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「第55回大宅壮一ノンフィクション賞」候補作が決定! 石川結貴さん、春日太一さん、古川英治さん、森合正範さんの計4作品

日本文学振興会は4月19日、第55回大宅壮一ノンフィクション賞(大宅賞)の候補作を発表しました。

 

「第55回大宅壮一ノンフィクション賞」候補作

第55回大宅壮一ノンフィクション賞の候補作は、次の通りです。

 
<第55回大宅壮一ノンフィクション賞 候補作>

◎石川結貴(いしかわ・ゆうき)さん
『家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで』(文藝春秋)

◎春日太一(かすが・たいち)さん
『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』(文藝春秋)

◎古川英治(ふるかわ・えいじ)さん
『ウクライナ・ダイアリー 不屈の民の記録』(KADOKAWA)

◎森合正範(もりあい・まさのり)さん
『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』(講談社)

 
大宅賞の選考会は5月中旬に開催予定。選考委員は、梯久美子さん、後藤正治さん、佐藤優さん、出口治明さん、森健さん。

 

大宅壮一ノンフィクション賞について

大宅壮一ノンフィクション賞は、ジャーナリスト・大宅壮一さん(明治33年~昭和45年)の業績を記念して1970年に創設。各年の優れたノンフィクション作品を表彰する文学賞です。

公益財団法人日本文学振興会が主催し、株式会社文藝春秋が運営。前年1月1日から12月31日までに発表された、個人の筆者(共著を含む)によるルポルタージュ・内幕もの・旅行記・伝記・戦記・ドキュメンタリー等のノンフィクション作品全般を対象とします。

 

家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで
石川 結貴 (著)

命の終わり、その場所はどこがいいですか?

住み慣れた自宅で幸せな最期を迎えるために。
親子の絆を探す3年間の遠距離看取り体験記。

「父は入院も施設入所も拒み、住み慣れた家でひとり暮らしをつづけた。私は終末期の父に付き添い、介護し、死にゆく傍らでその一部始終を見ていた。(中略)あくまでも個人的な体験ながら、父と私に降りかかったさまざまな出来事をありのままに綴りたい。父と同じように住み慣れた家で最期を迎えたい人、家族を在宅で看取りたいと思う人たちに「家で死ぬ」というリアルを伝え、真に納得した最期が訪れるよう、本書が一助となることを願っている」(「はじめに」より)

鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折
春日 太一 (著)

”全身脚本家”驚愕の真実!
『羅生門』、『七人の侍』、『私は貝になりたい』、『白い巨塔』、『日本のいちばん長い日』、『日本沈没』、『砂の器』、『八甲田山』、『八つ墓村』、『幻の湖』など、歴史的傑作、怪作のシナリオを生み出した、日本を代表する脚本家・橋本忍の決定版評伝。
著者が生前に行った十数時間にわたるインタビューと、関係者への取材、創作ノートをはじめ遺族から譲り受けた膨大な資料をもとに、その破天荒な映画人の「真実」に迫る。全480ページ

ウクライナ・ダイアリー 不屈の民の記録
古川 英治 (著)

「あなたムカつくのよ。ウクライナ人をまったく信じてないでしょう。はなから私たちが負けると決めつけている」

新聞社を退社し、ウクライナ人の妻とキーウに移り住んだ著者は、ほどなくロシアによる侵攻に直面する。短期間で征服されてしまうことを恐れていたが、ウクライナの人々は巨大な敵に今も立ち向かい続けている。

志願兵となった新郎新婦、占領下で拷問された女性、コメディアン、閣僚、パンを販売し続けるおばちゃん――今なお、現地で暮らし、生活を続ける一人一人の声には不思議と明るさが宿っている。彼らの言葉が私たちに問いかける。自由とは、民主主義とは?

戦禍に暮らし、記者として、当事者として見た、自由のために戦う民の記録。

怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ
森合 正範 (著)

「対戦相手の心情など知れる機会などなく、この一冊は自分が辿って来たキャリアを色濃くしてくれました」(2023年11月17日の井上尚弥選手のXより)

「みんな、井上と闘うなら今しかない。来年、再来年になったらもっと化け物になる」
2013年4月、井上尚弥のプロ3戦目の相手を務めた佐野友樹はそう叫んだ。
それからわずか1年半、世界王座を計27度防衛し続けてきたアルゼンチンの英雄オマール・ナルバエスは、プロアマ通じて150戦目で初めてダウンを喫し2ラウンドで敗れた。「井上と私の間に大きな差を感じたんだよ……」。
2016年、井上戦を決意した元世界王者・河野公平の妻は「井上君だけはやめて!」と夫に懇願した。
WBSS決勝でフルラウンドの死闘の末に敗れたドネアは「次は勝てる」と言って臨んだ3年後の再戦で、2ラウンドKOされて散った。
バンタム級で史上初となる4団体統一を果たし、スーパーバンタム級初戦となったフルトン戦と2023年12月のタパレス戦の勝利で2階級4団体統一王者となった「モンスター」の歩みを、拳を交えたボクサーたちが自らの人生を振り返りながら語る。強く、儚く、真っ直ぐな男たちが織りなす圧巻のスポーツノンフィクション。

 
【関連】
大宅壮一ノンフィクション賞|日本文学振興会

 


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