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「帝京大学出版会」創設第1弾!「帝京選書」「帝京新書」を刊行

2023年10月に設立された帝京大学出版会は、2023年12月に創設第1弾として、帝京大学先端総合研究機構に所属する19人の教授らによる共著で、一般教養書と専門書の橋渡し役として読者の考えを深める手引きとなる「帝京選書」1冊と、同大学の教員がそれぞれ執筆をしており、 帝京大学の成果を社会に還元するための啓発的一般教養書として、考える糸口を読者へ提供する 「帝京新書」4冊を同時創刊しました。

 

シリーズ「帝京選書」と「帝京新書」を創刊

帝京大学出版会は、新書、選書、叢書のシリーズの刊行および教科書等の創刊を構想中です。デジタル化など学術コミュニケーションの変化にも的確に対応しつつ、世の中のニーズを機敏にとらえ、大学出版会として確かな知識を伝えることはもちろんのこと、学問の面白さや知の世界の奥深さを、多くの人々に伝えていきます。

 
【帝京選書】 ※敬称略

■『未来を拓く「自分流」研究 ―がんの制圧から人工知能まで―』(帝京大学先端総合研究機構/浅島誠・岡ノ谷一夫ほか17人 編)
帝京大学先端総合研究機構に所属する19人の研究者による多彩な研究成果を一般に分かりやすく解説した内容で、AI、健康科学、社会連携など文理融合型の学際研究を進める同機構の社会課題解決に向けた取り組みを収録しています。

 
【帝京新書】 ※敬称略

■『「平和宣言」を英語で読む ―ヒロシマの心―』(帝京大学出版会編)
1947年の第1回から通算76回目に当たる2023年までの「平和宣言」英語版を収録。難しい語句や慣用句、専門用語は430カ所にわたる日本語の脚注で意味を記す。〈グローバル市民〉を目指す人にとって〈英語と平和を同時に学べる〉最良・最強のテキストだと言えます。

■『論の経営学、倫の経営学 ―企業の「健康寿命」を延ばす―』(吉田健司)
「論の経営学」は米国のMBAに代表される数字と形式を優先する経営学。「倫の経営学」は「世のため人のために働いて儲ける」ことを説いた渋沢栄一らにつながる経営学。二つを備えた「論と倫の経営学」に基づけば時代が変わっても経営者が代わっても事業活動は揺るがないと著者は言う。
吉田健司さんは経営学者。一般社団法人「寺子屋カレッジ」代表理事、株式会社ビット89代表取締役。1950年生まれ、岐阜県出身。早稲田大学卒業。

■『「頑張る」「頑張れ」はどこへいく ―努力主義の明暗―』(大川清丈)
大災害のたびに沸き起こる「頑張ろう」のスローガンから、あいさつ代わりに使われる「頑張ってる?」「頑張ってね!」まで日本中にあふれている「頑張る」の意味を、比較社会学の手法で明らかにする。大川清丈さんは帝京大学文学部社会学科教授。社会学者。1964年東京都生まれ。京都大学卒業。

■『シン・経済学 ―貧困、格差および孤立の一般理論―』(小島寛之)
日本の貧困と格差と孤立はどこまで進行するのか。有効な経済政策はあるのか。経済活動の目標を「GDP」から「健康寿命」へ変えることにより、人々は安心して長生きできる暮らしが手に入る。そのために医療制度を中心に国の経済を築かなければならないと本書は訴える。
小島寛之さんは帝京大学経済学部経済学科教授・数学エッセイスト。1958年東京都出身。東京大学卒業。経済学者宇沢弘文氏の「最後の弟子」を自認する。

 

帝京大学出版会について

帝京大学出版会は、2026年6月に創立60周年を迎える帝京大学の記念事業の一環として2023年10月に設立されました。帝京大学の掲げる「自分流」の哲学に基づく「実学・国際性・開放性」を追求し、「知の発見・探究・創造・発信・共有」に貢献し、同大学の教員による研究成果を広く社会に還元する機会を設け、帝京文化を涵養します。

出版の機会提供は本大学教員に限定せず、帝京文化と親和性のある文化人・研究者らにも広げ、内容の難易度に応じ3つのシリーズ「帝京新書」「帝京選書」「帝京学術叢書」を順次刊行していきます。

 

未来を拓く「自分流」研究 ―がんの制圧から人工知能まで― (帝京選書 001)
帝京大学先端総合研究機構 (編集)

【目次】
はじめに
Iものをつくる、究める 「胎児外科から8K医療へ」「設計とものづくりの面白さ」「未来の手術ロボット」「がんの完治に向けた『3本の矢』」
II世界を知る、学ぶ 「確率的事象の直感的推論」「物の寿命を測る」「複雑な流体現象に挑戦する」「私の心と動物の心」
IIIからだを守る、理解する 「体内環境を保つ腎臓と生活習慣病」「究極の危機管理システム『免疫』」「体を作って守る上皮バリア」「細胞内シグナル伝達研究と治療法開発」「動物の形作りと器官形成の仕組み」
IV未来をデザインする、創造する 「人間の存在を問う」「テレワークで社会のかたちも変わる」「ロールズとセンによる新厚生経済学の批判的展開」「災害時地域医療支援ツールの開発」「AIによる境界領域からの突破口」「人工知能とこれからの社会」
あとがき

「平和宣言」を英語で読む ーヒロシマの心ー (帝京新書 001)
帝京大学出版会 (編集)

広島市長が広島原爆の日(8月6日)の平和記念式典で毎年読み上げる「平和宣言」は、広島市によってすべて英語に翻訳されてきました。核兵器廃絶と世界恒久平和の実現、原爆死没者の追悼を世界に広く訴えるためです。唯一の戦争被爆国の国民である私たちは、<世界共通語の英語>で核兵器廃絶と世界恒久平和について自ら考え、自ら伝えることができるでしょうか。本書は1947年の第1回から通算76回目に当たる2023年までの「平和宣言」英語版を収録しました。難しい語句や慣用句、専門用語は430カ所にわたる脚注で日本語の意味を記しました。本書は<グローバル市民>を目指す高校・大学生や市民にとって英語と平和について同時に学べる最良・最強のテキストです。

論の経営学、倫の経営学 ー企業の「健康寿命」を延ばすー (帝京新書 002)
吉田健司 (著)

古いしきたりに縛られたり競合他社を出し抜くことに血眼になったりする企業には、放漫経営と不祥事の危険がつきまとう。健全経営と社会貢献を続け<企業の健康寿命>を延ばすには「論の経営学」と「倫の経営学」を実践する必要があると著者は言う。「論の経営学」はアメリカのMBAに代表される論理と数字と形式を優先する経営学。それに対して「倫の経営学」は「世のため人のために働いて儲ける」ことを説いた渋沢栄一や「三方よし」を実践した近江商人の哲学につながる経営学である。どちらに偏っても「企業の健康寿命」は延びない。二つを兼ね備えた「論と倫の経営学」に基づけば、時代が変わっても経営者が代わっても事業活動は揺るがない。社歴100年を目指す経営者、仕事にやりがいを覚えるビジネスパーソン、経営学を学びたい大学生・高校生にとって読まずにはいられない経営学入門書です。

「頑張る」「頑張れ」はどこへいく ー努力主義の明暗ー (帝京新書 003)
大川 清丈 (著)

大災害のたびに沸き起こる「頑張ろう」のスローガンから、日常のあいさつ代わりに使われる「頑張ってる?」「頑張ってね!」まで日本中にあふれている「頑張る」。実は「頑張る」は日本特有のものではない。著者は比較社会学の手法を使い、アメリカ、イギリス、フランスとの違いに迫る。そして入試の制度・実態からコツコツ「頑張る」傾向が強いフランスに対し、日本は「頑張ればできる」の掛け声の下で中間・期末・入試などの節目に集中努力する傾向が強いと結論付ける。熱しやすく冷めやすいタイプの努力というわけだ。貧困と格差により閉塞する日本で、私たちは持続的に頑張れるのか。それとももう頑張れないのか。本書は「頑張り」の質をも変化させるAI時代の努力についても考察する。
◆特別企画〈帝京大学創立60周年(2026年6月)へ〉

シン・経済学 ー貧困、格差および孤立の一般理論ー (帝京新書 004)
小島寛之 (著)

成熟経済下の不況から逃れられない日本経済は危機に直面している。それは有効な手を打てないでいる経済学の危機でもある。貧困と格差と孤立はどこまで進行するのか。有効な経済政策はあるのか。経済活動の目標を「GDP」から「健康寿命」へ変えることにより、人々は安心して長生きできる暮らしが手に入ると著者は訴える。そのために医療制度を中心に国の経済を築かなければならないという。市場ベースから医療ベースの資本主義への大転換。それをけん引するのはシン・経済学である。環境をも意味する「社会的共通資本」の整備を提唱した経済学者宇沢弘文氏の「最後の弟子」を自認する著者。シン・経済学が異端に終わらなければ日本経済は持続的発展の道を歩み始めるだろう。
◆特別企画〈宇沢弘文氏没後10年・森嶋通夫氏没後20年〉

 
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