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大白小蟹さん『うみべのストーブ』刊行1周年記念!大白小蟹さん×上坂あゆ美さん×岡本真帆さんトークイベントを開催

2022年11月に刊行された『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』の刊行1周年を記念して、三省堂書店神保町本店にて著者の大白小蟹さん、同作品の大ファンの歌人・上坂あゆ美さん、岡本真帆さんによるトークイベントが11月4日(土)に開催されます。

 

『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』について

俵万智さん
「小蟹さんの澄んだ心の目。そのまなざしを借りて私たちは、忘れそうなほど小さくて、
でもとても大切な何かを見つめなおす。たしかに降ってきたけれど、とっておけない雪のように。」

 
作者による短歌とともに綴られる、生活の中から生まれた作品集。

雪のように静か。冬の朝のように新鮮。
自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれない。

 
[収録作品]
●「うみべのストーブ」
運命のように出会ったえっちゃんとスミオにも、ある日訪れた別れ。
傷心のスミオを海に連れ出したのは、隣で彼を見守り続けていたストーブだった…。
「ふたりが…お互いに、好きだったこと 私はちゃんと覚えてる 何度だって思い出すよ」
連載時のカラーを再現し、2色刷で収録。

●「雪子の夏」
トラックドライバーの千夏が雪の日に出会った、雪女の雪子。
夏のあいだは消えてしまうという雪子に夏を見せてあげたい。忘れられない夏の物語。
「誰もあたしのことを 思い出してくれなくなったら こんなぼんやりしたまま 永遠に消えちゃうの? 」

●「きみが透明になる前に」
ある日事故で透明になってしまった夫。
彼の姿が見えないことにほっとしている自分はもう、彼を愛していないのだろうか…。
見えないものに触れる、夫婦の絆のかたち。
「ねえ泉 ありがとう 僕を見つけてくれて」

●「雪を抱く」
パートナーとの間の妊娠を知り、複雑な気持ちの若葉。
大雪で家に帰れなくなったある日、偶然出会ったコウコと朝までの時間を過ごす。
女性の身体をめぐる物語。
「わたしの身体が わたしひとりだけのものだったことなど 一度でもあっただろうか」

●「海の底から」
仕事で忙しい毎日を送る深谷桃は、かつてのように小説を書くことができない。
いまの自分はまるで海の底から上を見上げているようで…。
創作に向き合うことができないでいる生活者の苦悩の物語。
「悔しい 書かなくても幸せでいられるのが」

●「雪の街」
はなれていた親友の突然の死をきっかけに訪れた、昔住んでいた町。
思い出のファミレスで出会った森田という男と、死んでしまったスーちゃんのことを思い出しながら、雪道を歩いていく。
夜の黒さと雪の白さは、彼らの弔いを静かに描き出す。
「鈴木さんがどこかで 元気でいてくれるといいなって ずっと思ってました」

●「たいせつなしごと」
単調な仕事に明け暮れる毎日のなかで、いつのまにか自分の心は動かなくなっていた。
いつかどこかのゲートが開いて、別の世界へ行けたなら…。暮らしのなかにある光を見つける小さな物語。
「何かを きれいだと思ったのは いつぶりだろう」

 

『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』刊行1周年記念イベント 開催概要

今回のイベントでは、『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』著者の大白小蟹さん、歌人の上坂あゆ美さん、岡本真帆さんが、『うみべのストーブ』の収録作品や、お互いの作品のお話や、好きなもの、人生において影響を受けたものなどについて語り合います。

 
■開催日時:2023年11月4日(土)20:40~22:15
◎20:20 開場
◎20:40 開演
◎21:40 トークイベント終了
◎21:45 ミニサイン会(予定)

■会場:三省堂書店神保町本店(小川町仮店舗)1F 特設会場
※閉店後の店内で行います

■チケット代金:1,540円(税込)

■申込開始日:2023年10月14日(土)12:00より

★申込み方法など詳細:http://jinbocho.books-sanseido.co.jp/events/9511

 

登壇者プロフィール

 
■大白小蟹(おおしろ・こがに)さん

マンガ家・イラストレーター。1994年生まれ、沖縄県出身。2015年よりコミティアに参加しマンガや絵本の制作を行う。

著書に『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』(リイド社)がある。漫画サイト「路草」にて「みどりちゃん、あのね」を連載。

★公式サイト:https://www.oshiro-kogani.com/
★Twitter(X):https://twitter.com/ROIHOS
★Instagram:https://www.instagram.com/oshiro_kogani

 
■上坂あゆ美(うえさか・あゆみ)さん

1991年8月2日生まれ、静岡県出身。2017年から短歌をつくり始める。
銭湯、漫画、ファミレスが好きです。

2022年に第一歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』(書肆侃侃房)を刊行。

★Twitter(X):https://twitter.com/aymusk

 
■岡本真帆(おかもと・まほ)さん

1989年生まれ。高知県、四万十川のほとりで育つ。未来短歌会「陸から海へ」出身。

2022年に第一歌集『水上バス浅草行き』(ナナロク社)を刊行。

 

※以下はAmazonへのリンクです。

うみべのストーブ 大白小蟹短編集 (トーチコミックス)
大白小蟹 (著)

期待の新鋭、大白小蟹(おおしろこがに)・初単行本。生活から生まれた絵とことばが織りなす、珠玉の7篇。

水上バス浅草行き
岡本 真帆 (著)

【収録短歌より】
ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし
3、2、1ぱちんで全部忘れるよって今のは説明だから泣くなよ
平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ
犬の名はむくといいますむくおいで 無垢は鯨の目をして笑う
教室じゃ地味で静かな山本の水切り石がまだ止まらない
愛だった もしも私が神ならばいますぐここを春に変えたい
星座にも干支にもならず土曜日のわたしの膝におさまった猫
間違えて犬の名で呼ぶ間違えて呼ばれたきみがわんと答える

【著者より】
浅草行きの水上バス。
どこかに急いで向かうための乗り物じゃない。
むしろ、乗らなくてもいい、そんな乗り物。
なくても、生きていけるもの。
でもそういう存在が、心に潤いや光を与えて、
わくわくさせてくれるのを知っている。
そんな歌集をつくっています。
著者:岡本真帆

老人ホームで死ぬほどモテたい (新鋭短歌シリーズ)
上坂あゆ美 (著), 東 直子 (監修)

思わぬ場所から矢が飛んでくる
自分の魂を守りながら生きていくための短歌は、パンチ力抜群。絶望を?みしめたあとの諦念とおおらかさが同居している。
(東 直子)

【5首】
母は鳥 姉には獅子と羽根がありわたしは刺青(タトゥー)がないという刺青(タトゥー)
風呂の水が凍らなくなり猫が啼き東京行きの切符を買った
故郷の母と重なりしメスライオン 深夜のナショナル・ジオグラフィック
沼津という街でxの値を求めていた頃会っていればな
シロナガスクジラのお腹でわたしたち溶けるのを待つみたいに始発

歌集副読本 『老人ホームで死ぬほどモテたい』と『水上バス浅草行き』を読む
上坂あゆ美、岡本真帆 (著)

2022年に刊行された2冊の歌集、『老人ホームで死ぬほどモテたい』と『水上バス浅草行き』の副読本ができました。それぞれの著者がお互いの歌集を評しあった一冊です。

 
【関連】
『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』刊行1周年記念イベント | 三省堂書店神保町本店特設サイト

 


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