
ナップスター vs. 巨大エンターテインメント企業MGM
スカイプ vs. AT&T
アパッチ族 vs. スペイン軍
そして、イーベイ、ゼネラル・エレクトリック、トヨタ…
様々な事例からまとめた、最強の組織をつくるヒント。

絶対的なリーダーをつくらない組織が未来をつくる!

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です