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北米ミステリー各賞を総なめ!『頬に哀しみを刻め』が『このミス』海外編1位を獲得

ハーパーコリンズ・ジャパン刊行のS・A・コスビー著『頬に哀しみを刻め』(訳:加賀山卓朗さん)が、『このミステリーがすごい!2024年版』(宝島社)海外編1位にランクインしました。

 

黒人の父親、白人の父親、惨殺された息子たち――血の弔いが幕を開ける! 北米ミステリー界の各賞を総なめにしたクライム・ノワールの超新星S・A・コスビーの話題作『頬に哀しみを刻め』

同作は「ミステリが読みたい!2024年版」(早川書房)海外篇3位、世界的ゲームクリエーター小島秀夫さんによる「ヒデミス!2023 小島秀夫が選んだミステリー・ゴールデン・ダズン+1」選出と、今年の海外ミステリー界における最注目作です。

 
北米ミステリー界の権威あるバリー賞、アンソニー賞、マカヴィティ賞を総なめにし、MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞長篇賞最終候補作にも選ばれた『頬に哀しみを刻め』の主人公は、息子たちの命を無惨にも奪われた2人の父親。行きずりの犯行か、ヘイトクライムか? 警察による捜査が一向に進まぬなか、水と油のような2人の父親たちは絶望の淵から真実を追い、血と暴力の復讐に突き進んでゆく。だがその先には、思いもかけない真犯人が……。

 
正当派のノワール(暗黒小説)であると同時に、犯人(謎)を追うミステリーとしても第一級の本作ですが、なんといっても強烈な魅力を放つのが、アイクとバディ・リーという主人公の2人。

殺人罪で服役したあと更生し、今は庭園管理会社を営む寡黙な黒人アイクと、酒浸りでトレーラー暮らしの典型的レッドネックとして描かれる白人バディ・リー。息を吐くように差別的なことを口にするバディ・リーに辟易しながらも、同性結婚した息子に対し自分も偏見がなかったとは言えないことにアイクも向き合います。

互いに脛にキズを持つ「どうしようもない親父」であるアイクとバディ・リー、絶対に相容れなかったはずの2人が頬を切り裂くような哀しみを原動力に真実に迫ってゆく姿は読む者の胸に迫り、読後、誰かと語り合いたくなります。

 
<本書に寄せられた賛辞の一部>

「読者の鈍った心身を痛めつけ、頭蓋と魂を揺さぶる! S・A・コスビーの才能は、もはや疑いようがない!」
――小島秀夫さん(ゲームクリエイター)

「現代クライムサスペンスの最前線をゆく傑作だ」
――吉野仁さん(ミステリー評論家)

「僕らの生きるこの世の悲痛を描く、コスビーは詩人である」
――霜月蒼さん(ミステリー評論家)

「疾走する文章によって読む者の心をたまらなく震わせる物語である」
――杉江松恋さん(書評家)

 
『このミス』に寄せたメッセージで、「江戸川乱歩や島田荘司といった偉大な作家たちの横に並ぶのは夢の実現」であると語り、日本文化への興味で読者を驚かせたS・A・コスビーは、米国南部ヴァージニア州出身。警備員や建設作業員、葬儀社のアシスタントなど様々な職を経て2019年にデビューを果たしました。今年6月に刊行した最新作All the Sinners Bleed が北米Amazonの2023ベストブックに選出されるなど、いま最も旬の作家の一人として全世界から注目を集めています。

 
【本書のあらすじ】

殺人罪で服役した黒人のアイク。出所後庭師として地道に働き、小さな会社を経営する彼は、ある日警察から息子が殺害されたと告げられる。白人の夫とともに顔を撃ち抜かれたのだ。一向に捜査が進まぬなか、息子たちの墓が差別主義者によって破壊され、アイクは息子の夫の父親で酒浸りのバディ・リーと犯人捜しに乗り出す。息子を拒絶してきた父親2人が真相に近づくにつれ、血と暴力が増してゆき――。解説:宇田川拓也さん

 

著者プロフィール

 
■S・A・コスビー(S.A.Cosby)

米国ヴァージニア州出身。クリストファー・ニューポート大学で英文学を学んだのち、警備員、建設作業員、葬儀社のアシスタントなど様々な職業を経て作家に。

2019年に短篇“The Grass Beneath My Feet”でアンソニー賞最優秀短篇賞を受賞。『黒き荒野の果て』(原題:Blacktop Wasteland)と本書は2年連続でアンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞を受賞するなど、非常に高い評価を得ている。

 
■訳:加賀山卓朗(かがやま・たくろう)さん

翻訳家。主な訳書にコスビー『黒き荒野の果て』、バーニー『11月に去りし者』(ともにハーパーBOOKS)、ル・カレ『シルバービュー荘にて』『スパイはいまも謀略の地に』、ルへイン『過ぎ去りし世界』『あなたを愛してから』(以上、早川書房)がある。

 

頬に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS)
S・A コスビー (著), 加賀山 卓朗 (翻訳)

黒人の父親、白人の父親、惨殺された息子たち――
血の弔いが幕を開ける。
「懺悔と贖罪に彩られた哀しき父親たちの挽歌」
宇田川拓也 ときわ書房本店 (本書解説より)

このミステリーがすごい! 2024年版
『このミステリーがすごい!』編集部 (編集)

35年の信頼と実績を誇る、新作ミステリーランキングブックです。
巻頭では『名探偵コナン』30周年を記念し、
青山剛昌×東野圭吾の超巨大対談が実現!
17,000字に及ぶ、ミステリー界のトップランナー2人の邂逅をお楽しみください。

更に、デビュー30周年を記念し、京極夏彦単独インタビューも掲載。
最新作『鵼の碑』のお話もたっぷりうかがいました。

そのほかQuizKnock河村拓哉×『君のクイズ』作者・小川哲特別対談などで、2023年のミステリーヒット作に迫ります。

各業界人も注目する2023年の国内&海外のミステリー小説ランキング・ベスト20、超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど、例年の人気コンテンツも充実の一冊です。

 


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