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『ニヒリズムとテクノロジー』ニーチェだったら、現代テクノロジーをどうみる?

ノーレン・ガーツさん著『ニヒリズムとテクノロジー』(訳:南沢篤花さん)

ノーレン・ガーツさん著『ニヒリズムとテクノロジー』(訳:南沢篤花さん)

ノーレン・ガーツさん著『ニヒリズムとテクノロジー』(訳:南沢篤花さん)が、翔泳社より刊行されました。

本書は、SNSや動画サービスなどを題材に、ニヒリズムの観点からテクノロジーと人間の関係について考察した、挑戦的「思想実験」の書です。

 

現代テクノロジーは、人を虚無(ニヒリズム)へ導くのか

テクノロジーは様々な問題を解決し、人間の生活を大きく変化させてきました。それとともに、私たちの生活はどんどんテクノロジーへ依存するようにもなっています。

本書は、オランダで応用哲学を研究するノーレン・ガーツさんが、ニーチェが分析したニヒリズムの観点から、テクノロジーと人間の関係を読み解いた一冊です。

 
著者は、FacebookやTwitter、YouTube、Netflix、Google、Uber、Pokemon GOなどの人気サービスや、その背景にあるARやVR、アルゴリズム、AIなどのテクノロジーが、どのように人を虚無(ニヒリズム)へ導くかを解説します。

テクノロジーへの批判的な視線から、人類がどのようにテクノロジーと共生していくべきなのか?を考えてみませんか。

 

あらゆる人のための、そして誰のためのものでもない1冊(本書まえがきより)

ニーチェが分析していたのはテクノロジーではなく、道徳や宗教とニヒリズムの関係だが、この分析はテクノロジーにも当てはまる。
私たちは、テクノロジーを通じて倫理的な目標を追求している。テクノロジーはユーザーの信仰を育み、ユーザーの献身を引き出している。こうした構図から、テクノロジーにニーチェの哲学・思想が当てはまると確信した。
もう少し一般化して言うと、ニーチェが問題視していたのは、「キリスト教道徳の世界」と、現代の「テクノロジーがモラルに影響を与える世界」に共通する「問題解決の思考」の中心にある、生を否定するニヒリズムなのである。

 
本書はニーチェの思想に対する新たな解釈を探るものではない。
人とテクノロジーの関係について、ニーチェの哲学をヒントに、その優れた批判的視点を養うことを目指したものだ。

 
この本は学術面でも文化面でも、対象とするグループを特定していない。
ニーチェ流に言うと、本書はあらゆる人のための、そして誰のためのものでもない1冊の書である。

 

本書の構成

第1章 ニーチェなら現代テクノロジーをどう見るか?

第2章 ニヒリズムとテクノロジーの関係

第3章 ハイデガーの技術論への反論とポスト現象学

第4章 ニヒリズムと「催眠」テクノロジー

第5章 ニヒリズムと「データドリブン」テクノロジー

第6章 ニヒリズムと「娯楽経済」テクノロジー

第7章 ニヒリズムと「畜群ネットワーク」テクノロジー

第8章 ニヒリズムと「狂乱」テクノロジー

第9章 神は死んだ グーグルも死んだ

 

著者プロフィール

著者のノーレン・ガーツ(Nolen Gertz)さんは、トゥエンテ大学 助教授(応用哲学)。4TU. Centre for Ethics and Technology(オランダ4大学の科学哲学分野の共同研究会)上級研究員。

著書に『The Philosophy of War and Exile』(2014年)がある(未邦訳)。『アトランティック』、『ワシントン・ポスト』、『ABC Australia』に研究記事掲載。ニヒリズムとテクノロジーの関係についての研究は、Twitter(@ethicistforhire)で発信している。

 

ニヒリズムとテクノロジー
ノーレン・ガーツ (著), 南沢 篤花 (翻訳)

ニーチェだったら、現代テクノロジーをどう見るだろう?
挑戦的「思想実験」の書が上陸

【本書の概要】
・ニヒリズムの観点から、テクノロジーと人間の関係を読み解く
・SNSや有名アプリ・サービスを題材に、人が「無」に向かう構図を解説
・現代の研究や調査、理論を反映、ニーチェの哲学が現代に通用することを示す

【人を虚無に導く企業やサービス】
Facebook, Twitter, Netflix, YouTube, Google,
Pokemon GO, Fitbit, Uber, Airbnb, Tinder, etc.

【対象読者】
・哲学的観点から現代テクノロジーとの向き合い方を考えたい人
・AIやアルゴリズムが人に与える影響が気になる人
・テクノロジーと自己の関係を見直し、批判的かつ楽観的な思考を得たい人

※哲学理論が登場します。不慣れな方は事前に目次や内容をご確認ください
※テクノロジーの専門知識は不要ですが、流行のアプリやサービスは知られているものとして扱っています

 


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