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辻真先さん〈ミステリ作家デビュー50周年&卒寿記念企画〉第2弾!鉄道愛に溢れたミステリ短編集『思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選』が刊行

辻真先さん著『思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選』(編:戸田和光さん)

辻真先さん著『思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選』(編:戸田和光さん)

東京創元社は、辻真先さんのミステリ作家デビュー50周年&卒寿記念企画の第2弾として、鉄道愛に溢れたミステリ短編集『思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選』(編:戸田和光さん)を刊行しました。

 

収録12編のうち、11編が書籍初収録! 懐かしの列車や、あの路線も多数登場!

ミステリデビュー作『仮題・中学殺人事件』の刊行から50年。今年春に刊行した〈昭和ミステリ三部作〉の最終巻『馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ』に続く、記念企画第二弾は鉄道ミステリ傑作選です。

選者はご自身も鉄道ファンである、戸田和光さんが務めており、詳細な解題はさすがの一言です。
長年鉄道ファンを公言されている辻真先さんが、小説誌に掲載した数々の作品から12編を選びました。1編を除き、ほとんどが書籍初収録となります。

 
作品に登場する主な列車は、
・お座敷列車
・L特急
・ブルートレイン
・ノスタルジックビュートレイン
・α列車

また主な路線は
・興浜北線
・羽幌線
・五能線
・信越本線

などなど。作中に登場する多くの路線や企画列車などはすでに廃線になっていたり、運行を終了しているケースが多く、往年の鉄道ファンには懐かしさも感じられることでしょう。

 
著者の辻真先さんはドラマ、アニメ、特撮、ミステリなど、多くの業界に影響を与え続けるレジェンド。
ちょうどアニメ「名探偵コナン」の「花時計は知っていた」(9月10日放送)は2011年の作品の再放送ですが、辻さんの脚本回でした。

2020年に刊行された長編『たかが殺人じゃないか』は『このミステリーがすごい!』『週刊文春 ミステリーベスト10』『ミステリが読みたい!』で第1位を獲得。史上最高齢の当時88歳でミステリランキング3冠を獲得という快挙は大きな反響を呼びました。
その『たかが殺人じゃないか』を含めた大好評シリーズ〈昭和ミステリ三部作〉が、今年完結したことでも話題になりました。

 
<『思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選』概要>

新婚旅行で伊豆を訪れた、トラベルライターの瓜生慎・真由子夫妻。修善寺発、東京行きのお座敷列車に偶然乗車することになった二人は、車内で大事件に巻き込まれてしまう……(「お座敷列車殺人号」)。他にもブルートレイン、α列車など、いまでは姿を消した懐かしい車輛、路線が登場する、“レジェンド”辻真先さんの鉄道ミステリから評論家・戸田和光さんがチョイスした珠玉の12編。

 
【目次】
「お座敷列車殺人号」
「夜行急行殺人号」
「ブルートレイン殺人号」
「α列車殺人号」
「郷愁列車殺人号」
「白い闇の駅」
「オホーツク心中」
「遠い日、遠いレール」
「終電車の囚人」
「鉄路が錆びてゆく」
「東京鐵道ホテル24号室 」
「轢かれる」

 

著者プロフィール

 
■著者:辻真先(つじ・まさき)さん

1932年生まれ、愛知県出身。名古屋大学卒業。NHKに勤務後、「鉄腕アトム」「サザエさん」「デビルマン」「Dr.スランプ アラレちゃん」など、アニメや特撮の脚本家として幅広く活躍。

1972年『仮題・中学殺人事件』でミステリ作家としてデビュー。1982年『アリスの国の殺人』が第35回日本推理作家協会賞を、2009年に牧薩次名義で刊行した『完全恋愛』で第9回本格ミステリ大賞を受賞。2019年に第23回日本ミステリー文学大賞を受賞。2020年刊行の『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』が主要年末ミステリランキングにおいて3冠を獲得。

 
■編者:戸田和光(とだ・かずみつ)さん

1960年生まれ、東京都出身。埼玉大学卒業。『ミステリーズ!』や『拳銃天使』『日影丈吉全集 別館』などの書誌情報提供をはじめ、多方面で活躍。〈山沢晴雄セレクション〉の『死の黙劇』『ダミー・プロット』の編纂にも関わる。鉄道ファン。

 

思い出列車が駆けぬけてゆく (創元推理文庫)
辻 真先 (著)

「犯人は読者だ」で話題をさらった『仮題・中学殺人事件』から50年、ミステリ作家デビュー以来、本格もの、ユーモアものをはじめ、様々なスタイルの作品を提供し続けてきた辻真先。中でも、鉄道ミステリは、著者自身が長年の鉄道ファンであることも広く知られており、多くの読者に親しまれてきた。シリーズキャラクターである、トラベルライター・瓜生慎ものを筆頭に、自らも鉄道愛好家でもある、ミステリ評論家・戸田和光が選んだ珠玉の12編。すでに廃線となった路線や、企画列車なども登場する、辻ファン、鉄道ミステリファン必携の一冊。

装画:前田なんとか
装幀:石松経章(Keisyo事務所)

 


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