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見てもらわなきゃならないのに、あまり目立っちゃいけない!中西あきこさんがサイン・ピクトグラムを探る『サイン、小サイン、探訪記』が刊行

シンプルなのに奥が深いサイン・ピクトグラムを探る、中西あきこさん著『サイン、小サイン、探訪記』がイカロス出版より刊行されました。

 

鉄道文字の探究者、サインの奥深い世界に出会う!

ふだん駅や列車で見かけるサインやピクトグラム。文字を読まなくても意味が分かり、旅行者にはとても重要なものです。でも、パッと見て情報が伝わってしまうので、あまり意識しないものかもしれません。

 
そんなサインやピクトグラムをつぶさに観察していると、機能性を追究するなかに、現場の人たちのさまざまな思いや工夫が込められていることが見えてきます。鉄道文字を探究する著者が、ふだん見過ごしがちなサインたちを見つめ、集め、ときには現場の方に話を聞き、その奥深い世界を探っていきます。

見てもらわなきゃならないけれど、目立ちすぎても良くない。シンプルに見えるサインやピクトグラムは、見れば見るほど奥が深い世界なのです。

最近の若い方々には、なんのことか分からないような表示も駅にはけっこう残っています。さりげないひと言に鉄道の歴史が感じられるものでもあります。

現場の方がお客さんの動きを見て、独自に根付いたサインや表示も各地に見ることができます。

なぜ天井にサイン?そこにも深い理由が隠されています。

いまや絶滅危惧種となったサインもあります。

 

本書の構成

はじめに

その0 変幻自在のシンボル
 0キロポストからはじめよう

その1 具体とイメージのはざまで
 駅の中のピクトグラム
 新幹線のピクトグラム
 (現場の声)新幹線ピクトはこうして商品化された(東海キヨスク株式会社)
 (コラム)出口は伝えたい

その2 注意喚起の向こう側
 コメットおことわり
 (現場の声)乗客本位の発想で生まれた「お見送りエリア」(西日本旅客鉄道株式会社)

その3 安さと最短距離で誘う
 自由席を求めて
 一枚の料金表から

その4 待ち時間さえ楽しい
 位置について
 (現場の声)足元で主張する乗車口案内シート(株式会社保安サプライ)

その5 道に迷いはつきもの
 右か、左か
 (コラム)ようこその吸引力

その6 終わりと始まりのグラデーション
 ホームのオアシス
 さようなら、列車公衆電話

おわりに

 

著者プロフィール

中西あきこ(なかにし・あきこ)さんは、1975年生まれ、神奈川県出身。二松学舎大学大学院修了。大学時代より書道を学ぶ。2008年、月刊『旅と鉄道』で地下鉄路線を地上でめぐる「二駅歩き」の連載をきっかけに地下鉄に残る旧い文字に興味を持つようになる。

2013年、『鉄道デザインEX』(イカロス出版)の小特集「鉄道文字のおはなし」の取材で、国鉄時代に制定された統一書体すみ丸ゴシックと出会う。以来、時代感覚あふれる看板や書体・フォントをたずね取材を続けている。

著書に『鉄道文字の世界 旅して見つけたレトロな書体』(天夢人、2022)、『駅の文字、電車の文字 鉄道文字の源流をたずねる』(鉄道ジャーナル社、2018)、『されど鉄道文字 駅名標から広がる世界』(同社、2016)などがある。

 

サイン、小サイン、探訪記 鉄道文字の探究者、奥深きサインの世界に出会う
中西 あきこ (著)

高度に技術的進化を遂げた新幹線にも、在来線同様に、駅や車両には多くの人に配慮した案内誘導サインを見ることができる。
システムを追求したスマートな設えや一貫したデザインの中にも、現場では知恵をしぼり作った手製の案内板やホワイトボードなど、さまざまな工夫がある。
こうした魅力を探り、ときに歴史を紐解き、現地へ赴きながら、「鉄道文字」の名付け親である著者が、その土地、その駅ならではのサインやピクトグラムの奥深さと出会う。

 


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