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角田光代さんが帝国ホテルを舞台に描くショートショート集『あなたを待ついくつもの部屋』が刊行

角田光代さんが全国3か所の帝国ホテルを舞台に描くショートショート集『あなたを待ついくつもの部屋』が文藝春秋 より刊行されました。

 

母に教わった「バーの味」、夫婦で訪れた憧れの上高地……全国3か所の帝国ホテルを舞台に織りなす、めくるめく部屋の物語

本書は、帝国ホテル発行の会報誌「IMPERIAL」で11年間にわたって連載された、42編のショートショートを一冊に纏めたものです。

幻想的な夢の世界を描くものもあれば、現実の夫婦を描いたものもあり、また過去と現在を行き来して語るものも。42編すべて趣向の違う、角田光代さんの幅の広さがうかがえる短編集です。
1話5ページで読める短い文章量ながら、じんわりと心が温まり、時には泣け、時には笑えるストーリーが詰まっています。

 
<収録作>

クロークに預けたままの、亡夫の荷物。夫の秘密がそこにあるのか――開いた鍵の先に、妻が見たものは……。
「秘密を解く鍵」

半年に一度しか会えない小学校6年生の娘。連れだってブフェに行くも、娘はなかなかマスクを外さない……。
「父と娘の小旅行」

窓から射しこむ朝の光、錆びた流し台にしたたる水滴の音――ホテルで眠る夜、どこかで出会った部屋たちの夢をみる……。
「あなたを待ついくつもの部屋」(表題作)

他、全42編

 

著者プロフィール

角田光代(かくた・みつよ)さんは、1967年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学第一文学部卒業。1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。

1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、1998年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、1999年『キッドナップ・ツアー』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年に路傍の石文学賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞、2006年「ロック母」で川端康成文学賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、2021年『源氏物語』(全3巻)訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞。

著者に『三月の招待状』『森に眠る魚』『くまちゃん』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』『タラント』『物語の海を泳いで』『明日も一日きみを見てる』『ゆうべの食卓』『方舟を燃やす』など多数。

 

 


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