角田光代さんが様々な人生のひとコマを「食卓」というキーワードで紡いだ『ゆうべの食卓』が刊行
雑誌『オレンジページ』連載の短編小説を単行本化した、角田光代さん著『ゆうべの食卓』がオレンジページより刊行されました。
ひとりの、二人の、家族の、ささやかであたたかい11の食卓の記憶
食やライフスタイルにまつわる本を出版してきた株式会社オレンジページが、さまざまな人生のひとコマを「食卓」というキーワードで紡いだ、直木賞作家・角田光代さんの短編集『ゆうべの食卓』を発売しました。
人気作家・角田光代さんによる短編小説の連載「ゆうべの食卓」が雑誌『オレンジページ』で始まったのは2020年6月。月2回発行に合わせてストーリーを上下に分け、3か月おなじ登場人物で進行し、時に視点を替えて展開する形式の連載でした。
掲載号で特集した季節の食材や調理法が作中に使われているのも、たのしい仕掛けのひとつ。小説と雑誌がリンクする連載誌面ならではの試みでした。
単行本化にあたっては新たに書き下ろしの1章を加え、登場人物ごとに3章からなる11の短編にまとめています。新型コロナに翻弄されながら離婚を決意する女性、恋人にふられたのをきっかけに料理に目覚めるサラリーマン、実家を売却することになったきょうだいなど、異なった境遇の主人公たちが、それぞれ調え囲む食卓の風景を通じて、食事をたのしむことのかけがえのなさが鮮やかに描き出されます。
~本書「ようこそ料理界へ(料理界、それすなわち……)」の章より~
「食べたい料理は腹を満たす、
作りたい料理は心を満たす」
本書の目次
明日の家族
パパ飯ママ飯
グラタンバトン
それぞれの夢
はじめての引っ越し
充足のすきま
彼女のレシピブック
ようこそ料理界へ
だいじなのは基本の調味料
私の無敵な妹
私たちのちいさな歴史
あとがき
※本書は『オレンジページ』2020年7月2日号~2023年2月17日号に掲載された「ゆうべの食卓」に、新たな原稿を加え、再構成したものです。
著者プロフィール
著者の角田光代(かくた・みつよ)さんは、1967年生まれ、神奈川県出身。1990年『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞、2006年「ロック母」で川端康成文学賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、2021年2021年『源氏物語』訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞。
『タラント』『晴れの日散歩』『坂の途中の家』『今日も一日きみを見てた』『明日も一日きみを見てる』ほか、著書多数。
ゆうべの食卓 角田 光代 (著) 2020年6月から『オレンジページ』に掲載された「ゆうべの食卓」。新型コロナに翻弄されながら離婚を決意する女性。恋人にふられたのをきっかけに料理に目覚めるサラリーマン。実家を売却することになった兄弟のささやかな宴会。さまざまな人生のひとコマを「食卓」というキーワードで紡いだ、直木賞作家・角田光代氏の短編集。 |
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