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『もっと良い方法はないか。』「世の中の役に立つことをすること。それ以外はやらないこと。」キーワードは「積小為大」

迫慎二さん著『もっと良い方法ははないか。』

迫慎二さん著『もっと良い方法ははないか。』

迫慎二さん著『もっと良い方法ははないか。』が、クロスメディア・パブリッシングより刊行されました。

激動の物流業界で50年以上の実績と基盤を持ちながら、スタートアップ企業のように新しいことにチャレンジし、30期連続増収を実現した企業の秘密と経営者の思考に迫ります。

 

激動の時代に必要な本質的な経営思考

エネルギーが変わり、技術が進化し、新しい道具が発明され、お店の形態が変わり、ショッピングも変わり、さらに急速にアナログからデジタルに、情報は瞬時に広域に伝わり、お金の在り方も変わる。

そんな令和という、激動の時代を私たちは生きています。

 
いま、目の前にある出来事、結果、そして感情はひとつとして同じでいられるものはありません。一寸先は闇です。

物流という仕事に丁寧に向き合い、「苦難の連続」を乗り越えてきた経営者の著者だからこそ伝えられる経営哲学があります。

 

「積小為大」――毎日の積み重ねが1%の可能性を無限大にする

「もう、だめだ。俺もこれまでか。」
目の前を空気の泡が浮いていくのを見るや否や、必死で手を伸ばしてなんとか呼吸をすべく、海水と一緒に空気を肺に入れた。だがそんな行為はほとんど効果がなかった。
「もう限界だ……。」
そう思った矢先、Yくんが戻ってきて、私を引っ張りあげてくれた。

 
これは本書の著者であり、株式会社ネストロジスティクスの代表取締役会長でもある迫慎二さんが、九死に一生を得たクルーザー事故の一幕です。

 
迫さんはこの事故をきっかけにして、経営者である前に自分は人であり、その在り方や考え方を振り返ると共に、本当に大切なものが何かを開眼したと言います。

株式会社ネストロジスティクスは広島県広島市にある物流企業。

同社は「もっと良い方法はないか。」という経営理念を掲げています。そして、「大きなことを為し遂げるのなら、なおさら小さなことを大切にやり続ける = 積小為大」をポリシーとして、30期連続で増収を実現し続けてきました。

 
「物流が止まれば、経済が止まる」という言葉からもわかるように、物流業界はあらゆる産業にとって大動脈の機能を持つと言われてきました。

 
そうした背景において、多くのメーカーや小売業界の各社は、この激動の時代を乗り越えるべく成長を志向して、業界の枠を超えるような複合的な進化を遂げつつあり、そのはざまに位置する物流業界は群雄割拠の時代を迎えています。

しかし、同社はこうした時代にあっても経営の軸が揺らぐことはなく、シンプルに「世の中の役に立つことをすること。それ以外はやらないこと。」という信念と「もっと良い方法はないか。」という理念を突き詰め続けます。

 
本書はこうした背景を踏まえつつ、広島県におけるローカル経営でありながら、30年間連続で増収という結果を出す株式会社ネストロジスティクスの秘密に迫ります。

 

本書の構成

はじめに

第1章 物流・運輸業界への私の想い
・夢と志のある企業に成長するために
・共に育つ「会社と人財」の成長が企業の両輪
・ネストは今、どこにいるのか
・流通革命は物流革命
・イノベーションの原点は自分自身にある
・いままでの固定観念を捨てる
・インダストリー4.0に挑戦する
・入り口は地味でもコツコツやって、出口はダイナミックに
・イノベーションはすでに起こっている
・試行錯誤しながらとにかく前へ

第2章 ちょっと違う運送屋を目指して
・“役に立たない”ことはやらないこと!
・家業としての運送屋
・厳しくても人情味のある世界
・「もっと良い会社にしてやる!」~家業から企業へ~
・先輩社員経営者から学ぶ
・社員とのギャップ
・主要取引先からの取引停止事件で開眼
・妻 幸子との結婚
・何を売る会社なのかを定義する
・“ちょっと違うこと”はここから始まった!?
・どこにフォーカスするか
・運送の効率化を目指して
・試行錯誤の共同物流会社
・バブル!地価と金利の駆け引き
・良い時も悪い時も続かないという考え方
・大きな渦の中でも自分たちを見失わない
・人との絆、繋がりが大切
・想いはひとつ。みんなで儲けよう、みんなで良くしよう

第3章 ネストと私の航海~世の中の役に立つことを目指して~
・社員たちと共に苦労を乗り越える
・母から受けたバトン
・もっと良い資金調達はないか
・人間万事、寒翁が馬
・海難事故~九死に一生を得る~
・身体障害者になって改めて「人を動かす」を考える
・積小為大の重要さを実感する
・毎日の積み重ねが不可能を可能にする
・これからは、「何を提供できるか」がポイント
・物流でなく物流サービスを提供していく
・ネストX(エックス)の取り組み
・ヨーロッパで起きていることは日本でも起きる
・物流業界は異業種業界
・備えあれば、憂いなし
・すぐできることでチャレンジしていく

第4章 自分たちが主役。ネストの人財づくり
・想いは実現する!その考え方が会社の繁栄へ繋がる
・日々コツコツと
・真っ白な状態から3年で一人前
・研修で全社的一体感を
・経営理念は信念、ネスト訓は道徳
・ネストの次世代を担うリーダー研修「夢志の巣塾」
・変化は自然の摂理
・世の中の役に立つことをすること
・どんな些細なことでも積小為大

第5章 世の中の役に立つ。ただ、それだけを考える企業として
・上場ありきじゃない・・・その意図
・やる気のある人間にはできるだけチャンスを与えたい
・“気づき”の多い集団へ
・気づく力=個性の発揮
・いろいろな人間といろいろな価値観を一つの方向へ
・可能性は、誰にでも等しく、そして無限大

おわりに

 

著者プロフィール

著者の迫慎二(さこ・しんじ)さんは、1963年生まれ。広島県出身。1983年に上村運送有限会社(現、株式会社ネストロジスティクス)入社。1991年、株式会社ネストを設立。2001年、株式会社ネストロジスティクス代表取締役に就任、現在に至る。

時代の変化と共に成長し続ける実践的な経営哲学「もっと良い方法はないか。」を掲げながら、「いつでもみんなの役に立つ」ことを信条として、常識に縛られない物流ソリューションの提供に尽力している。

1997年『日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会』に加入。2001年より同協同組合の理事、中国・四国地域本部本部長、副会長を経て、2017年、会長に就任。2014年に『公益財団法人広島県トラック協会広島支部』支部長に就任。2021年より同協会の副会長を務める。2012年、中国運輸局広島運輸支局長表彰を受賞。

 

もっと良い方法はないか。
迫 慎二 (著)

「世の中の役に立つことをすること。それ以外はやらないこと。」

いかにして世の中の役に立つか“だけ”を考え、イノベーションを起こすためにシンプルで本質的な「もっと良い方法」を模索して成長し続ける、広島のローカル企業の経営哲学。

 


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