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いま、ニュースに求められるものは何か? 世界的ベストセラー『ジャーナリストの条件 時代を超える10の原則』が刊行

アメリカで20万部以上売れ、25を超える言語に翻訳された世界的ベストセラー、ビル・コバッチさん&トム・ローゼンスティールさん著『ジャーナリストの条件 時代を超える10の原則』(訳:澤康臣さん)が新潮社より刊行されました。

インターネットやSNS上にデマや誤情報が氾濫し、権力者が都合の悪い情報を「フェイクニュース」と批判する時代に、私たちはどうやって情報を見極め、事実に辿り着けばいいのか。そして自らが情報発信する際には、何に気を付ければいいのか。このような時代に必要な心構えと技法を磨き上げた話題作です。

 

ニュースがひしめき合う時代に、いかに裏付けを取り、どう伝えるか

新聞を読む人やテレビを見る人が減り、マスメディアの影響力が落ちる一方で、インターネットやSNSでの情報発信は増え、存在感が強まっています。

 
しかしネット上ではデマや誤情報も急増、SNSでは人々の対立や分断も激しくなっています。一体なぜそうなってしまったのでしょうか。はたしてこのままで大丈夫なのでしょうか。

 
優秀なジャーナリストであり、研究者でもある著者らは、こうした状況に危機感を抱き、数百人の記者や編集者に取材を重ね、学者や研究機関との共同研究も実施。ネットとSNSの時代にジャーナリズムが果たすべき役割があるとしたら何なのかを突き詰めていきます。

 
本書ではジャーナリズムの本質を「10の原則」にまとめて提示するほか、

◎SNS、広告、ジャーナリズムは何が違うのか
◎ネット上の誤情報や偽情報にどう向き合うか
◎何を報じて、何を報じないかを決める基準とは
◎バランスをとった「両論併記」はなぜ問題なのか
◎中立と客観性は何が違うのか
◎私たちが扱う「真実」とは何か
◎ジャーナリストに意見や価値観は必要か

…など、情報発信する人が日々直面する悩みや迷いについて具体的な答えも示します。訳者は日本における調査報道の第一人者、澤康臣さんです。

 
<宇野重規さん、塩田武士さんからの推薦コメント>

ジャーナリズムと民主主義は「ともに栄え、ともに滅びる」。立ち戻る指針がここにある。
――宇野重規さん(東京大学教授)

本書は一億層記者時代の最重要テキストだ。ジャーナリストだけでなく、マスメディアに疑問を持つ全ての人に読んでもらいたい。
――塩田武士さん(小説家)

 

本書の構成

ジャーナリストはどこにいるのか[訳者]

第四版へのまえがき

序章

第1章 ジャーナリズムは何のために
知る本能/ジャーナリズムの誕生/ネットワーク時代と報道の自由/組織的な協働情報分析としてのジャーナリズム/ジャーナリストの民主主義理論/結び合う人々の理論/新しい課題

第2章 真実―最も大切で最も分かりにくい原則
事実らしさか真実か/ジャーナリズムにおける真実/真実を知る必須の手順――事実の確認/真実を超える新規範がジャーナリズムに生まれるのか

第3章 ジャーナリストは誰がために働く
独立が孤立に/分断からの反転/市民は顧客か/壁/独立への五つの鍵

第4章 事実を確認するジャーナリズム
失われた客観性の意味/客観性か、道徳の明確さか/客観的方法、その現場と実務/断言ジャーナリズムvs事実確認ジャーナリズム/ニュースは「私に示してくれ」の時代――「私を信じなさい」の時代ではない/客観的方法を使うジャーナリズムの実際/誤情報に対処する――その技術/偏り/事実確認のテクニック

第5章 党派からの独立
心の独立/独立性の進化/再評価される独立性/透明性と独立性と欺瞞/独立性と、階級や経済状況/多様性とジャーナリズムの独立性/独立性という意味/先入観を検出するテクニック

第6章 力ある者を監視し、力なき者の声となれ
独自調査報道/解釈型調査報道/調査・捜査を伝える報道/弱められた監視犬の役割/告発としての調査報道

第7章 開かれた議論の場となるジャーナリズム
SNSの元祖/みんなの議論の場を地元から再生し、立て直す

第8章 引き込む力、自分とのつながり
インフォテインメントとセンセーショナリズムの誘惑/語り方のイノベーション・モデル/いつ、どこで、誰が、何を、どのように――その新しい定義/読者が何を理解するか、に責任を持とう。読者が何を目にするかだけでなく/一つのストーリー、いくつもの伝え方

第9章 全体像を配分良く
ターゲット階層という欺瞞/地図作家の喩えでは言い尽くせないこと/話を大きく見せる圧力/計測手段を分析する/ジャーナリズムのための新しい市場調査/ニュースの新しい消費者

第10章 ジャーナリストは自分の良心に責任を負う
良心を貫くことはたやすくない/正直という文化/個人の良心を阻む圧力/良心と多様性が輝く文化を作る

第11章 市民の側の権利と責任
市民の権利と責任の章典

 

著者プロフィール

 
■ビル・コバッチさん

『ニューヨーク・タイムズ』ワシントン支局長を経て、ハーバード大学ニーマンジャーナリズムフェローシップ・キュレーターなどを務めた。

 
■トム・ローゼンスティールさん

『ニューズウィーク』誌連邦議会キャップ、『ロサンジェルス・タイムズ』メディア批評担当を歴任。著書多数。

 
■訳:澤康臣(さわ・やすおみ)さん

ジャーナリスト、早稲田大学教授。共同通信で調査報道に携わり、現在は報道実務家フォーラムを運営。著書に『事実はどこにあるのか』『グローバル・ジャーナリズム』など。

 

ジャーナリストの条件:時代を超える10の原則
ビル・コバッチ (著), トム・ローゼンスティール (著), 澤 康臣 (翻訳)

SNS上にデマや誤情報が氾濫し、権力者が都合の悪い情報をフェイクニュースと批判する時代に、ジャーナリストの仕事は重要性を増している。いかに真実に迫るか。偽情報をどう扱うか。客観性と中立は何が違うのか。そもそもニュースの目的とは。メディアの精鋭たちが自明とされてきた価値を問い直して磨き上げた世界的ロングセラー。

 
【関連】
試し読み | ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール、澤康臣/訳 『ジャーナリストの条件―時代を超える10の原則―』 | 新潮社

 


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