【第八回日本翻訳大賞】『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』と『星の時』が受賞

第八回日本翻訳大賞が決定!
日本翻訳大賞実行委員会は5月17日、第八回日本翻訳大賞の受賞作を発表しました。
第八回日本翻訳大賞が決定!
第八回日本翻訳大賞の選考会が5月15日に開催され、次の通り受賞作品が決定しました。
<第八回日本翻訳大賞 受賞作品
◎監訳:姜信子さん、訳:一文字辞典翻訳委員会(李和静さん、佐藤里愛さん、申樹浩さん、田畑智子さん、永妻由香里さん、邊昌世さん、バーチ美和さん、松原佳澄さん)/著:キム・ソヨンさん
『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(CUON)
◎訳:福嶋伸洋さん/著:クラリッセ・リスペクトルさん
『星の時』(河出書房新社)
選考委員は、岸本佐知子さん、斎藤真理子さん、柴田元幸さん、西崎憲さん、松永美穂さん。授賞式は6月頃に開催され、受賞者の朗読や選考委員とのトークなどの企画が予定されています。
なお、今回の最終候補作は以下の5作品でした。
【第八回日本翻訳大賞 最終候補作】
◎『赤い魚の夫婦』(訳:宇野和美さん、著:グアダルーペ・ネッテルさん/現代書館)
◎『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(監訳:姜信子さん、訳:一文字辞典翻訳委員会、著:キム・ソヨンさん/CUON)
◎『地上で僕らはつかの間きらめく』(訳:木原善彦さん、著:オーシャン・ヴオンさん/新潮社)
◎『パッセンジャー』(訳:杉山直子さん、著:リサ・ラッツさん/小鳥遊書房)
◎『星の時』(訳:福嶋伸洋さん、著:クラリッセ・リスペクトルさん/河出書房新社)
日本翻訳大賞について
日本翻訳大賞は、「翻訳家がつくる翻訳賞」です。2014年、「読者と翻訳者のために、もっと開かれた翻訳の賞をつくりたい」という翻訳家・西崎憲さんのつぶやきに、ゲームクリエイターの米光一成さんが賛同したことがきっかけとなり、設立されました。
12月1日~翌年の12月末までの13ヶ月間に発表された翻訳作品中、最も賞讃したいものに贈られます。ただし、再刊、復刊は対象外。また、選考委員が翻訳した物、翻訳に協力した物、解説・帯の推薦文等を書いた物も対象外となります。
1次選考では、ウェブ上で一般読者の推薦を仰ぎます。一人1冊の推薦が可能で、推薦書籍の中から上位10冊を選出。選考委員もそれぞれが無記名で1冊ずつ推薦本をあげます。それらを2次選考で選考委員が吟味のうえ投票し、5冊に絞り込みます。そして、最終選考では5作品を全員で討議のうえ、大賞を決定します。大賞は1作品(または2作品)。受賞作なしもあり得ます。
詩人キム・ソヨン 一文字の辞典 キム・ソヨン (著), 姜信子 (監修, 編集), 一文字辞典翻訳委員会 (翻訳) 人は誰も自分だけの人生という言葉の辞典を持つ 詩人キム・ソヨンがハングル一文字の言葉を通して 「読んだ人がニヤッと笑ってくれたら嬉しいなと思っていた。うなずきながらページの余白に自分なりのまた別のニュアンスを書き込んでくれたらいいなとも思っていた。そうして私が書き記した定義と?読者の手書きの定義が同じページに一緒に並んでいたら素敵だなと思っていた。 |
星の時 クラリッセ・リスペクトル (著), 福嶋伸洋 (翻訳) 地方からリオのスラム街にやってきた、コーラとホットドッグが好きな天涯孤独のタイピストは、自分が不幸であることを知らなかった??。「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」による、ある女への大いなる祈りの物語。 23言語で翻訳、世界的再評価の進む20世紀の巨匠が生んだ奇跡の文学。 「20世紀のもっとも謎めいた作家のひとり」(オルハン・パムク) 荒野からやってきた北東部の女・マカベーアの人生を語る、作家のロドリーゴ・S・M。リオのスラム街でタイピストとして暮らし、映画スターに憧れ、コカコーラとホットドッグが好きで、「不幸であることを知らない」ひとりの女の物語は、栄光の瞬間へと導かれてゆく――。 |
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▼第八回日本翻訳大賞 受賞作決定 | 日本翻訳大賞 公式HP
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