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【2023年度JRA賞馬事文化賞】岡田敦さん『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』が受賞

日本中央競馬会(JRA)は、馬事文化の発展に特に顕著な功績のあった者に贈る「2023年度JRA賞馬事文化賞」の受賞者・受賞作品を発表しました。

 

2023年度JRA賞馬事文化賞が決定!

2023年度JRA賞馬事文化賞は、2022年11月から2023年10月末までの1年間に出版・制作等された作品が対象となり、2023年12月と2024年1月に行われた選考委員会を経て、次の通り受賞者・受賞作品を決定しました。

 
<2023年度JRA賞馬事文化賞 受賞者・受賞作品>

岡田敦(おかだ・あつし)さん
『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』(インプレス)

 
受賞した岡田敦さんは、1979年生まれ、北海道出身。2003年、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。2008年、東京工芸大学大学院芸術学研究科博士後期課程にて博士号(芸術学)を取得。同年、“写真界の芥川賞”とも称される木村伊兵衛写真賞を受賞。その他、北海道文化奨励賞、東川賞特別作家賞、富士フォトサロン新人賞などを受賞。主な写真集に『I am』(赤々舎/2007年)、『ataraxia』(青幻舎/2010年)、『世界』(赤々舎/2012年)、『MOTHER』(柏艪舎/2014年)、『安田章大写真集 LIFE IS』(マガジンハウス/2020年)など。作品は北海道立近代美術館、川崎市市民ミュージアム、東川町文化ギャラリーなどにパブリックコレクションされています。

 
選考委員は、相澤正彦さん(成城大学教授)、梯久美子さん(ノンフィクション作家)、小長谷有紀さん(国立民族学博物館名誉教授)、小林善一郎さん(元馬事文化財団理事長)、末崎真澄さん(元馬事文化財団理事)、坂東賢治さん(毎日新聞社論説室特別編集委員)、本村凌二さん(東京大学名誉教授)、山本容子さん(銅版画家)・

 
※受賞理由、受賞者のコメントなど詳細は、https://www.jra.go.jp/news/202401/010904.html をご覧ください。

 

JRA賞馬事文化賞について

JRA賞馬事文化賞は、文学、評論、美術、映画、音楽、写真、公演等を通じ馬事文化の発展に特に顕著な功績のあった者に授与される文化賞です。日本中央競馬会(JRA)が、1987年に創設。

該当年の前年11月から該当年の10月末までの1年間に出版・制作等された馬・馬事に関する文化作品を対象とします。

 

現代のロスト・ワールド、ユルリ島をめぐる冒険の記録『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』について

北海道本島の東端、オホーツク海と太平洋に面した根室半島。昆布盛から距離にして約2.6㎞、海面上に円盤の形をした横に平べったい島影がユルリ島です。

 
かつては昆布を採集する漁師の住居や番屋が建っていましたが、家畜の馬を残して最後の島民がユルリを離れたのが半世紀前。その後、近親交配の乱れをなくすために、5年程度ごとに種馬が島に運ばれ、最盛期には30頭もの馬が暮らしていました。しかし、その数は減り続け、今では数頭だけが暮らすだけになっています。

 
この土地の固有の自然を守るために上陸が厳しく制限された島の情景はまるで小説『ロスト・ワールド』の世界を彷彿させるようでもあります。その島を2011年から撮り続けてきたのが写真家の岡田敦さん。消えてゆくものたちを見つめ、何を守り、後世に伝えてゆくのか。岡田さんの美しい写真と文章で幻の島と呼ばれる、ユルリの歴史と今を紹介します。

 

エピタフ  幻の島、ユルリの光跡
岡田 敦 (著), 星野智之 (その他)

 
【関連】
2023年度JRA賞馬事文化賞の決定 JRA

 


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