三千冊の本をのせて、移動図書館「本バスめぐりん」は街を駆け巡る! 大崎梢さん『めぐりんと私。』が文庫化
『配達あかずきん』『27000冊ガーデン』などで知られる大崎梢さんの人気シリーズ第2弾『めぐりんと私。』が文庫化され、創元推理文庫より刊行されました。
本と人々の出会いをつなぐ、移動図書館シリーズ第2弾!
2016年に第1弾『本バスめぐりん。』が刊行された本シリーズは、本を乗せて各地を巡回する移動図書館を題材にしたハートフルなミステリです。
乗り込むのは会社勤めを定年退職した運転手のテルさんと、二十代の図書館司書ウメちゃん。ふたりとめぐりん、そして彼らが届ける本たちは、悩みや謎を抱えたさまざまな利用者の心を解きほぐします。
第一話「本は峠を越えて」の主人公は、住み慣れた場所を離れて一人暮らしをすることになった七十代の節子です。引っ越し先は亡くなった夫が住みたがっていた家で、息子たちの強い後押しもあり転居してきましたが、その理由には一冊の本が関係していました。
第二話「昼下がりの見つけもの」では、仕事がうまくいかず退職して実家に戻ってきた優也が、18年前に図書館で借りて失くしてしまった本を見つけたことから、思いがけない事実が解き明かされます。
第三話「リボン、レース、ときどきミステリ」の主人公・佳菜恵は派遣社員。会社のお昼休みに近くに来ているめぐりん号に立ち寄るのが習慣になっています。あるとき、同じ会社の営業部の男性から声をかけられて……。
第四話「団地ラプンツェル」は、小学校ぶりに再会した70歳の男性ふたりが、小学生の男の子ふたり組と一緒に一人の男の子を探すお話です。
第五話「未来に向かって」はウメちゃんの同僚で中央図書館の司書、典子が主人公。生まれ育った街でかつて利用していた本バス「ほんまる」の廃止が決まり、お世話になったスタッフの三ツ木さんのことを思い出し……。
収録作五編、それぞれの主人公たちが謎を抱えており、めぐりんとともにやってきたテルさん・ウメちゃんと交流するうちにそれらが解き明かされていきます。登場する実在の本たちも多彩で、めぐりんの棚のにぎやかさを想像するだけでもわくわくします。
解説は『現代詩人探偵』『サエズリ図書館のワルツさん』シリーズなどの著者・紅玉いづきさんが寄稿。物語と図書館への愛に溢れた解説もぜひお楽しみください。
《ただひとつ、この物語を読む限り、わかることは。
賢くて、気立てのいい、めぐりんは、きっと今日も、どこかにやってきてくれるということだけだ。
たくさんの本と、愛をのせて。》
――紅玉いづきさん「解説」より
著者プロフィール
大崎梢(おおさき・こずえ)さんは、東京都出身。元書店員。2006年、書店で起こる小さな謎を描いた『配達あかずきん』を発表しデビュー。同シリーズに『晩夏に捧ぐ』『サイン会はいかが?』『ようこそ授賞式の夕べに』がある。
他の著書に『本バスめぐりん。』『クローバー・レイン』『忘れ物が届きます』『スクープのたまご』『バスクル新宿』『27000冊ガーデン』『春休みに出会った探偵は』など。
めぐりんと私。 (創元推理文庫) 大崎 梢 (著) 本と人々の出会いをつなぐ、移動図書館シリーズ第2弾! 移動図書館「本バスめぐりん」は、今日も巡回先へ本を届けつつ、屈託を抱えた利用者たちの心を解きほぐす。幼いころなくしたはずの本の発見を引き金に当時の出来事が明るみに出る「昼下がりの見つけもの」、本と人との出会いを守る図書館司書として働くことへの熱意や矜恃が胸を打つ「未来に向かって」など、全五編を収録。本と人々をつなぐ移動図書館ミステリシリーズ、第二弾! 装画:トミイマサコ |
<既刊>
本バスめぐりん。 (創元推理文庫) 大崎 梢 (著) “あなたの一冊”が見つかりますように。 都会を走る移動図書館、愛称「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十五歳の新人運転手テルさんと、図書館司書ウメちゃんの、年の差四十のでこぼこコンビだ。巡回先で二人と一台を待ち受けるのは、利用者とふしぎな謎の数々で……。棚に並んだ本の中に、あなたの好みの一冊がありますように。本でつながる想いをのせて、めぐりんは今日も走る。本屋、出版社などさまざまな「本の現場」を描く著者が贈る、ハートフル・ミステリ。 |
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