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『働かないアリに意義がある』“働かないアリ”が社会の存続に必要な理由とは?

長谷川英祐さん著『働かないアリに意義がある』

長谷川英祐さん著『働かないアリに意義がある』

長谷川英祐さん著『働かないアリに意義がある』(ヤマケイ文庫)が、山と溪谷社より刊行されました。

 

ベストセラー『働かないアリに意義がある』が復刊!

 
ひろゆきさん(『1%の努力』著者)、推薦!
「“まだ俺が本気を出す時じゃない”という引きこもりが正しいことを証明した研究」

鎌田浩毅さん(解説より)
「生物社会の本質をわかりやすく解説した秀逸な啓発書。アリ社会が持つ精妙な組織を、きわめて誠実で地道な観察によって明らかにする。気が付くと最終章まで私は一気に読了した」

 
アリの巣を観察すると、いつも働いているアリがいる一方でほとんど働かないアリもいます。

働かないアリが存在するのはなぜなのか? ムシの社会で行われる協力、裏切り、出し抜き、悲喜こもごも――。コロニーと呼ばれる集団をつくり階層社会を営む「真社会性生物」の驚きの生態を、進化生物学者がヒトの社会にたとえながらわかりやすく、深く、面白く語ります。

ベストセラーの復刊文庫化にあたり、著者による新たな研究成果と、京都大学名誉教授・鎌田浩毅さんの解説を収録。

 
「今、役に立つものだけに投資しろ、と言う声はよく聞かれますが、それは滅亡への一本道です。40億年を生き抜いてきた生物たちが、効率より存続を優先しているということが、無駄の重要性をなにより物語ります。無駄こそ人間の証なり。」
(「著者あとがき」より)

 

本書の構成

序章 ヒトの社会、ムシの社会
「とかくこの世はすみにくい」/個体は社会から逃げられない/厄介者扱いされるオス/齟齬が生み出すユニークさ/ムシの社会を覗いてみれば

第1章 7割のアリは休んでる
アリは本当に働き者なのか/ハチの8の字ダンス/働かないことの意味/なぜ上司がいなくてうまく回るのか/アリに「職人」はないない/お馬鹿さんがいたほうが成功する/兵隊アリは戦わない

第2章 働かないアリはなぜ存在するのか
よく働くアリ、働かないアリ/怠け者は仕事の量で変身する/「2:8の法則」は本当か/遺伝で決まる腰の軽さ/ハチやアリにも過労死が/みんなが疲れると社会はまわらない

第3章 なんで他人のために働くの?
子を生まない働きアリの謎/わが子より妹がかわいくなる4分の3仮説/弟はいらない/美しすぎる理論のワナ/ヒトの滅私奉公/生き残るのは群か?血縁か?

第4章 自分がよければ
社会が回ると裏切り者が出る/本当に働かない裏切りアリ/他人の力を利用しろ/究極の利他主義、クローン生殖/最初にやった仕事が好き

第5章 「群れ」か「個」か、それが問題だ
庭のネコの生物学的見分け方/なぜ群れるのか/なぜ群れないのか/不完全な群体を超えて

終章 その進化はなんのため?
食べ始めたとき、進化した/自然選択説の限界/神への長い道/説明できないという誠実さ/いつも永遠の夏じゃなく

 

著者プロフィール

著者の長谷川英祐(はせがわ・えいすけ)さんは、進化生物学者。北海道大学大学院農学研究院准教授。動物生態学研究室所属。

1961年生まれ。大学時代から社会性昆虫を研究。卒業後、民間企業に5年間勤務したのち、東京都立大学大学院で生態学を学ぶ。主な研究分野は社会性の進化や、集団を作る動物の行動など。特に働かないハタラキアリの研究は大きく注目を集めた。研究は何より面白いことがいちばんと断言する。趣味は映画鑑賞(年間50~60本)。

主な著書に、本書のもとになった20万部超ベストセラー『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー新書)、『面白くて眠れなくなる生物学』(PHPエディターズ・グループ)などがある。

 

 


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