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小松左京よ、あなたは一体何者だったのか?「文化放送年末スペシャル 『日本沈没』を探す旅」三夜連続放送

小松左京さん 写真:小松左京ライブラリ提供

小松左京さん 写真:小松左京ライブラリ提供

文化放送では、12月26日(火)~28日(木)の午後7時00分より「文化放送年末スペシャル『日本沈没』を探す旅」を三夜連続で放送します。

 

発表からちょうど50年! なぜ小松左京さんは『日本沈没』を生み出したのか?

今年は関東大震災から100年の節目の年でした。そしてSF界の巨人、小松左京さんによる小説『日本沈没』の発表からちょうど50年にもあたります。

関東大震災から50年目にこの小説は生まれました。小松左京さんは関東大震災を体験した母親から直接その恐ろしさを繰り返し聞かされて育ったこともあり、それが『日本沈没』に大いに反映されています。

 
半世紀の時を過ぎて読み返すと、『日本沈没』が単なる空想的SFではなく、列島の質量まで計算し、地震のメカニズムを徹底的に探究したうえで、来たる地震への警鐘も含んだ科学作品であることがわかります。

累計500万部近く売れたこの作品は、生みの親である小松左京さん亡き後も成長し、現在も漫画、テレビドラマ、アニメなどで再生産が続いています。「小松左京」という知の巨人は、今も我々に警鐘を鳴らし続けているのです。

 
実は、文化放送と小松左京さんは少し縁があります。小説が発表されたその年に、この作品の持つエネルギーの大きさに気づいた当時の文化放送プロデューサーが、「ここを過ぎて悲しみの都へ」というタイトルでラジオドラマ化しました。

今回三夜連続で放送される特別番組では、この50年前のラジオドラマをリマスタリングし、鮮やかな音声でリスナーの耳に届するとともに、なぜ小松左京さんは『日本沈没』を生み出したのか?「災害について」「日本について」「未来について」どのように考えていたのか?専門家や身近な人たちの証言をもとに、3日間にわたり、じっくりと考えていきます。

伊東四朗さん

伊東四朗さん

番組全体の案内役は、やはり両親が関東大震災を体験した喜劇役者の伊東四朗さんが務めます。小松左京さんの6歳年下で、肉親の関東大震災体験や戦時中の自身の空襲体験など、同じ時代を生きて小松左京さんとの共通体験を持つ名喜劇役者が、独自の目線で日本沈没を見つめ、そして小松左京さんを語ります。

 

「文化放送年末スペシャル 『日本沈没』を探す旅」番組概要

■放送時間
2023年12月26日(火)第一夜 午後7時00分~7時55分
2023年12月27日(水)第二夜 午後7時00分~7時55分
2023年12月28日(木)第三夜 午後7時00分~7時55分

■案内役:伊東四朗さん(喜劇役者)

■出演:濱井武さん(光文社元常務)、山岡耕春さん(名古屋大大学院教授)、小松実盛さん(小松左京さん氏次男) 他

 

日本沈没(上) (角川文庫)
小松 左京 (著)

全国民必読。二十一世紀にも読み継がれるベストセラー小説!

鳥島の南東にある無人島が、一夜にして海中に沈んだ。深海潜水艇の操艇責任者の小野寺は、地球物理学の田所博士とともに、近辺の海溝を調査し、海底での異変に気づく。以降、日本各地で地震や火山の噴火が頻発。自殺した友人を京都で弔っていた小野寺も、地震に巻き込まれ、消息不明になるが、ある日突然、ナポリの消印がある辞表が会社に届く。どうやら田所の個人研究所と関係があるようで……。日本SF史に輝くベストセラー。

日本沈没(下) (角川文庫)
小松 左京 (著)

最悪の危機の中で生き残ることができるのか。未来をも予見していた問題作。

ついに巨大地震が東京を襲い、富士火山帯の火山が相次いで噴火。対応に追われる日本政府は、海外に国民を移住させようと、密かに交渉を進めていた。一方、田所博士が中心となって立ち上げた「D計画」の一員となった小野寺は、潜水艇で海底の調査を行う日々を送っていた。ある日、防衛庁にある計画本部の総務室で、「日本列島は沈没する!?」という見出しがついた週刊誌を目にし――。日本はどうなるのか!? 全国民必読のベストセラー。

 


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