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日本SF大賞2冠作家・酉島伝法さん4年ぶりの書き下ろし長編『奏で手のヌフレツン』が刊行

日本SF大賞を2度受賞するという、史上2人目の偉業を成し遂げ、「奇才」「異形の天才」の名をほしいままにする酉島伝法さんの4年ぶりの書き下ろし長編小説『奏で手のヌフレツン』が河出書房新社より刊行されました。

 

奏でよ、全地に響く、生命の賛歌を――

大森望さん(書評家・翻訳家)より「SF史を見渡しても、これほど独創的なデビュー作はほとんど例がない」「現代日本SFの極北にそそり立つ異形の金字塔にして、SF的想像力の最長到達点を示す里程標」と絶賛された「皆勤の徒」でデビューした酉島伝法さんは、2013年、同作を含む連作集で第34回日本SF大賞を受賞。2019年には、初の書き下ろし長編『宿借りの星』で、自身2度目となる第40回日本SF大賞を受賞という、飛浩隆さんに次ぐ史上2人目の偉業を成し遂げました。

 
それから約4年の月日を経て、書き下ろし長編『奏で手のヌフレツン』がついに誕生。

本作は、酉島さんが初めて日本SF大賞を受賞した2014年、『書き下ろし日本SFコレクション NOVA+ バベル』(大森望さん責任編集、河出文庫)に発表された同題の短編をもとに、構想も新たに書き下ろされた酉島さんの新境地、9年の歳月を費やして生まれた感動のエンタテインメント長編です。

 
クライマックス感全開のプロローグ「序」を終えると、往年のテレビアニメ「世界名作劇場」や、19世紀に活躍した作家チャールズ・ディケンズを思わせる、魅力的で生活感あふれる物語が静かに始まろうとします。

ところが、この奇妙な世界には、壮絶な謎が秘められていたのです――。

 
【あらすじ】

球地(たまつち)――
人々はそこに散在する八つの聚落(じゅらく)で生活していた。
その球面世界を、五つの太陽が絶え間なく巡っていた。
リナニツェたちの聚落の太陽は死に、太陽は四つになった。
リナニツェは生きのび、奏で手(かなでて)の過去を封印した。
そしてリナニツェはジラァンゼを生み、ジラァンゼはヌフレツンを生んだ。
親子三代にまたがる壮大な物語が、いま幕を開ける。
聞こえるだろうか、地に満ちる生命の賛歌が――

 

著者プロフィール

酉島伝法(とりしま・でんぽう)さんは、1970年生まれ、大阪府出身。作家、イラストレーター。2011年「皆勤の徒」で第2回創元SF短編賞を受賞し、デビュー。

2013年刊行の連作集『皆勤の徒』で第34回日本SF大賞を受賞。2019年刊行の第一長編『宿借りの星』で第40回日本SF大賞を受賞。他の著書に『るん(笑)』『金星の蟲』、『旅書簡集 ゆきあってしあさって』(高山羽根子さん・倉田タカシさんと共著)等。

 

奏で手のヌフレツン
酉島 伝法 (著)

太陽に抗った聚落の子孫ヌフレツンは運命に導かれバイオンリの奏で手を目指す。日本SF大賞2度受賞の異形の天才による書下し長編。

 


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