髙森美由紀さん〈心温まる家族の物語〉『小田くん家は南部せんべい店』が刊行
青森県を舞台とした、心温まる家族の物語、髙森美由紀さん書き下ろし長編小説『小田くん家は南部せんべい店』が徳間書店より刊行されました。
ずっと続いて きたものには、何かあるんだ――「さあ、焼くぞ。大切な人のために、そして自分のために」
【あらすじ】
ひと口かじると涙がほろり
あなたの心を優しく癒すぽかぽか家族小説
青森県の片田舎にある「小田せんべい店」。
小学四年生の弘毅は嫌だった。課外授業でクラスのみんなが家に来ることになったのだ。
南部せんべいなんか、バカにされるに決まってる。
しかし当日、不登校の同級生・潤が来たことで弘毅は南部せんべいを焼くことになり……。
六十九年間せんべい一筋の祖父・よっしーを始め、家族みんなに見守られて弘毅は少しずつ大人になっていく。
<絶賛の声続々!>
「幸せとはこういう日常が続いていく事なのかもしれない」
(有隣堂町田モディ店 原田明美さん)
「伝統の南部せんべい店を営む 一家の心優しい人間ドラマに、全身がぽかぽかと温かくなりました。」
(紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん)
「家族のこと、友達のこと、生死や、家業のこと。それらを見つめ、考え、少しずつ自分なりに気付き成長していく弘毅の姿に、大人の私も新鮮な気持ちを取り戻していくようでした。」
(東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美さん)
「激動の日本を優しく癒してくれる格好の特効薬になるのかも。」
(テレビ東京 深谷守さん)
著者コメント
青森県の片田舎で南部せんべい店を営む6人家族の物語です。主人公は、小学4年生の小田弘毅。偏屈な子です。もう一人の主人公はその祖父よっしー。弘毅に輪をかけて偏屈です。南部せんべいは、青森県南部から岩手県にかけて昔から食べ続けられてきました。
今ではピーナツやゴマを混ぜ込んだり、クッキーっぽく焼いたりしていますが、基本は、塩と小麦粉と重曹のみの素朴で真っ白な塩味のせんべいです。飽きがきません。鉄型にはさんでサクサクに焼き上げます。特徴的なのが耳。型からはみ出た部分を耳と呼び、地元では人気があります。
南部せんべいのように飽きがこずにいつまでも続いていきそうな小田せんべい店の泣いたり笑ったりの日常。一つの家族の在り方と、伝統食の行く末、友情、少年の健やかな成長を見守っていただけましたら幸いです。
――髙森美由紀
著者プロフィール
髙森美由紀(たかもり・みゆき)さんは、青森県出身・在住。2014年『ジャパン・ディグニティ』で第1回暮らしの小説大賞を受賞。2023年に「バカ塗りの娘」として映画化される。
主な作品に「みとりし」シリーズ(産業編集センター)、『山の上のランチタイム』『山のふもとのブレイクタイム』『藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房』(中央公論新社)などがある。
小田くん家は南部せんべい店 髙森美由紀 (著) |
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