『しあわせの哲学』人はどうすれば幸せになれるの? ソクラテス、ルソーからヘーゲル、ニーチェ、フッサール、ハイデガー、バタイユまで…その思想のエッセンスが2時間で学べる!
NHK出版は「生きた学びを手に入れる」「2時間で教養が身につく」をコンセプトに、あらゆる教養の扉を開く”学び直し”シリーズ「学びのきほん」より、西研さん著『しあわせの哲学』を刊行しました。
人が元気に喜びをもって生きていく、そのために必要なことは何か
数々の難解な古典を「誰にでもわかる」ように解説を続けてきた西研さん。今回は、そんな西研さんが、古代から近代まで、およそ2000年分の「哲学書のエッセンス」を100ページに凝縮し、誰もが会得可能な「しあわせの条件」を提示します。
なぜいま「しあわせ」なのか。
本書の冒頭で西研さんは次のように述べています。
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現代を生きる私たちは、いま、極端に「個別化」しています。
ネット環境やコンビニの発達などによって、私たちは他人と直接に関わらずに生きていける社会的条件を獲得しました。これは人類史上初のことです。それは言い換えると、自分の関心があるものだけで自分の世界を構築できるようになった、ということでもあります。
それはよいことのようにも思えますが、同時に地域をはじめとしたコミュニティの弱体化が進み、他者とのネットワークを育てることのできなかった人は、まさに「一人で」生きていかざるを得ない状況になっています。
(中略)
本書では、そんな状況を私たちが生きていくにあたり、「どんな条件があれば、人はしあわせな人生を生きていけるのか」ということを、哲学的な人間論の立場から考えてみたいと思います。哲学の世界では、「人間とはどのような存在か」ということについて、さまざまな議論が積み重ねられてきました。そのなかには、誰もが納得できるような堅固な考え方が含まれています。そのエッセンスを私なりにみなさんに紹介しながら、一緒に「人間の生としあわせ」についてあらためて考えることができれば、と思っています。
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ソクラテスの「対話」、ルソーの「自由と承認」、ハイデガーの「可能性」、ニーチェの「永遠回帰」――。「自助」を求められ過ぎている現代で、過去の哲学者たちのメッセージはどのように響くのか。2時間で学んでみませんか。
本書の構成
はじめに:しあわせの条件
第1章:「生の可能性」とは
第2章:自分の「物語」をつくる
第3章:「承認」を求めて生きる
第4章:「自由」の感触を得る
第5章:人生を肯定するには
おわりに:つながりを育むこと
著者プロフィール
著者の西研(にし・けん)さんは、1957年生まれ。鹿児島県出身。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。東京医科大学哲学教室教授。
京都精華大学助教授、和光大学教授を経て現職。
著書に『哲学は対話する』(筑摩選書)、『実存からの冒険』『哲学的思考 フッサール現象学の核心』(以上、ちくま学芸文庫)、『ヘーゲル・大人のなりかた』(NHKブックス)、『NHK100分de名著ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ』『NHK100分de名著ブックス ルソー エミール』(NHK出版)など多数。
「学びのきほん」シリーズについて
最新刊の『しあわせの哲学』で累計28万部を突破した「生きた学びを手に入れる、2時間で読める」実践的教養シリーズです。
古典とは、哲学とは、日本語とは、落語とは、政治とは、料理とは……。「学び直し」や「学びの入口」をさまざまな切り口から提供し、読書好きからも教養書を普段手に取らない方からも、人気を博しています。
NHK出版 学びのきほん しあわせの哲学
西 研 (著) 「哲学」という営みが誕生して2500年ものあいだ、追求され続けてきた根源的なテーマ「しあわせ」。哲学の歴史とは、人が「しあわせ」を追い求め続けた歴史とも言える。人は、どうすれば「しあわせ」を感じ取ることができるのか。哲学者は、どのように「しあわせ」を見出していったのか。ソクラテスの「対話」、ハイデガーの「可能性」、ニーチェの「永遠回帰」……本書ではまず、哲学が生まれてから現在まで、それぞれの哲学者が時代ごとに考え抜いた思想のエッセンスを紹介。加えて、先行きの不透明さに不安を感じるいまだからこそ「哲学思想」という道から、人がしあわせに生きるために必要な考え方を提示する。 |