『隠居生活10年目 不安は9割捨てました』20代から隠居、社会・人間関係から離脱して10年――自分の世界を小さくして見えてきた心の平穏
大原扁理さん著『隠居生活10年目 不安は9割捨てました』が、大和書房より刊行されました。
コロナで今までの当たり前が大きく変わろうとしている
コロナで生活が大きく変化する中、人々の意識も、今まで当たり前としていた価値感も揺らぎ始めています。また非接触でも仕事が出来るツールが進化。多様な生き方・働き方も出来るようになりました。
行きたくない会社、嫌な仕事を無理してやる、それ本当に必要ですか?
身の丈に合った生活で本来の自分を取り戻す。自分自身を生きることの重要性が見つめ直されている。しかしやりたい事をすること、自分に正直に生きること、聞こえはいいが実際行動を起こせるのか。やりたい事をすることへの対価、また世間からとり残されるという不安を感じる人は多いはずです。
コロナ以前のはるか10年も前から、20代の若さで隠居を始めた大原扁理さん。今の時流の走りともいえる存在です。自身の経験に基づく“不安”との向き合い方や対処法などを本書にまとめました。
「自分自身を生きる」ことを諦めさせようとする社会
大原扁理さんが子どもの頃から抱いてきた“不安”は大まかに3つに分類されます。
◎自分が楽しいことを優先すると、親や先生に怒られるんじゃないか?
◎人と違うことをすると、クラスや社会で仲間外れにされるんじゃないか?
◎自分は人よりも能力が劣っているから、人並みに稼げず、生きていけないんじゃないか?
その結果として、
◎楽しいこと、好きなことをするのに罪悪感をおぼえる。やりたくないことはムリしてがんばる
◎自分の感情を黙殺。周りに合わせる
◎できない私がせっかく見つけた仕事なのだから、どんなにつらくても絶対に辞めてはいけない
…そんな風に先回りして行動を制限しているということに気付いたと書きます。
今はどうかというと、大原さんが若いころ感じていた不安は解決するどころか的中してしまいました。
◎(働かなさすぎて)世間から怒られる
◎(自分から率先して)仲間外れになっている
◎人生でいまだかつて年齢別平均年収を超えたためしがない
しかしそれでも大原さん自身は毎日ハッピーであるといいます。じゃあ“不安”って一体何なんでしょうか?
本書は人生をしんどくさせる「不安」にどんなふうに駆られてきて、それをどう見極め、取りのぞき、その後はどう付き合っているのかについて、自身の経験に基づいて書かれています。
幼少期から学生時代の親や学校、クラスメイトとの関りでいかにして不安になっていったのか。25歳、隠居生活に至るまで、不安な世界から離れてみたらどうなったのか。隠居生活に突入してから外の世界との関わりがどう変わっていったのか、そこで感じたことなどをレポート。
そして最後に、それらの体験を踏まえて、結局、不安って何だったのか、そして「いらない不安」を最小限にするために必要なことは何なのか?…について振り返ります。
本書の構成
第1章 こうして私は不安になった
親と不安/学校と不安/仕事と不安/不安なのは誰のせい?
第2章 不安な世界から離れてみる
不安な世界へようこそ/不安な世界から逃げる/逃げてみて、わかったこと/そのときは、何もわからなくていい
第3章 自分の世界をカスタマイズする
「自分を生きる」ために/自分を生きても大丈夫と上書きする/不安なあの人の気持ち/なるべくニュートラルでいる/個人的なこととしてとらえない/だんだん自分がなくなっていく/実用編 自分の世界をカスタマイズする/規範意識との付き合い方
第4章 もう一度、世界と関わる
同じ世界が違って見える/再び世界と関わりはじめて思うこと/言動に力を与える/世界の大きさを、自分で決める/ニュースとの付き合い方/自分の世界の最高決定者になる/不安をなるべく増やさないで生きる/社会の不安も増やさない
第5章 結局、不安って何だったのか
不安について改めて振り返る
著者プロフィール
著者の大原扁理(おおはら・へんり)さんは、1985年生まれ。愛知県出身。23歳で上京するも、働いても働いても余裕のない都市生活に嫌気がさし、郊外のアパートへ転居。25歳から東京で週休5日の隠居生活を始める。31歳で台湾に移住。
著書に『いま、台湾で隠居してます』(K&Bパブリッシャーズ)、『年収90万円で東京ハッピーライフ』(太田出版)、『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(百万年書房)がある。
★ブログ:https://ameblo.jp/oharahenri/
★Twitter(@oharahenri):https://twitter.com/oharahenri
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