沢木耕太郎さん〈ブック・エッセイ〉『夢ノ町本通り』が刊行 『深夜特急』直前、26歳の時に書いた幻のエッセイも初収録
沢木耕太郎さんが本を片手に旅した30年間の豊潤な36編を収録したブック・エッセイ『夢ノ町本通り』が新潮社より刊行されました。『深夜特急』の旅に出る直前、26歳の時に書いた、単行本未収録の幻のエッセイ「書店という街よ、どこへ?」を初収録した上、本書限定の書き下ろしエッセイ「秋に売る」も掲載されています。
『天路の旅人』『春に散る』でも話題の沢木耕太郎さんの最新作『夢ノ町本通り』
<本書「あとがき――甘美な記憶」より>
腹ばいになって本を読んでいた幼年時代から、はるかな年月が過ぎた。
しかし、あらためて、いまに至ってもなお、私の「甘美な時間」がほとんど変わっていないことに、あらためて驚かされる。
本を読むこと、スポーツをしたり見たりすること、映画を見ること、そして旅をすること。
最後の「旅をすること」だけは、中学生になってから覚えたが、それ以外の三つは、小学生時代の幼い頃に覚え、いまに至るまでほとんど変わることがないものである。
そして、これから先も、たぶん変わらないだろうと思う。この眼と足が確かなうちは。
【本書の内容】
ずっと当たり前のように本を読んできた。そう、旅に出るように――。
三島由紀夫、モハメッド・アリ、向田邦子、山本周五郎……。未知の人物との遭遇が、心躍らせる物語への熱中が、いつだって私を豊かにしてくれた。幼少期から現在に至るまで、無数の本との出会いを綴る豊潤な36編。『深夜特急』の直前、26歳の時に書いた単行本未収録のエッセイ「書店という街よ、どこへ?」も初収録!
★『夢ノ町本通り』無料試し読み:https://www.shinchosha.co.jp/book/327524/preview/
著者プロフィール
沢木耕太郎(さわき・こうたろう)さんは、1947年生まれ、東京都出身。横浜国立大学卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。
1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。その後も『深夜特急』『檀』など今も読み継がれる名作を発表し、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞、2013年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞、2023年『天路の旅人』で読売文学賞を受賞する。
長編小説『波の音が消えるまで』『春に散る』、国内旅エッセイ集『旅のつばくろ』『飛び立つ季節 旅のつばくろ』など著書多数。
夢ノ町本通り:ブック・エッセイ 沢木 耕太郎 (著) |
【関連】
▼試し読み | 沢木耕太郎 『夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―』 | 新潮社
◆ひそやかに奏でる想い、抱きしめた記憶――上野千鶴子さんエッセイ集『マイナーノートで』が刊行 | 本のページ
◆文筆家・僕のマリさん〈「食」と「記憶」〉を繋げるエッセイ『記憶を食む』が刊行 | 本のページ
◆性を生きるシニア世代の女性たちの赤裸々なノンフィクションエッセイ! 工藤美代子さん『終の快楽』が刊行 | 本のページ
◆友近さん初の旅行エッセイ『友近の思い立ったらひとり旅』が刊行 | 本のページ