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「さあ、化けもん暴きの幕が開くで」蝉谷めぐ実さん『化け者手本』が刊行

蝉谷めぐ実さんの最新小説『化け者手本(ばけものてほん)』がKADOKAWAより刊行されました。

 

デビューから2作で文学賞5冠!破格の“ばけもの作家”が放つエンタメ時代小説『化け者手本』

2020年に『化け者心中(ばけものしんじゅう)』で小説 野性時代 新人賞を受賞した蝉谷めぐ実さん。そのデビュー作で、日本歴史時代作家協会賞新人賞と中山義秀文学賞を受賞。2作目『おんなの女房』で吉川英治文学新人賞と野村胡堂文学賞(同賞の最年少記録を更新)を受賞し、なんとデビューから2作で文学賞5冠という快挙を成し遂げ話題になりました。

 
心優しき鳥屋と美しい元女形が新たな “ばけもの”暴きに挑む物語は、『化け者心中』をスケールアップした圧巻の時代小説です。装画は、前作に続き、江戸BLの超人気シリーズ『百と卍』などで話題の漫画家・紗久楽さわさんが担当。バディの関係性や歌舞伎の役者絵など、作中の要素がぎっしり詰まった妖艶なイラストを描き下ろしています。

江戸時代の歌舞伎を舞台に、役者の業をあぶり出すストーリーを跳ね回るような文体で綴る――“ばけもの作家”の最新作です。

【あらすじ】

「命を天秤にかけてこそ、示せるものがあるでしょう?」

ときは文政、ところは江戸。
心優しき鳥屋の藤九郎(ふじくろう)と、稀代の女形だった元役者の魚之助(ととのすけ)のもとに、中村座の座元から事件の話が持ち込まれた。
芝居が終(は)ねたあと、首の骨がぽっきり折られ、両耳から棒が突き出た死体が、客席に転がっていたという。これは何かの見立て殺しか。
演目は「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」。死人が出るのはこれで二人目。
真相解明に乗り出したふたりだったが、芸に、恋に、義に、忠に生きる人の姿が、彼らの心を揺さぶって――

 

著者プロフィール

撮影:小嶋淑子

撮影:小嶋淑子

著者の蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さんは、1992年生まれ、大阪府出身。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。

22020年『化け者心中』で第11回小説 野性時代 新人賞を受賞し、デビュー。2021年に同作で第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞、第27回中山義秀文学賞を受賞。2022年に刊行した『おんなの女房』で第10回野村胡堂文学賞第44回吉川英治文学新人賞を受賞。

 

化け者手本
蝉谷 めぐ実 (著)

「さあ、化けもん暴きの幕が開くで」。文学賞三冠「化け者」シリーズ!

<既刊>

化け者心中
蝉谷 めぐ実 (著)

その所業、人か、鬼か―― 規格外の熱量を孕むデビュー作!

時は文政、所は江戸。鳥屋を営む藤九郎は稀代の女形として人気を誇った元役者の魚之助に呼び出され、中村座の座元の許へと向かう。
数日前『堂島連理柵』という新作台本の前読みを役者六人で車座でおこなった際、輪の真ん中に誰かの頭がごろぅり、転げ落ちてきたという。しかし役者の数は変わらず、鬼が誰かを食い殺して成り代わっているのは間違いない。二人は「鬼探し」の道行と洒落こむが、それは同時に、役者たちが芸の道をきわめるために鎬を削る地獄めぐりでもあった。
梨園の知られざる闇、血のにじむような努力や才能への渇望、葛藤を目の当たりにするうちに、藤九郎は、人と鬼の境目に深く思いを致すことになる。
芝居中、熱狂的な贔屓に襲われて足を失い、悪態をつきながら失意のうちに過ごす魚之助をなんとか舞台に戻してやりたい、その一念だった藤九郎だが、“傾奇者”たちの凄まじい執念を目の当たりにするうち、心も体も女形として生きてきた魚之助の人生や役者としての業と正面から向き合うことになり――。
善悪、愛憎、男女、美醜、虚実、今昔――すべての境を溶かしこんだ狂おしくも愛おしい異形たちの相克。

 
【関連】
蝉谷めぐ実特設サイト | カドブン
【試し読み】化け者手本

 


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