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句点「。」で言い切る話し方、していませんか? 尹雄大さん『句点。に気をつけろ』が刊行

句点「。」で言い切る、テキストのように収まりのいい言葉を口にすることで失うものとは何かを考え、自分の言葉を掘り起こすヒントを探る、尹雄大さん著『句点。に気をつけろ 「自分の言葉」を見失ったあなたへ』が光文社より刊行されました。

以前、「LINEで句点を使うと冷たい印象になる」という記事が話題になりましたが、本書では、また別の視点から句点の是非を考えます。

 

言い淀んだり、つっかえたり、冗長だったりでいいんだ。

論理的・効率的に話すことがよいとされる中、著者の尹雄大(ゆん・うんで)さんは「まとまらない言葉の中にこそ本当に伝えたいことがある」と説きます。

 
わかりやすく話そうとすると、文を的確に句点「。」で区切る収まりのよい話し方になりますが、本当はその「。」の先に圧倒的なディテールがあり、そこにこそ自身への問いや深い思考へのヒントが隠されているのです。

インタビューを生業としている著者だからこそわかる、「。」の先を見つける話し方、聞き方を考える一冊です。

 
“身体の奥底から湧いてくる言葉は口から出るまでに時間がかかる。曲がりくねった道を通ってようやく言葉になる。人それぞれタイムラインがあるはずだ。”
――「まえがき」より

 
“「なんて言っていいかわからない」ことをわからないままに話し切るのは大事だし、最後まで話すことができたらすごいことだと思っている。なぜかと言えば、その人はその人の言葉を貫いたから。”
――第一章「誰もがテキストのような言葉を話し出している」より

 

本書の構成

第一章 滑らかに話せてしまうという罠
誰もがテキストのような言葉を話し出している
なぜ「筋肉は裏切らない」と思えるのか~意識的なコントロールだらけの日常
リラックスできない深い身体の緊張
意識的から「なんとなく気になる」へ、「動かす」から「動く」へ

第二章 辻褄が合わなくてもいい
効率よく話せば、本当の思いは伝わるのか
もどかしいままを口にする
アイヌのおじさんの話
屈曲した冗長な話に秘められた思い

第三章 感情を口にすることがもたらす力
共感が大事だと言われる理由
滑らかになりようがない記憶
リアルな悲しみと怒りは幻想かもしれない
自分をフェアに扱う

第四章 自己肯定感はいらない
自己肯定感というスローガン
肯定感から肯定へ
否定がもたらすパワー
コンセプトという衣服を脱ぐ

第五章 私たちが自分自身であるとき何が起きるのか
閉じるべきときと開くべきときがわかる
自立に向けた状態
時間を緩める
自分との対話~すべての時間が反転するとき

 

著者プロフィール

尹雄大(ゆん・うんで)さんは、インタビュアー・作家。1970年生まれ、神戸市出身。政財界人やアスリート、研究者、芸能人、アーティスト、アウトローなど約1000人にインタビューを行ってきた。その経験を活かし、2017年からインタビューセッションや講座を開催している。

主な著書に『さよなら、男社会』(亜紀書房)、『異聞風土記』(晶文社)、『モヤモヤの正体』(ミシマ社)、『脇道にそれる』、『やわらかな言葉と体のレッスン』(ともに春秋社)、『体の知性を取り戻す』(講談社現代新書)、『FLOW』(冬弓舎)、『聞くこと、話すこと。』(大和書房)などがある。

 

句点。に気をつけろ 「自分の言葉」を見失ったあなたへ
尹雄大 (著)

論理的・効率的に話すことがよいとされる中、著者は「まとまらない言葉の中にこそ本当に伝えたいことがある」と説く。わかりやすく話そうとすると、文を的確に句点「。」で区切る収まりのよい話し方になるが、本当はその「。」の先に圧倒的なディテールがあり、そこにこそ自身への問いや深い思考へのヒントが隠されている。インタビューを生業としている著者だからこそわかる、「。」の先を見つける話し方、聞き方をさぐる。

 


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