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【第35回齋藤茂吉短歌文学賞】玉井清弘さん歌集『山水』が受賞

山形県は3月21日、第35回齋藤茂吉短歌文学賞の受賞作品を発表しました。

 

第35回齋藤茂吉短歌文学賞が決定!

第35回斎藤茂吉短歌文学賞の受賞作品は次の通りです。

 
<第35回斎藤茂吉短歌文学賞 受賞作品>

玉井清弘(たまい・きよひろ)さん
『山水』(短歌研究社)

受賞者の玉井清弘さんは、1940年生まれ、愛媛県出身。元・香川県立高等学校教諭。短歌誌「音」編集運営委員。四国新聞歌壇選者、愛媛新聞歌壇選者、朝日新聞四国版歌壇選者。第37回芸術選奨文部大臣新人賞、第26回日本歌人クラブ賞、第2回山本健吉文学賞、第2回短歌四季大賞、第29回詩歌文学館賞、第48回迢空賞など受賞歴多数。

 
選考委員は、三枝昻之さん(委員長/「りとむ」発行人)、小池光さん(「短歌人」編集委員)、小島ゆかりさん(「コスモス」選者)、永田和宏さん(「塔」選者)。

 
なお、受賞者の玉井さんには賞金100万円が贈られます。贈呈式は5月19日(日)に上山市体育文化センターで開催される「第50回斎藤茂吉記念全国大会」の席上で行われる予定。

 

齋藤茂吉短歌文学賞について

齋藤茂吉短歌文学賞は、山形県の生んだ歌人・齋藤茂吉が短歌文学の発展振興に寄与した功績を記念し、短歌の分野において優れた業績をあげた者を顕彰する全国レベルの賞として、山形県が平成元年度に創設した文学賞です。山形県知事を委員長とする齋藤茂吉短歌文学賞運営委員会が主催。

 
前年1月1日から12月31日までに発行された歌集・歌論・歌人研究等を対象とし、全国の有名歌人等206名に推薦を依頼し、24作品を選出。1月に選考委員による予備選考を行い、5作品を選出。2月に選考委員会を開催し、選出された5作品から受賞者・作品を決定しています。

 

山水
玉井清弘 (著)

2017年から2022年までの総合誌などに発表した作品をまとめた第十歌集。
七十代の末から八十代はじめの作。
「親友知己の思いがけない卦報に接することが幾度かあり、身にしみるような人生の時期でもあった。」とあとがきに記す。

〈収録作品より〉

なにせんと生れしこの世なにもせず待ちている間に桜咲き満つ

西へ西へ歩みてゆかばおのれへと還りゆくべし伊予路へつづく

あなたはね伊予の人だよ伊予に来て伊予の人らに混じり語れば

じゃこ天の伊予よりどっさり届きたり南予の風を舌はよろこぶ

山したたる季語に祝われ誕生日 残生ふかき歌をのこせよ

摘み採るを許したまえよ道の辺のカヤツリグサにネコジャラシの穂

「歌集名を第一歌集以後漢字二字で統一をと考えたがなかなか困難。
「山水」、単純なところにもどった。四国の自然のなかでの生活が念頭にある。第十歌集までやっとたどりついた思いをかみしめている。」(あとがきより)

 
【関連】
齋藤茂吉短歌文学賞 | 山形県

 


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