気になる本、おススメの本を紹介

B O O K P O O H

『宗教改革者 教養講座「日蓮とルター」』なぜ、日蓮とルターは影響力を持ち続けるのか?

佐藤優さん著『宗教改革者 教養講座「日蓮とルター」』

佐藤優さん著『宗教改革者 教養講座「日蓮とルター」』

佐藤優さん著『宗教改革者 教養講座「日蓮とルター」』(角川新書)が、KADOKAWAより刊行されました。

 

なぜ彼らは影響力を持ち続けるのか?史上、異色の変革者の“力”を徹底分析

現代は危機の時代です。しかし、それは改造、革新、革命といった、人を動かす(時に人を殺しうる程の)思想が生まれる契機ともなります。

 
日蓮とルター ―― 東西の宗教改革の重要人物にして、誕生した当初から力を持ち、未だ受容されている思想書(『立正安国論』と『キリスト者の自由』)を著した者たち。

なぜ彼らの思想は古典になり、影響を与え続けるのか?
その力の源泉と、改革の先にある平和構築の鍵までを佐藤優さんが解き明かします。

 
◎ルターを尊敬していたのはヒトラーだった。
◎仏教にもテロリズム思想との親和性がある。
◎シオニズムは共産主義思想と同じ場所から生まれた。

……など、優れた宗教思想には常に両義性があります。

変革の古典思想にして、未だ影響を与える二人の宗教改革者の“毒にも薬にもなる思想”から、この乱世に“平和”はどうすれば創れるのかを考察しています。

 
※本書は2018年6月にKADOKAWAより刊行された『「日本」論 東西の“革命児”から考える』を改題の上、加筆修正したものです。

 

本書の構成

新書版まえがき

まえがき

第一講 東と西の革命児
「宗教改革」と「信仰分裂」/シオニズムは共産主義思想と同じ場所から生まれた/イスラエルと全世界のユダヤ人に対するメッセージ/クリスチャン・シオニズム/内村鑑三には日蓮的なものがある/江戸 時代の「鎖国」は反カトリシズムだった/創価学会インターナショナルの無視出来ない影響力/点と線の意味づけによって複数の歴史が生じる/実証は出来ないが教義的には真正なもの/AI社会になればなるほど倫理の問題に直面する/宗教学と神学は仲が悪い/定量的なデータと人間の受け止め方の違い/上原専禄は「死者との連帯」を考えた/一生を東大攻撃に尽くした蓑田胸喜/『国体の本義』を書いた男/危機の時代に立ち返るべき人 etc.

第二講 改革と革新の源流
『立正安国論』の解説が難しくなるのには理由がある/仏教とテロリズムの思想の親和性/日本は内ゲバで相手を殺す傾向が強い/『立正安国論』は「下降史観」で始まる/信仰をめぐる全実存をかけた戦いはある/池田大作の解説と森友学園問題/免罪符は『闇金ウシジマくん Part3』の手口と同じだ/ルターを尊敬していたのはヒトラーだった/ルターの特徴は此岸的であること/映画『沈黙―サイレンス―』をプロテスタント的に語る/宗教は似ているところほど、どこも面倒である/ルターの教えと「ルター派」は違う/キリスト教の「教祖」はイエス、キリスト教の「開祖」はパウロ/未完の思想に苦悶は表れている/宗教改革は過去の歴史ではなく今も生きている/浄土真宗はプロテスタント的というよりもカトリック的/宗教を正確に見なければ、現実の政治と社会の動きは見えてこない

第三講 日本と革命
戦争の危機がかなり近づいている/東洋の革命は「易姓」/西洋の革命は「契約の更新」/日本で「革命」はあった/プロテスタンティズムは「他力即自力」/自分の「行為」を誇ることは「信仰」を失うことである/プロテスタント教会に「聖職者」がいない理由/『立正安国論』の問答形式に注目する/「先ず国家を祈って、須らく仏法を立つべし」を解釈する/「鬼神」はいつの時代にも暗躍している/行為の天井を設ける/「悪」のリアリティ/「此岸」によって「彼岸」を吸収していく/「隣人」とは具体的なものである/ルターも日蓮もテキストの重要性を強調する/為政者を感化する方向性/来世を重視する思想はテロリストが扱いやすい/優れた宗教思想には常に両義性がある etc.

あとがき
主要参考文献

 

著者プロフィール

著者の佐藤優(さとう・まさる)さんは、1960年、東京都生まれ。作家・元外務省主任分析官。

1985年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官として、対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、以後東京拘置所に512日間勾留される。2009年、最高裁で上告棄却、有罪が確定し、外務省を失職。

2005年に発表した『国家の罠』(新潮文庫)で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌2006年には『自壊する帝国』(新潮文庫)で第5回新潮ドキュメント賞、2007年に第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

『獄中記』(岩波現代文庫)、『宗教改革の物語』(角川ソフィア文庫)、『帝国の時代をどう生きるか』『国家の攻防/興亡』『『資本論』の核心』『日露外交』『勉強法』『思考法』『イスラエルとユダヤ人』(角川新書)、『復権するマルクス』(的場昭弘さんとの共著/角川新書)、『宗教の現在地』(池上彰さんとの共著/角川新書)など著書多数。

 

宗教改革者 教養講座「日蓮とルター」 (角川新書)
佐藤 優 (著)

佐藤優にしかできない、宗教講義!!
なぜ、彼らは影響力を持ち続けるのか?
史上、異色の変革者。その時代を動かした“力”を徹底分析!!

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です