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『人、イヌと暮らす』イヌのそもそもの起源は?――進化生物学者・長谷川眞理子さん「科学」×「愛犬」エッセイ

長谷川眞理子さん著『人、イヌと暮らす』

長谷川眞理子さん著『人、イヌと暮らす』

進化生物学者・長谷川眞理子さん著『人、イヌと暮らす』が、世界思想社より刊行されました。

スタンダード・プードルのキクマル、コギク、マギーと暮らす著者が、3頭3様、個性の違う彼らと一緒に暮らして考えたことをつづった、科学×愛犬エッセイです。

 

進化と、愛情と、社会と――科学×愛犬エッセイ

長谷川眞理子さんがイヌたちと一緒に暮らして考えたこと。そのキーワードは進化・愛情・社会です。

 
最新の科学論文をもとに、「イヌは世界をどのように認識しているのか?」「イヌのそもそもの起源は?」といった疑問に対して、一般の方にもわかりやすく説明します。

 
霊長目のヒトと食肉目のイヌは、進化で見ると少し遠い存在ですが、ともに、他者の存在が重要な意味を持つ社会性の動物である、という共通点があります。イヌの社会、ヒトの社会、イヌが介在することで変わるヒトの社会。著者の考察が光ります。

そして、全編を包むのは、イヌたちへの深い愛情。イヌとヒトは、どのようにしてお互いへの愛情を育むのでしょうか?

 
ユーモアを交えた愛犬エピソードと、わかりやすい科学的な説明。相容れないようにみえるこの2つが渾然一体となっているのが本書の特長です。

 

本書の目次

はじめに

プロローグ 我が家のイヌたち
始まりはネコだった/アフリカの奥地のネコ、アビちゃん/コテツくんとの暮らし/キクマルが来る/キクマルと私の関係構築/コギクとマギー

Ⅰ イヌは世界をどのように認識しているか

第1章 食べる、嗅ぐ
イヌと食べ物をめぐる話/食べられる物か、食べられない物か?/イヌの嗅覚/ヒトの嗅覚はどれほど優れている?/匂いの学習と文化

第2章 見る、聞く、味わう
イヌの視覚/イヌの聴覚と耳の形/イヌの味覚、ヒトの味覚/世界と物体の感覚

Ⅱ イヌとヒトの来た道

第3章 イヌはどこから来たのか
犬種のさまざま/イヌの家畜化の起源/サピエンスとネアンデルタールの興亡、そしてイヌ/イヌを小型化した遺伝子/小型犬の起源

第4章 生物の進化と人為選択
進化とは何だろう/遺伝子の仕組みと働き/遺伝子の構造/人為選択のプロセス

第5章 犬種の違い、個性の違い
さまざまな犬種の起源/イヌの仕事と特有の性質/南極観測隊とイヌの物語/イヌの性格/ずっと「一人っ子」だったキクマル/コギクが来る/マギーが来る

第6章 イヌの一生
イヌの成長過程/イヌの親によるしつけときょうだい関係/マギーの発情/イヌの寿命/キクマルの大往生

Ⅲ イヌが開く社会

第7章 どうしてイヌは可愛いのか:愛着形成の機構
社会的なイヌ、因果関係のチンパンジー/オオカミの社会生活/イヌを契機に「母性行動」全開/「母性行動」発現の仕組み/ヒトは共同繁殖

第8章 イヌを飼うことと私たちのコミュニティ
「イヌ友」で変わる近所づきあい/ルビーとアンバーのうちは特別/現代の都市生活の特殊性/コロナ禍で見えてきたこと

おとんから一言
社会の中のイヌ:ヒト―イヌ関係再考(長谷川寿一)
学部長犬キクマル/イヌの起源、ヒトとオオカミの出会い/猟犬としてのイヌ/ヒト―イヌ関係の文化差/イヌの仕事/コンパニオン・スピーシーズ

あとがき
参考文献

 

著者プロフィール

著者の長谷川眞理子(はせがわ・まりこ)さんは、1952年生まれ。東京都出身。専門は行動生態学、自然人類学。

野生のチンパンジー、イギリスのダマジカ、野生ヒツジ、スリランカのクジャクなどの研究を行ってきた。現在は人間の進化と適応の研究を行なっている。総合研究大学院大学学長。

イヌと暮らしたことにより、世界が一変。今や、イヌもヒトも魚も、子どもはすべて可愛い。

おもな著書に、『科学の目 科学のこころ』(岩波新書)、『進化とはなんだろうか』(岩波ジュニア新書)、『生き物をめぐる4つの「なぜ」』『ダーウィンの足跡を訪ねて』(ともに集英社新書)、『クジャクの雄はなぜ美しい?』(紀伊國屋書店)、『世界は美しくて不思議に満ちている:「共感」から考えるヒトの進化』(青土社)。

 

人、イヌと暮らすー進化、愛情、社会 (教養みらい選書)
長谷川 眞理子 (著)

イヌと暮らせば、
愛がある、
学びがある。
進化生物学者が、愛犬と暮らして学んだこと。

イヌは世界をどのように認識している?
イヌのそもそもの起源は?
どうしてイヌは可愛いの?
イヌを飼うことで私たちのコミュニティはどう変わる?

進化生物学者と心理学者の夫婦の家に、真っ白な可愛い子犬がやってきた。名前はキクマル。続いて、やんちゃな暴れん坊コギク、可愛いわがまま娘のマギー。
3頭3様、個性の違う彼らと一緒に暮らして考えたことをつづる、科学×愛犬エッセイ。

………………
ところが、5月24日に「生まれました」というメイルとともに写真が送られてきた。可愛い、白い子犬(雄)がうずくまっていた。それを見たとたん、私は一目惚れしてしまい、「もう、あかん」と夫にメイルした。すると、夫も「わいもや」という返事。こうしてあっという間に、スタンダード・プードルを飼うことになってしまったのである。
(本書より)

 


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