『フィンランドの幸せメソッド SISU(シス)』厳しい状況で発揮されるしなやかな精神性、困難に立ち向かう勇敢さを育む
方丈社より2018年9月に刊行された、カトヤ・パンツァルさん著『フィンランドの幸せメソッド SISU(シス)』(訳:柳澤はるかさん)が、コロナ禍で売上を伸ばし、発売からまる2年がたった2020年9月に2刷重版となりました。
「幸せ大国」のシスに学ぶシンプルな生き方、折れない心のつくり方
2020年3月20日国際連合による世界幸福度調査により、フィンランドが3年連続で最も幸福度の高い国として選ばれました。
フィンランド人が幸せになるために、一番大切にしている伝統的な考え方がSISU(シス)です。SISUについては、2020年に入ってから注目が集まっており、『世界一受けたい授業』や『池上彰のニュースそうだったのか!!』など、様々な媒体で紹介されています。
SISUとはフィンランドの人々に古くから受け継がれる特別な精神力、いわば「フィンランド魂」です。厳しい状況で発揮されるしなやかな精神性、困難に立ち向かう勇敢さ、忍耐などを指す言葉です。そんな「折れない心」は日々の健やかな心身に宿るとされています。
以下に、『フィンランドの幸せメソッドSISU』の中からコロナ禍のいまに使える方法を3つ紹介します。
1.冷水治療
フィンランドではアイススイミングというものがあります。平均水温4度の冬の海に30秒から1分ほど浸かるのです。冷たい水に身体を浸すと幸せホルモンが分泌されます。
幸せホルモンの中には「身体の天然鎮痛剤」と呼ばれるエンドルフィンやセロトニン(感情のバランスを保つ働きがあります)・ドーパミン(脳の報酬・快感の中枢を制御する神経伝達物質で、運動や情緒反応を)・オキシトシン(別名・愛情ホルモン)が含まれます。また血液の循環が良くなり、カロリーが消費されて、免疫システムが向上します。
アイススイミングはできませんが、代わりに冷たい水のシャワーを15秒から30秒ほど浴びてみてはどうでしょう?
冷たい海水に浸かる効果の一部を得ることができます。ただし冷たいシャワーを浴びた後は暖かいシャワーを浴びましょう。
2.ネイチャーセラピー
自然はストレスや不安を軽減し、軽いうつ病を緩和するなど、様々な形で私たちを癒してくれます。STAY HOME!で、不要不急の外出は控えるべきですが、ソーシャルディスタンスを取りながら、自然のある公園を散歩するのは気分転換にもなり良いと思います。公園や緑地を15分ほど歩くだけでも効果があります。
また食料品など必需品を買いに行く際に、周囲の自然に目を向けると、心のもやもやから簡単に離れることができます。
3.自転車
多くの会社がリモートワークとなっていますが、どうしても出勤をしなくてはいけないという人は自転車で通勤してみてはどうでしょうか?
自転車で通勤すると車やバスの時と違い、外の世界に注意を向けるようになります。外出自粛でずっと家にいると運動不足になりがちですが、自転車で移動することで運動不足の解消にもなります。
また気分の落ち込みや、ストレスといったさまざまな悩みにも効果的です。さらに自転車で通勤することで、想像力を引き出し、脳の動きも活性化させます。
この他、フィンランドと言えば、サウナがあります。でもそれはコロナが落ち着いてから行きましょう!
シンプルな食事法、エクササイズ、レス・イズ・モアな暮らしなど、SISUを育む方法が本書ではたくさん紹介されています。
本書の構成
CHAPTER 1 北欧へ――気持ちの良い新生活に飛び込む
CHAPTER 2 「シス」を探して――「シス」のマインドセットを育てる
CHAPTER 3 冷水治療(コールドウォーター・キュア)??アイススイミングでうつ、ストレス、疲れが吹き飛ぶ?
CHAPTER 4 サウナの極意??健康と幸せをもたらす魔法のスチーム
CHAPTER 5 ネイチャー・セラピ――森林浴に秘められた力
CHAPTER 6 北欧の食事法――健康な身体をつくるシンプルで実用的なアプローチ
CHAPTER 7 フィンランド流の子育て――幼児期から「シス」を育む
CHAPTER 8 自転車と幸せの方程式
CHAPTER 9 「身体を動かす」が薬の代わり
CHAPTER 10 北欧のミニマリズム――シンプルで持続可能な暮らしをつくる
著者プロフィール
■著者:カトヤ・パンツァル(Katja Pantzar)さん
フィンランドの作家、編集者、放送ジャーナリスト。フィンランド生まれ。その後カナダで育ち、キャリアを積む。
メディアのハードな仕事や過剰な消費生活から抜け出し、10年以上前に両親の故郷であるフィンランドへ移住。首都ヘルシンキでの暮らしを続け、1年を通して毎日海で泳ぐことを日課にしている。
自らの心身に健康をもたらした「シス」(フィンランドのメンタルメソッド)をテーマにした本書(FINDING SISU)は、フィンランド国外で出版された初の著書。「生き方を見直す実践的良書」として19ヶ国で翻訳されるなど、大きな反響を呼ぶ。
■訳:柳澤はるか(やなぎさわ・はるか)さん
1985年生まれ、東京大学文学部卒業。人材育成の仕事をしていた会社員時代、偶然訪れた北欧の国々にシンパシーを覚えたのをきっかけに北欧文化を研究しはじめ、ライターに転身、後に翻訳も手がけるようになる。
ライターとしては働き方、ジェンダー、文化、 教育、コミュニケーションなどのテーマで、日本と北欧、双方について記事を執筆。
翻訳書に『マッティは今日も憂鬱 フィンランド人の不思議』『マッティ、旅に出る。 やっぱり今日も憂鬱』(ともに方丈社)がある。
フィンランドの幸せメソッド SISU(シス) カトヤ・パンツァル (著), 柳澤はるか (翻訳) フィンランドが世界一幸せな国である秘訣はSISU(シス)にある。 厳しい環境の中でも勇気・忍耐・自然体を忘れない、いわばフィンランド魂。 |
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