角田光代さんが「信じる」ことの意味を問う『方舟を燃やす』が刊行

角田光代さん著『方舟を燃やす』(新潮社)
オカルト、宗教、デマ、フェイクニュース、SNS――誰もが何かを信じたいこの世界で、「信じる」ことの意味を問う、角田光代さんの長篇小説『方舟を燃やす』が新潮社より刊行されました。
オカルト、宗教、デマ、フェイクニュース、SNS。あなたは何を信じていますか?
ノストラダムスの大予言やコックリさんなどの都市伝説から三歳児神話、医療健康系の誤情報や、カルト宗教、SNSでのデマや噂話、ゴシップネタにフェイクニュースなど、私たちは巷にあふれるたくさんの情報に常に触れて生きています。
角田光代さんの『方舟を燃やす』は、昭和からコロナ禍までをひたむきに生きた飛馬と不三子という二人を描くことで、人は何故何かを信じてしまうのか、「信じる」ことの意味を私たちに深く問う、今の時代だからこそ読むべき物語です。
【あらすじ】
オカルト、宗教、デマ、フェイクニュース、SNS。あなたは何を信じていますか?
口さけ女はいなかった。恐怖の大王は来なかった。噂はぜんぶデマだった。一方で大災害が町を破壊し、疫病が流行し、今も戦争が起き続けている。何でもいいから何かを信じないと、今日をやり過ごすことが出来ないよ――。飛馬と不三子、縁もゆかりもなかった二人の昭和平成コロナ禍を描き、「信じる」ことの意味を問いかける傑作長篇。
著者からのメッセージ
デマにだまされる人を書きたいと思ってはじめた連載ですが、気がついたら、だまされる人ではなくて、真剣に何かを信じる人たちを書いていました。だまされることより、信じることに、私は強い興味があるのだと、それで気づきました。

角田光代さん
著者プロフィール
角田光代(かくた・みつよ)さんは、1967年生まれ、神奈川県出身。1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。
1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞、2006年「ロック母」で川端康成文学賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、2021年『源氏物語』(全3巻)訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞。
著書に『キッドナップ・ツアー』『くまちゃん』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』『タラント』他エッセイなど多数。
![]() | 方舟を燃やす 角田 光代 (著) |
【関連】
▼試し読み | 角田光代 『方舟を燃やす』 | 新潮社
◆石田夏穂さん〈ボディ・メイキング〉小説『ミスター・チームリーダー』が刊行 | 本のページ
◆直木賞作家・千早茜さんが紡ぐ、10の夜の物語『眠れない夜のために』が刊行 挿絵は西淑さん | 本のページ
◆待川匙さん「第61回文藝賞」受賞作『光のそこで白くねむる』が刊行 | 本のページ
◆旬の商品に群がり稼ぐ「転売ヤー」の現場に密着! 奥窪優木さん『転売ヤー 闇の経済学』が刊行 | 本のページ