ウクライナ侵攻をここまで緻密に予言した小説はなかった!トム・クランシー遺作『米露開戦』が復刊
ロシアのウクライナ侵攻を予見した巨匠の遺作、トム・クランシー&マーク・グリーニー共著の軍事小説『米露開戦』上下巻(訳:田村源二さん)が徳間文庫より復刊されました。
帝国復活への妄執!クランシーはロシア・プーチン権力の暗部をここまで暴いてしまった!
「本書に登場するKGB出身のロシア連邦大統領、ヴォローディンがプーチンのカリカチュアであることは誰の目にも明らかだが、その描き方にはいちロシア研究者として舌を巻かざるを得ない。」
――下巻 小泉悠さん(ロシア軍事研究家)「解説」より抜粋
「ロシアによるウクライナ侵攻を描いたトム・クランシーの遺作『米露開戦』を自分が九年前に訳していることを思い出し、それを書架から引っ張り出して再読してみると、そこにロシアの現政権を理解するヒントがたくさん隠されていることに気づき、驚愕した。」――下巻 「訳者あとがき」より抜粋
【あらすじ】
〔上巻〕
元ロシア情報機関長官ゴロフコは、非合法な手段で独裁体制を築くヴォローディン露大統領の批判者に転向。冷戦時代の仇敵にして親友、米大統領ジャック・ライアンとの歓談後、謎の死を遂げる。背景には、隣国支配による大ロシア復活を目論む国家的陰謀が進行していた……。国際軍事情報小説の巨匠クランシーと後継者グリーニーのタッグで、ロシア政治の闇と狂気を暴く問題作。
〔下巻あらすじ〕
ヴォローディン大統領は、親ロシアの野党党首演説中にテロを仕掛ける。ウクライナ現政権に対するロシア国民感情を悪化させ、天然ガスパイプラインを閉鎖。ウクライナ侵攻の口実を積み上げていく。実行部隊である非合法集団・七巨人の背後には、三十年前ライアン大統領がCIA情報分析官時代に追った謎の工作員・天頂(ズィーニス)の影が……。国際謀略の裏を描き続けた巨匠、畢生(ひっせい)の大作にして遺作。
トム・クランシー プロフィール
1947年生まれ、米メリーランド州ボルティモア出身。保険代理業を営む傍ら9年がかりで執筆した『レッド・オクトーバーを追え』で、1984年一躍ベストセラー作家になる。豊富で該博な知識と詳細なデータをもとに現代戦の実相を描き、ハイテク軍事スリラーの元祖となった。
主な著書に『叛逆指令』『レインボー・シックス』『テロリストの回廊』など多数。2013年没。
米露開戦上 (徳間文庫) トム・クランシー (著), マーク・グリーニー (著), 田村源二 (翻訳) |
米露開戦下 (徳間文庫) トム・クランシー (著), マーク・グリーニー (著), 田村源二 (翻訳) |
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